September 08, 2015

久々に「The Wall」を観た

せっかくブログのアップを再開したので、気まぐれで軽い感じで。

久々に時間が空いた日曜の夕暮れ
ちょっと映画でも見ようとDVDラックを漁る。

前週に息子らが出演したミュージカルで、欧州(革命時代だけど)の裁判シーンがあった。
そこでの群集が被告を責め立てる場面から、この映画を連想してたので久々に見ようかな、と。

Pink Floydのコンセプトアルバム「The Wall」を映像化した作品。
映画のレビューは以前アップしてるので、以下のページ参照で。

「The Wall」

最近、ロジャー・ウォーターズが旧作をリマスターしたりして、雑誌やWebでもよく名前を目にするし、デイブ・ギルモアも新譜出るようだし、フロイド熱が再燃してるか?

で、そのとき居間に居た息子に「裁判シーンがあるし見るか?」と。
映画好きの次男とはいろいろ見に行ったりもするけど、長男と二人で映画ってあんまりなかったなぁ。

息子のミュージカルが、革命時代のイギリスとフランスを描いていた事もあるので、序盤のノルマンディ描写でドーバー海峡に食いついたり。
本編でアニメーションを多用してるので、美術部の息子はそこに食いついたり。

自分自身を振り返ったら、中坊のころはプログレにはまってたから、中3の息子でも難しくは無いかな?
一応最後まで一緒に見てくれた。

音楽的には「Another Brick In The Wall partⅡ」が一番良かったようだ。
やっぱり判りやすいのがいいんね。
アルバム発売当時も、この曲だけ取り上げられてたもんね。
プログレ=トータルコンセプト と頑ななプログレオヤジとしては、ポイントはいっぱいあるけどねぇ。

次は、むりやりヘッドフォンの大音量で「狂気」でも聞かせてやろうか(笑)

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June 20, 2011

Yes 「Concert Veteran's Memorial Coliseum Dec 10, 1974」

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パトリック・モラーツ在籍時の貴重なライブ。
YESのキーボーディストとして一番に名が挙がるのは当然リック・ウェイクマンで、彼のクラシック理解に裏打ちされた構築美と荘厳さはYESの大きな特徴である。
そんなYESの歴史の中でアルバム「リレイヤー」だけ参加したパトリックは、リックとは違う「緊張感」というものを注ぎ込んだと思う。

このライブ音源で、「リレイヤー」からの作品、「Sound Chaser」「Gates Of Delirium」では十分にそれが堪能できる。
逆にリック時代の曲は少し深みが足りない。
(そう考えると、非常にデリケートな曲作りすぎて、メンバーが変わると再現できないという…)

オリジナル・ライブアルバム「YESSHOWS」でも、一部パトリック在籍時の音源は聞けるが、フルコンサートで聴けるというのはうれしい。
が、悲しいかなあくまで記録としてで、作品として聞くとかなり厳しい。
特に音のバランスがひどい。

演奏自体は、ちょっとガチャガチャしてるけど、元々凄腕が集まってるんで楽しめる。

メインボーカルのジョンより、コーラスの声(おそらくクリス)の方が音が大きかったり、キーボードの低音が弱く(もともとキラキラの高音重視がパトリックの持ち味だけど)ギターの音とのマッチングが悪い。

YESとして考えると、リックじゃないYESは残念なんだけど、この面子のバンドとして考えるととても好きなバンドだし、「リレイヤー」収録の曲も秀逸なのでこのライブ音源は非常にうれしい。
(お金出して買うレベルじゃないけど)

同じ年の音源がもうひとつあるんで、後日聞き比べてみたい。
(他にも聞きたいのいっぱいあるんで、いつになるか分からんけど)


http://www.wolfgangsvault.com/yes/concerts/veterans-memorial-coliseum-december-10-1974.html


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June 19, 2011

King Crimson 「Concert Stanley Theatre Apr 29, 1974」

King7


Pink Floydの次は…といえばKing Crimsonでしょう。
ということで探したら60年代、70年代、80年代と揃ってた。
どうしようかと思ったけど、アイコンとなるグループ写真にビル・ブラフォードが映ってるってんで、70年代のメタル・クリムゾンで。

1974年のライブで演奏曲からすると「Starless And Bible Black」(暗黒の世界)発表後、「RED」の前かな。
「The Night Watch」ではデビッド・クロスのバイオリンもフューチャーされてるしね。

ある意味おなじみの4曲。
というか、King Crimsonはオフィシャルだったり発掘シリーズだったりで、かなりライブ音源が発売されてる。
そんな中でも定番中の定番曲だしね。

音源としてはかなりベースの音が際立ってる。
ボーカルとりながらこれだけのベース弾くのは大変だろうに。
(だからボーカリストとしての評価は低いが)

「Starless And Bible Black」で、バイオリンで奏でるテーマと、ボーカルが競演されてるのがうれしい。
アルバム「Starless And Bible Black」の同曲は、デビッド・クロスのバイオリンは入ってるけどほとんどインプロのイメージ作品。
一方「RED」収録の同曲「Starless」ではすでにデビッド・クロスが脱退していたから、メインテーマをギターで奏でていた。
しかしこのライブでは「RED」版の体裁で、バイオリンつきのもの。
おそらくこの形で完成して、脱退によりレコーディングはギターVer.になった気がする。

などと、マニアックな心を揺さぶる、このライブ音源集…まだまだ楽しめそうだ。

http://www.wolfgangsvault.com/king-crimson/concerts/stanley-theatre-april-29-1974.html

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June 18, 2011

Pink Floyd 「Concert Fillmore West Apr 29, 1970」

Pimk_floyd8

Wolfgang's VAULT というサイトを教えてもらった。
個人が所有していた幾多のライブ音源をストリーム配信するというものだ。
有償でダウンロードして所有することも出来るようだが、ストリームで聞くだけでも十分のクオリティ。
なにより、そのリストの多さに圧倒される。
全部聞いたら何年かかるだろうか…
聞いたらできるだけレビューしたいなと思ってる。

しばらくはこのサイトの音源で楽しめそうだが、一番最初に何を聞くか…
ここが趣味の問われるところだが、迷った末「Pink Floyd」を選んだ。

1970年のライブは、10曲で2時間強という濃いもの。
8曲が10分オーバーで、20分オーバーも2曲ある。

前半のハイライトは「Atom Heart Mother」(原子心母)で、このライブの年に発表されているから、当時の最新作となる。
アルバムではオーケストラと競演した話題作だが、このライブでは4人だけでのパフォーマンス。
当然、アルバムに比べると物足りなさが残るが、逆にこのアルバム以前のサイケからプログレ初期のサウンドで演奏されている「Atom Heart Mother」は斬新な気分で聞けた。

後半ハイライトの「A Saucerful Of Secrets」(神秘)は、ライブアルバム「Ummagumma」やビデオ作品の「Pink Floyd Live at Pompeii」で聞けるもの。
長年演奏されてきているのでその完成度は高く、安心して聞ける。

このライブ以降のPink Fkoydは、比較的分かりやすいメロディラインが増えていくので、”聞く”ライブになっていくが、この頃はまだ”浸る”ライブだ。

無料で聞けるので、ぜひ一度お試しあれ。
http://www.wolfgangsvault.com/pink-floyd/concerts/fillmore-west-april-29-1970.html


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December 06, 2009

プログレの深い森 その9 Genesisの場合-2

Genesis2

これまでのバンドと違い、1回の考察で終わってしまったGenesis。
しかし、エントリーを書きながら、またその後も継続して聞いているうちに補足的に書きたくなる事が…

今回の「プログレの深い森」シリーズを書くために、以前から取り込んであるもの以外にもCDを引っ張り出してきてパソコンに取り込み、繰り返し繰り返し聞いている。
そういうとき、スタジオ録音物を中心にするので、ライブ盤は後回し。

で、今回エントリーをアップしてからGenesisのライブ盤を聞いていた。
ここで、Genesisの特徴が新たに感じられた。
ピーター在籍時のライブは、唯一「ライブ」だけで、その後はフィルがボーカルを取っているので、

>どうしてもそれまでのイメージを模倣している感が否めず

>ピーターの存在感は越えられない感じ

と、比較しての判断が前面に出ていた。

たしかにそれはその通りで、書き換えるつもりはない。
しかし、こと演奏力という点で聴くと、過去の作品をあとのメンバーで演奏しているものがどんどんすごくなってきているのだ。
機材が良くなり、ライブ盤でも音の圧力や鮮明さが際立ってきているせいもあるだろう。
また。他のバンドに比べてスタジオ盤を聞き込んでいないから思い入れが少ないせいもあるだろう。

とにかく、ライブ盤の迫力が素晴らしいのだ。

Pink Floydに関しては演奏力は二の次として…
YESはそれぞれの技量はすごいが、それぞれが主張したときの緊張感が売りで、場合によってはその技量が殺される場合がある。
King Crimsonのそれは、インプロビゼーションにおける、各パートの技量のせめぎ合いが売りといえる。
Genesisの場合は、技量があるのにあまり主張せず(フィルがドラムで目立つきらいはあるが)バランスがいい。
かなり高度のところでバランスをとっているのがすごさの由縁。

逆に、スタジオ盤でも同じくらいの完成度と言える、逆説もある。

だから、Genesisのアルバムレビューに乗り気になってないのかもしれない。

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December 05, 2009

プログレの深い森 その8 Genesisの場合-1

Genesis4


1週間かけて「その7」まで駆け抜けたプログレ考察、すっかり息切れしてしまいました。
うーん、3大バンドてしておいたらよかったかな…

で、4番目のバンドがGenesisなわけですが、まずはここで異論がある方もおられることでしょう。
ここは「ELP」じゃないかと。
その辺の理由は「ELP編」(やるつもりなのか?)に置いておきます。

Genesisにとっかかり辛かったのは、他の事に忙しかったせいもありますが、これまでの3バンドに比べて思い入れが…低いから。
(思い入れで行けばELPの方が強い)

バンドとしてGenesisを意識して聞いたのは、80年代中盤のMTV時代に入ってから。
そのころはフィル・コリンズをフロントマンにしたヒットバンド(産業Rock)時代で、曲も雰囲気も好きなのはあったけど、これまでのプログレ・バンドとは違うもの。
もっとも、この時代は「Asia」や「シネマYES」のように、プログレ出身の産業Rockがどんどんヒット曲でチャートアップしてた時代だから、Genesisに対してもプログレって見方はしてませんでしたが。
また、同時期にピーター・ガブリエルもヒットチャートに上がってたし、過去の作品に対してもプログレとして聞こうという感じは無かったなぁ。

でも、それが変わったのは好きなドラマーとしてのビル・ブラッフォードを追いかけだしたときに、Genesisの「眩惑のスーパー・ライブ」で「サポートとしてすごいドラミングをしている」と聞いて、そのアルバムを手に入れてから。
そこで演奏されている楽曲に、「荘厳」さと「叙情性」を感じ、これはプログレだなと。
そこから古い作品にさかのぼっていくことに。

1969年 創世記(From Genesis To Revelation)
1970年 侵入(Trespass)
1971年 怪奇骨董音楽箱(Nursery Cryme)
1972年 フォックストロット(Foxtrot)
1973年 月影の騎士(Selling England By The Pound)

1973年 ライブ(Genesis Live) -Live
1974年 眩惑のブロードウェイ(The Lamb Lies Down On Broadway)
1976年 トリック・オブ・ザ・テイル(A Trick Of The Tail)
1976年 静寂の嵐(Wind & Wuthering)

1977年 眩惑のスーパー・ライブ(Seconds Out)-Live
1978年 そして3人が残った(...And Then There Were Three...)
1980年 デューク(Duke)
1981年 アバカブ(Abacab)

1982年 スリー・サイド・ライブ(Three Sides Live)-Live
1984年 ジェネシス(Genesis)
1986年 インヴィジブル・タッチ(Invisible Touch)
1991年 ウィ・キャント・ダンス(We Can't Dance)

1992年 もうひとつのジェネシス:ライブ(The Way We Walk, Volume One: The Shorts)-Live
1993年 もうひとつのジェネシス:ライブ後編(The Way We Walk, Volume Two: The Longs)-Live
1997年 コーリング・オール・ステーションズ(Calling All Stations)

このバンドも結構メンバーチェンジが激しく、そのうちプログレっぽさが前面に出ているのはピーター・ガブリエル在籍時の「怪奇骨董音楽箱」から「眩惑のブロードウェイ」まで。
このうち、コンパクトな「フォックストロット」と2枚組みのコンセプトアルバム「眩惑のブロードウェイ」は別格。
このアルバムからの曲はのちのライブでもよく取り上げられる代表作。

ところが、このあとピーター・ガブリエルが脱退し、フィル・コリンズをメインに継承されていくけれど、どうしてもそれまでのイメージを模倣している感が否めず、佳作は一杯あるけれど、もうひとつ抜けきれないと言う…
だから先に書いたライブ「眩惑のスーパー・ライブ」も技量的にはすごいんだけど、ピーターの存在感は越えられない感じ。

さらにメンバーが減っていき、アルバムタイトルになるくらいの状況「そして3人が残った」ということに。
ある意味、この3人体制が新しいGenesis像を作り出していくんだけど、同時にそれはプログレバンドからの脱却と言うことに。

特にバンド名を冠した代表作「ジェネシス」からは、ヒット作を連発するスーパーバンドであり、メンバーは同時にソロや別バンドでも活躍しだすという…

ということで、同じGenesisというバンドでも、知っている人はほとんど後期じゃないかなぁ。
その頃でも昔の曲をライブでやってるから、80年代以降のGenesisしかしらない方も、ぜひ初期の作品を聞いてもらいたい。

ディスコグラフィー見てると、LP時代でも節目節目にライブ盤いっぱい出してるねぇ。


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November 20, 2009

プログレの深い森 その7 King Crimsonの場合-2

King2

80年代になると、再びビル・ブラッフォードと組み、ギターにエイドリアン・ブリュー、ベースにトニー・レヴィンという豪華なラインアップで再び活動を開始した。
エイドリアンによるポップな歌メロや、幾何学的な組み合わせのギターデュエットなど、アルバム「ディシプリン」はジャンルを超えた、その時代の言葉で言うならば「ニュー・ウェイブ」なバンドとなっていた。
このアルバムも好きなアルバムだが、名前が同じだけで「宮殿」の頃とも「レッド」の頃とも違う方向性のバンドといってよい。
このメンバーでは、このあと「ビート」「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー」

の3枚のアルバムを残し、再び解散した。

90年代に入ってまたまた復活。
新たに二人のリズムセクションを加え、ギターがロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、ベースにトニー・レヴィン、トレイ・ガン、ドラムスにビル・ブラッフォード、パット・マステロットという、ダブル・トリオという不思議な編成となった。
音的には「レッド」のころのメタル・クリムゾンをさらに発展させたもの。
まずはミニアルバム的な「ヴルーム」ついで、フルアルバムの「スラック」。
いつもなら再結成した流れで3枚ほどアルバムを作っていたが、このユニットはこの2枚で留まった。

しかし、ファンをあざ笑うかのごとく、この時期から過去のライブ音源を続々とアルバム化し、音源の良好なものは正規ライブアルバムとして、少し難のあるものはコレクター・シリーズとして発表される。
当初は貴重な音源が聞けると喜んでいたが、あまりに次々と発表されるので、いつしか買うのをやめるファンと、それでも集めずには居れないファンとに分かれていった。

大まかに診ると、
「クリムゾン・キングの宮殿」時代 - 「エピタフ」「エピタフ3&4」(今は「エピタフ1-4」として4枚組みで発売)
「リザード」「アイランド」時代 - 「レディース・オブ・ザ・ロード」
「太陽~」から「暗黒~」時代 - 「グレイト・ディシーバー - ライブ」「ザ・ナイトウォッチ」
「ディシプリン」から「スリー~」時代 - 「アブセント・ラヴァーズ」
「ヴルーム」「スラック」時代 - 「B・ブーム - ライヴ・イン・アルゼンチン」「スラック・アタック」「ヴルーム・ヴルーム」
と見事にあらゆる時代のライブも網羅している。
コレクターシリーズにいたっては、一度に3~6枚組みで、2000年から10パッケージも…

その間バンドは6人を組み合わせを変えた4つの編成にしてプロジェクト1~4という名前で、ライブをしてはアルバムを作り、良く言えば「可能性を求め」、悪く言えば「迷走」していく。
そしてプロジェクトXとして再び集合したとき、ビルとトニーが抜け4人編成で「ザ・コンストラクション・オブ・ライト」を発表(当然のごとく、その後「ヘヴィ・コンストラクション」というライブ盤も発売)
さらに「ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ」(ライブは「エレクトリック」)と発売した。
ロバート・フリップ先生は、クリムゾンの音楽を自ら「ヌーヴォー・メタル」と呼んでいる。
意識としてはメタルの進化系なんだろう。

その後2008年頃復活してライブを行うと言うアナウンスがあったが…


と、いちおう追っかけては見ましたが、あらためて「クリムゾン・キングの宮殿」につきるなと。
その栄光を追っかけてた4枚目まではプログレ思考だったかもしれないけれど、「レッド」以降はプログレと言うジャンルには納まらないですね。
そういうのも好きは好きですが。

ということで、プログレを知りたい方にお勧めするのは「クリムゾン・キングの宮殿」
あとは「太陽と戦慄」「レッド」の重たいクリムゾン、それを復活させた「スラック」あたりがROCKとしてお勧め。
まったく違うジャンル…しいて言えばニューウェーブの「ディシプリン」

収録曲だけ見て、「有名なタイトルが入ってる」からってライブ盤に手を出さないように。
即興好きなロバート・フリップ先生ですから、”深い”世界が待ってます。
いや、その”すごさ”を味わうにはライブがいいですけれど。

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November 18, 2009

プログレの深い森 その5 Pink Floydの場合-2

Pink2

アルバム「狂気」は28年以上もTOP200のチャートに載りつづけると言うギネス記録にもなるほどの売れ行きを示した。

そんな中、「炎~あなたがここにいてほしい」が作られる。
前作のヒットによる期待もあり、またジャケットもビニールで包装されて空けないと中のジャケットが見えなという革新的なお遊びもあり、ファンはよりプログレッシブな音を期待していたと思う。
しかし、SEやSF的な曲があるものの、プログレッシブロックと言うよりはブルース感の強いアルバムになっている。
詩の内容はよりインナースペースに向かっており、名曲「Wish You Were Here」は、盟友シド・バレットに贈られた…というか、狂気の向こう側に行ってしまったシドに対するレクイエムのようなもの。
名演奏と言ういう意味では「狂気」よりこちらのアルバムのほうがわかりやすいロックで軍配が上がるが、やはり比べてしまうとこれはプログレではない。

さらに「アニマルズ」が発売されるが、こちらは詩の世界に重要度があり、演奏と言う点ではロック色が強くなっている。
つまり、さらにプログレから離れてしまっているのだ。

この2枚のアルバムは、詩やコンセプトと言う部分ではロジャー色が強いのだが、演奏はデイブ色が強く、ギターアルバムといっても良いくらいギターが主役だ。

そしてその次に来るのが問題作「ザ・ウォール
こいつもファンからは賛否両論ですが、とにかく”売れた”
LP2枚組みの「コンセプト・アルバム」
その大仰な感覚は先進的とも言えるかもしれないけど、やはりプログレって感じじゃなかった。
とういか、この時代は「プログレ=オールドウェイブ」という、先進なんだか後退なんだかわからんカテゴリになってたし。
ただ、この「ザ・ウォール」というのは、単なる音楽アルバムの枠を超えている。
まずは、世界で数回しか行われなかったコンサートは、演奏中に客席とステージの間に「壁」を築いていくというパオフォーマンス。
なぜなら、この「壁」と言うアルバムは元々、コンサート中に客席との何らかの壁(隔たり)を感じたロジャーが表現したかったコンセプトを基に作られたアルバムだから。
それを忠実にビジュアル化したコンサートだった。
当時は写真でその様子を見、いつか見てみたいと思ったもんだが…実現は当然しなかった。
次にこのアルバムをもとに映画として映像化された。
この時点で「ザ・ウォール」というのは単なるアルバムではなく、様々なメディアを横断する作品、いわゆるミクスチャーとなっていく。
これはある意味プログレッシブ(革新的)だけれども、音楽としてのプログレとはちょっと違う。
その後、ベルリンの壁が崩壊すると言う予期せぬ出来事が起こった後、その時点ではもうPink Floydから脱退していたロジャーが、様々なアーチストをゲストにこの「ザ・ウォール」コンサートを再現している。

こうして、「ザ・ウォール」と言う作品は、オリジナルCD、ライブパフォーマンス(近年この様子がライブCDとして発売された)、映画ベルリンのコンサート(DVD・CD共にあり)と様々な形となり、単なるプログレというカテゴリーには当てはまらない、ROCKの歴史的なアイコンとして認識されることになる。

で、私としては、プログレと言うことでは語れないが、スピリッツとしてのROCKアルバムとして、今でも重要な作品としてお勧めする。

4人のPink Floyd…といいたいところだが、実は「ザ・ウォール」の途中でキーボードのリックがメンバーから外される。
ただし、サポートメンバーとしてクレジットはされている。
この辺からメンバー構成がややこしい。

次作「ファイナル・カット」に関しては、限りなくロジャーのソロに近いものになっている。
音作りも、これまでのアルバムに比べ非常に地味な仕上がりになっている。
そして、この作品でPink Floydは一旦幕を引いた。

数年後、デイブとニックによってPink Floyd名義の「鬱」が発表された。
リックもサポートとしてクレジットされ、3人のメンバーがそろったので「こちらが本家」と主張するが、すでにPink Floydを終わらせソロになっていたロジャーは名称の使用を認めなかった。
私としても、終盤のイニシアチブから、ロジャーのいないPink Floydは認めたくない。
したがって、YESのときと同様、これはPink Floydという名前の別バンドだと思って欲しい。
でも、来日した際、コンサートを見に行ってしまった。

このユニットは、その後もう一枚「対」というアルバムと、2枚のライブ盤を残した。

一方、ロジャーの方もソロアルバムを出し続け、結構良い作品を残しているが商業的には成功していない。
「死滅遊戯」なんかはかなりクオリティが高いコンセプトアルバムだと思う。
こちらも来日したときにコンサートを見に行った。

デイブ中心の「Pink Floyd」コンサートは、そのステージングに派手にお金をかけ、豚は飛ぶは映像は派手だは、しまいにミラーボールが舞い上がり大きく割れて光の洪水をもたらすはで、とてつもなくエンターテイメントだった。
また、演奏面でもロジャーの代わりは十分埋められ、音としては十分なものだった。

一方、ロジャーのコンサートはビジュアル的には負けている。
しかし、その詩の世界を牛耳っていたロジャーには説得力がある。
単なるヒットパレードのデイブ・フロイドに対して、ソロも含めた構成は無駄がない。
すべての詩がわかっているわけではないが、コンセプトが感じられる。
演奏も、サポートミュージシャンがそつなくこなしている。

こう書くと、4人が揃わなくても良いんじゃないかという…
しかし、この4人が揃ってパフォーマンスしている「ライブ・アット・ポンペイ」の映像などを見ていると、このかけがえのない4人が奏でる世界は、まぐれもないプログレなのだ。

近年、たまたま4人が揃ってパフォーマンスする機会があったが、単なるヒットパレードでしかなかった。
それでも喜ぶ人が多いから否定はしない。
しかし、それはプログレバンドではない。

Pink Floydは確かにプログレバンドだし、その最重要なアイコンである。
その片鱗は、多少聞き辛いかもしれないが「原子心母」「おせっかい」「狂気」で味わって欲しい。
あと、「ライブ・アット・ポンペイ」の神秘的な映像とマッチした演奏は、プログレとしてのひとつの完成形(視覚・聴覚あわせての表現)だと思う。

そして他にはない味のロックバンドとして「炎」「ザ・ウォール」をぜひ聞いて欲しい。

プログレの中の一バンドじゃなく、追従するもののいないオンリーワンの存在として。


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November 17, 2009

プログレの深い森 その4 Pink Floydの場合-1

Pink1

Pink Floydはメンバー的にはYESほどの迷走はしていない。
しかし、違った意味でどの時代が好きかというファン層による論争が絶えないバンドでもある。
私としては、このバンドほどプログレッシブを象徴しているバンドはないと思っているのだが。

1967年 夜明けの口笛吹き(The Piper At The Gates Of Dawn)
1968年 神秘(A Saucerful Of Secrets)
1969年 モア(More)
1969年 ウマグマ(Ummagumma) -Liveとスタジオの2枚組み
1970年 原子心母(Atom Heart Mother)

1971年 ピンク・フロイドの道(Relics) -初期のシングル集
1971年 おせっかい(Meddle)
1972年 雲の影(Obscured By Clouds)
1973年 狂気(The Dark Side Of The Moon)
1975年 炎-あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)
1977年 アニマルズ(Animals)
1979年 ザ・ウォール(The Wall)
1983年 ファイナル・カット(The Final Cut)

1987年 鬱(A Momentary Lapse Of Reason)
1988年 光-パーフェクト・ライブ!(Delicate Sound Of Thunder)-Live
1994年 対(The Division Bell)
1995年 P.U.L.S.E(Pulse)-Live
2000年 ザ・ウォール・ライブ:アールズ・コート1980-1981(Is There Anybode Out There? : The Wall Live 1980 - 1981)-Live

ロジャー・ウォータース ソロアルバム
1984年 ヒッチハイクの賛否両論(The Pros And Cons Of Hitch Hiking)
1987年 RADIO K.A.O.S.(Radio K.A.O.S.)
1990年 ザ・ウォール?ライブ・イン・ベルリン(The Wall - Live In Berlin)-Live
1992年 死滅遊戯(Amused To Death)

2000年 イン・ザ・フレッシュ(In The Flesh)-Live  

まずはデビューアルバム「夜明けの口笛吹き」は、シド・バレット(g/vo)が中心のサイケデリック・ロック。
プログレということ抜きに考えれば、「このアルバムがダントツ一番」というファンの言うこともわかる。
だって、この方針で作られたアルバムはこの一枚だけだから。
Pink Floydを語る上では重要なアルバムだけど、プログレを語るときはこのアルバムは抜きで。

で、2nd「神秘」からギターがデイブ・ギルモアに代わり、このメンバーがずっとPink Floydのメンバー。
ロジャー・ウォーターズ - Roger Waters(b/vo)
リチャード・ライト - Richard Wright(key/vo)
ニック・メイスン - Nick Mason (ds)
デヴィッド・ギルモア - David Gilmour(g/vo)

その後もまだ「プログレ」なんて言葉が生まれる以前に、サイケデリックと実験音楽を組み合わせたスタイルで数枚アルバムを発表し、「プログレ」のきっかけとなる「原子心母」というアルバムを完成させる。
LPのA面丸々を組曲「原子心母」という曲で占め、その曲はオーケストラと競演ということであり、またサウンドコラージュを多用した曲作りでもあり、革新的というよりは前衛的な雰囲気をロックに盛り込んだ傑作。
日本的にはこのアルバムで初めて「プログレッシブ・ロック」という言葉が使われたという説がある。

YESの時に、プログレの要素として「組曲的な長い曲」だとか「クラシックのような展開力」ということを書いたが、そういう意味ではこの曲はまさにプログレ。
ただし、YESに見られる様な「わかりやすいメロディ」は主題に現れるだけで、ほとんどはサウンドコラージュなため、新しい物好きには(現代ならば変わった物好き)受け入れられても、いわゆるロック・キッズには勧めがたい。
(B面には、ブリティッシュトラッドの優しい曲が並んでいるが…)

その後、これまた重要作「おせっかい」が発売される。
こちらはB面丸々が一曲「Echoes」で、上記のプログレ2要素に「宇宙観的広がり」という要素が加わる。
じっくりメロディを追いかけて聞いているような曲じゃない。
いわゆるトリップ状態で、ぼんやり20数分間意識を漂わせるに最適な曲である。
逆に言うと、こういう音楽が合わない方には退屈至極であろう。
また、このアルバムのA面1曲目「One Of These Days(吹けよか風、叫べよ嵐)」はプロレスがゴールデンタイムに放映されていた時代、アブドーラ・ザ・ブッチャー(今も現役でリングに上がっているから驚きだ)のテーマとして毎週のようにテレビから流れていた。
この曲がPink Floydだと知らない人も多いことだろう。

さらに「雲の影」をはさんで、いよいよ歴史的アルバム「狂気」が発売される。
「原子心母」「エコーズ」は組曲的な1曲だったが、このアルバムは数曲のアルバム全体によって「トータル・コンセプト」という方法を取っている。
つまり、1曲1曲は違う曲だが、それぞれをSEや短い曲でつないで、全部をひとつのテーマにそって展開していくという方法だ。
43分ほどの間、部分的にはなじみやすいメロディの曲でもあり、同時に一気に聞きほれてしまう世界観を持った作品…
詩的にも宇宙と内宇宙(インナースペース、精神世界)を組み合わせた幻想的なものだし、荘厳なスキャットや、後半の繰り返しを使った盛り上がり方など、今でも感動に打ち震える。

私は、これが「プログレッシブ・ロック」のひとつの極みだと思う。

その後、プログレとしてみると微妙な展開が待っているのだが…

(つづく)


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November 16, 2009

プログレの深い森 その3 YESの場合-2

Yes2


80年代にはいって、時代はPVで流せる短い時間での表現に。
さらにはビジュアルが凝っていれば曲も売れるという時代。

YES休止後(解散でも良いと思うんだけどね)スティーヴ・ハウとジェフ・ダウンズは、カール・パーマー(ex ELP)、ジョン・ウェットン(ex King Crimson)と「ASIA」というバンドを結成。
面子はプログレ畑の大御所だし、キャッチーなメロディを大袈裟なサウンドに乗せて大成功。
しかし、どこをどう探してもプログレ要素はなく(大仰という要素はあるか)POP・ROCKバンドでしかなかった。

残されたクリスとアランが、トレヴァー・ラビンと組んで「CINEMA」というバンドをはじめたとき、YESオリジナルメンバーのトニー・ケイをキーボードに迎え、さらにはボーカルをジョンに取らせようという時点で、元YESが4人も集まったことでなんとバンド名を「YES」にしてしまった。
しかし、曲のイニシアチブをとっていたのはトレヴァー・ラビンで、過去のYESサウンドとは一線を画する。

ところがこのメンバーの「Owner Of A Lonely Heart」が大ヒット。
トレヴァー・ホーンの名プロデュースやPVの完成度もあり、再び「YES」の名がシーンに浮き上がってきた。
でも、これはプログレバンド「YES」ではなく、POP・ROCKバンド「YES」なのだ。

おそらく80年代から洋楽に親しんだ人たちは、この「CINEMA-YES」が「YES」だと思い込んでるだろうし、それは仕方ないことだ。
逆にこの「CINEMA-YES」をしてプログレはこういうもんだと思われているのなら非常に寂しい。

この「CINEMA-YES」も「ロンリー・ハート」「ビッグ・ジェネレイター」の2枚のアルバムを残し、消滅していった。

この後、さらに事態はややこしくなってくる。
ツアー終了後にYESをはなれたジョン・アンダーソンは、ビル・ブラッフォード、リック・ウェイクマン、スティーヴ・ハウと組んで「ABWH」(4人の頭文字)を結成する。
そう、ベースがクリスではないものの、私が「これがYES」と思っている面子だ。
ベースにはビルの盟友トニー・レビン(King Crimson)が入り、その器用さプラス独特の味で持って、ライブではYESの名曲を再演していたのである。
アルバム「閃光 - Anderson Bruford Wakeman Howe」は、ここ数年の「YES」名義のアルバムより、よっぽど「YES」らしく、その展開力、奥深さは満足できるものだった。(音作りがデジタルになって、ちょっとキンキンするけど)

これで「YES」というバンドの歴史は終わったな、とみんな思っていたのだが、更なるどんでん返しが待っていた。

「ABWH」が2枚目のアルバムを作り出したとき、トレヴァー・ラビンにサポートを依頼し、クリスをコーラスで参加させ…なんと「CINEMA-YES」と「ABWH」が合体してしまったのだ。
ジョンをボーカルに、ギターがスティーヴとトレヴァー、キーボードがトニーとリック、ドラムにビルとアラン、ベースがクリス…
「8人YES」となってしまった。
元々「ABWH」の2ndとして発表されるアルバム「結晶」は「YES」名義となり、8人で世界ツアーが行われた。
なかばあきれていた感もあるが、結果として「危機」時代のメンバーが揃って「こわれもの」「危機」時代の曲を演奏する…この魅力につられ、多くのファンがライブ会場に足を運んだことでしょう(私もその一人)

このあと当然のごとくメンバーが一人抜け二人抜け…気がついたら「CINEMA-YES」めんばーとなり、「トーク」が録音されるけど、このアルバムは各パートの演奏をハードディスク録音し、それをデジタルで切り張り処理するという…いうなればトレヴァー・ラビンがYESメンバーの音素材をデジタルコラージュして作り上げた作品。
まぁ、あらかじめ曲全体の構想があって、それに沿って録音しているから単なるコラージュではないと思うけど、ラストの「Endless Dream」なんかは15分の大作(プログレっぽい)なのにバンドとしての統一感が薄いという…。

その後気がついたらギターにスティーヴ、キーボードにリックといういわゆる黄金期メンバーが集まり、「YES」としてツアーを初め…
もうこのあとは、リックがまた脱退しただの復帰しただの、オーケストラと競演しただの、35周年つあーだの…
とりあえず、メンバーが元気なうちは往年の名曲を演奏して、ファン(?)に楽しんでもらおうという姿勢のようだ。


と、ざっと歴史をなぞっていくだけでも疲れてしまう(読んでくれてる人もなにがなんだかわからんかもしれない)
で、結局何が言いたいかというと、その長い歴史の中で、「プログレバンド」として評価できるのはほんの一瞬で、同じ「YES」という名前でもプログレとして聞いてしまうと誤解を招くこともある。
一方で、プログレじゃない「YES」を好きだったり懐かしんだりする人もいるだろうから、そういう方に向かって「その時期は本当のYESじゃない」なんて排他する気もない。

結局、彼らが「YES」というネームバリューに固執して、その名前でアルバムを乱発してしまったこと…これは他のプログレバンドと呼ばれるアーチストにも共通する困った点だ。


なので、プログレとして「YES」を聞いてみたい方には、まずは「サード・アルバム」「こわれもの」「危機」「リレイヤー」をお薦めする。
あと、80年代にプログレが生きる道を模索したらこんな感じだろうという「閃光(Anderson-Bruford-Wakeman-Howe)」もお薦めする。

あと、ライブ盤「イエスソングス」もいいだろう。
一部を除いて、ドラムがアランになっているのが残念だが。

もちろん「トーマト」「ドラマ」「90125」とか一時代を築いたロックアルバムとしてお薦めするアルバムもあるのだが、この辺でプログレを判断して欲しくないな、という。

かくのごとく、プログレを語るとその「迷いの森」は深く深くたたずんでいる…


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