March 04, 2011

Radiohead「The King Of Limbs」

Rh09

Radioheadの新譜が届いた。
前作の「In Rainbow」のようにネットでの配信だ。
(多分、あとからボーナストラック込みのCD盤もでるんだろうけど)

タイトルは「The King Of Limbs」・・・身体(五体)の中の王って、相変わらず不思議なタイトルだ。

前回レビューしたトレント・レズナーもデジタルビートと生音の融合で世界観を作ってるけど、USとUKでの違いなのか、ダークさの質が違う。
UKのじめっとした陰のほうが私は好みだなと再確認。
アルバムとしたら、前半と後半でかなり経理の違うものになっている。
どちらの面もレディへではあるんだけど…


オープニングは「Bloom」、雰囲気はKid Aから続いているエレクトリックなもので、以前ほどビートを崩してはいないけど、明確なメリハリはない淡々とした感じ。
ただ、ベースが結構いい仕事してて、ビートを気にせずに身体をゆらゆらとくゆらせるグルーブを作っている。

「Morning Mr Magpie」この曲もエレクトリックな…と思って聞いてたけど、よく効くとデジタルビートっぽく生ドラムで演奏して、シンプルなミニマルかと思う音も生ギターで(エレキだとしても素に近い音)だし、こちらでも唯一グルーブしてるベースもあまりエフェクトしてない。
つまり、”バンドサウンド”なのに、エレクトリックな雰囲気。
これは新しいJazzかもしれない。

「Little by Little」前2曲に比べるとバンドっぽさが出て、イメージどおりのRadioheadって感じ。
うちの音楽再生環境って、PCにもサブウーファーつけてかなり低音重視のバランスにしてるんだけど、それでもバスドラの響きがほとんど感じられないほどドラムの存在感がない。
ハットのきざみやスネアでリズム取ってるんで、ノレるのはノレるんだけどね。

「Feral」後期の(再結成してるから第1期の後期か)YMOかって感じで始まる。
ベースが絡みだしてホッとなるんだけど、そのベースもほとんどオフで、後半になってやっとグルーブしてくる。
ボーカルはあるんだけど、ほとんど詩はなく、楽器の1つとして。
インスト曲ってことでいいのかな。

「Lotus Flower」やっぱ蓮の花ってことかな。
前アルバム「In Rainbow」の雰囲気を一番残している。
トムの張り詰めたボーカルが懐かしくて安心する。
いや、こんなダークな危ういもので安心するってのは私の精神状態がいい状態じゃないんだろう。
でも、レディへファン(初期のバンドサウンドファンは別として)はそういう不安な状態が好みな人たちだから…(いや、私の偏見です)

「Codex」ピアノ中心のイントロで始まる静かな曲。
精神的不安感真っ只中のビートから開放されて落ち着くようではあるけれど、まだまだ霧の中にたたずんでいるような…暗い不安から、真っ白な不安に変わっただけかも。
レディへ流シガーロス・ワールドってことか?

「Give Up The Ghost」なんて言ってたら、とても優しい面のトムが現れた作品。
っていうか、こんな牧歌的あるいは賛美歌的な光あふれるトムのボーカルって今まであったか?
マニアックな言い方をすれば、「原子心母」のA面を聞き終わった後に現れるB面の「if」を聞いてるような感じ(Floydファンしかわからんな)
でもこの一曲でこのアルバムがお気に入りになった。
(どんな歌詞かしるのは怖いけど…爆)

「Separator」引き続きやさしい雰囲気の曲。
でもデジタルビートっぽくしながらのバラード調は…なんとなく違和感。
多分、今後なんどか聞き込むうちに普通になってくるのかも。
逆に、レディへじゃないとこういう音楽は作れないかもね。

YouTubeでPVを発見。
見事な変態ダンスで、インナーワールド全開。
マイケルジャクソンの振り真似できる人でもこれは無理かも…




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March 01, 2011

Trent Reznor 「The Social Network」

Msns

アカデミー賞での「作品賞」は取り損ねたが、「作曲賞」としてトレント・レズナーがオスカーを手にした。

ノミネートされたほかの作品を観ていないので、比較しての話はできないが、この「ソーシャル・ネットワーク」での世界観と彼の音楽はすごくマッチしていて、しかも私の好みだったので、この受賞はうれしい。

トレント・レズナーはNIN(ナイン・インチ・ネイルズ)のフロントマン。
というか、NINそのもの。
かなり内向的な世界観を、時には暴力的な、時には叙情的なサウンドに載せて作品を作っている。
その発表方法も近年はネット配信を利用して、安価にリスナーに届けるシステムを確立している。
(だからこのアルバムもアマゾンなどで安価で提供されている)

映画「ソーシャル・ネットワーク」のサウンドトラックとして考えるならば、かなりのロックサウンドが挿入歌として使用されていたので、それらを集めたアルバムがあればかなりヒットするだろう。
かつて(80年代かな)の青春映画など、ヒットチャートのベスト盤かと思えるようなサウンドトラックアルバムが多々あった。
(トップ・ガン、フラッシュダンス、フットルースなど)
しかし、「ソーシャル・ネットワーク」のサントラとして世にでているのは、劇中BGMとして流れていたインスト曲のみで構成された本作。
なので、サントラとして聞くよりも、トレント・レズナーが映画のために書き下ろしたソロ作品として楽しむことが出来ると思う。

ピアノ中心の静かな曲と、電子音の洪水のような曲…
癒しであったり、不安を想起させるものであったり…

うん、いい作品だと思いますよ。



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December 07, 2008

Sigur Ros「Saeglopur」

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誕生日プレゼントとしてWebクーポンをくれるショップが、セールとして別にクーポンを発行してくれた。
あわせると500円分の割引だ。
しかし、そのショップは家電中心で、送料無料になるには1万円以上買わないといけない。
500円のために、特に必要としてないものを1万円買う…のもバカらしい。
しかし、そのショップのCD/DVDならば3000円以上で送料無料。
ただ、そこは輸入版は扱っていないので、安い輸入版があるものをわざわざ買う気がしない。
でも、クーポンをムダにもしたくない…ということで、日本編集版(輸入版はない)このアルバムを買うことにした。
(もう一枚、冨田勲のアルバムと2枚で3000円強)

アルバム「Takk...」を発売した後の来日記念版として出されたEPで、メインの「Saeglopur」以外は未発表曲。
(「Hafsol」は後に「Hvarf」に収録された)

「Saeglopur」アルバム「Takk...」の後半を彩る、Sigur Rosのダーク面を表した曲。
序盤のエンジェルボイスとキーボードだけのパートと、重たいベースやドラムが加わった中盤の落差が深い深い世界へいざなう。

「Refur」ピアノ中心の静かな曲。
この頃のSigur Rosのイメージどおり、白い霧に包まれた世界という感じ。

「O Fridur」この曲だけ聞くと、「Penguin Cafe Orchestra」といっても通用しそうなストリングスのリズムレスな世界から始まり、やがてピアノの旋律に入れ替わっていく…なんともふわふわした世界観。
最後にボーカルが加わるが、声というより楽器のひとつとして溶け込んでいる。

「Kafari」オルゴールの音を使った幻想的な世界。
ストリングスが徐々にからんで、明るく、かつ荘厳な雰囲気に持っていく。

「Hafsol」印象的なギターのイントロから始まり、そこにストリングスとボーカルが加わる。
明るく、でも静かな雰囲気は中盤でドラムが加わりだし、少しテンポがハッキリしてくる。
終盤になるとテンポアップして、カーニバルのような雰囲気で加速していく。
10分ほどの曲なのに、あっという間に感じるほど引き込まれる名曲。


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November 30, 2008

Kate Bush「The Kick Inside」

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今年はネットでのダウンロード販売で新譜を手に入れることが多かったが、11月に入ってCDを手にする機会が増えている。
というのも、誕生月ということでネットショップの「バースデーポイント」をもらったりして、CDだったらそんなに追い金を足さなくても送料無料で手に入れられたりする。
他には、プリンターのインクがバーゲン価格で出ていたときについでに買ったり、出張先のショップでバーゲンしてたり…とまぁ、そういう感じで連続で6枚買ってしまった。

そのうちのメインになる新譜は残念ながら遅れているようだが、それと一緒に(2枚買うと10%オフ)買ったのがこのKate Bushのデビューアルバム「The Kick Inside」(邦題:天使と小悪魔)

ケイト・ブッシュがデビューした頃は、洋楽の情報はもっぱらラジオと雑誌。
そこで、ピンクフロイドのデビッド・ギルモアがプロデュースした19歳の女の子ということで興味を持ち、ラジオから流れてくる不思議な声と歌声におどろいたものだ。
しかし、当時のなけなしの小遣いではアルバムを買うまでにはいたらず、ヒット曲の「Wuthering Heights(嵐が丘)」以外はあまり知らなかった。

CDとしては2ndアルバムの方を先に手にしていたのだが、今回アルバム単位で聞いてみて、トータルで作り上げられた世界観が、Genesisを思い起こさせる幻想的な立派なプログレだなという印象を持った。
もとろん、私の好きな世界だ。

「Moving」メジャーともマイナーともつかない、不安定な世界観。
伸びのある、それでいて繊細な声は、霧深い森の中をさまようような雰囲気で、聞くものを迷わせる。
デビューアルバムの一曲目で完成されている感じだ。

「The Saxophone Song」前曲の雰囲気をそのまま引き継いだ感じ。
タイトルどおり、サキソフォンが渋い。

「Strange Phenomena」なんとも一言で表せない不思議な曲

「Kite」ちょっとPOPでとっつきやすい…かな?
バンドサウンドが判りやすいだけで、歌メロの世界は全然POPじゃないな。

「The Man with the Child in His Eyes」静かなバラード。
ゆったり、語りかけるように歌えば、低音の聞いたいい声のバラードが聞ける

「Wuthering Heights」最初のヒット曲。
今もある番組のテーマに使われているので、耳なじんでいる人は多いだろう。
不思議ワールド全開で、耳についたら離れない名曲。

「James and the Cold Gun」ちょっとRockな一曲。
でも、ちょっと彼女の個性には合わないかな?

「Feel It」バラード調なんだけど、こちらはハイトーンボイス中心で不安定な雰囲気。
でも、こちらの方が真骨頂。

「Oh to Be in Love」リズムやコード進行はこんなに単調なのに、とてもメリハリのある世界が作れるのは、非凡だ。

「L'Amour Looks Something Like You」悪くはないが、前後の曲が個性的なんでちょっと埋もれてしまう。

「Them Heavy People」ちょっと不思議なベースの音回しに、彼女のボイストーンが加わることで独特の世界を築きあげている。

「Room for the Life」これも悪い曲ではないのだが、同じような雰囲気が続くとインパクトにかける。

「The Kick Inside」ラストは正統派バラード。

カルト度 65% かつてのベストセラーも、今ではベストで十分か?


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November 14, 2008

The Verve「Forth」

Front
今年のサマソニで復活した「The Verve」
90年代に活躍したバンドだが、まだじっくりと聞いていなかった。しかし、サマソニ前の特番で彼らの曲を聞き、サマソニ後にテレビで放映されたライブを聞いて気になりだした。その曲は「Bittersweet Symphony」残念ながら、その曲が入ったアルバムはまだ未聴だが、今年発売された新譜は聞く機会に恵まれた。
結構いろんなバンドが気に入っている90's UKにおいて、ノーチェックだったのが悔やまれるほどお気に入りにアルバムになっている。
古くはRoxy Music、最近ではRadioheadSigur Rosに感じられるような、隙間をびっしりと音で埋め尽くした非常に深みのある、それでいて霧がかかったように緩やかに包み込む音圧が心地いい。
The CharlatansやThe Musicのようなグルーブも心を揺さぶる。
古いアルバムも聴いてみたいし、このまま活動を続けて新しい音も生み出して欲しいと思えるバンドだ。

「SIT AND WONDER」ドラムとベースのグルーブ具合がちょっとばかし古い感じが…しかし、リチャード・アシュクロフトの粘っこいボーカルが絡みだすと、これが非常に心地良いグルーブに収まる。
隙間のない音世界と言えばいいのか、ドラムビートの合間にもしっかりベースの音が残っており、壁のように音圧がそそり立っている。
しかし、それはうるさいというものではなく、あくまで心地よいのだ。

「LOVE IS NOISE」前曲のグルーブ感はそのままに、ちょっとだけPOPに仕上げた作品。

「RATHER BE」名曲「Bittersweet Symphony」を髣髴とさせる、優しい曲。
Oasisなどの90年代UKバンドのバラードに比べ、とても淡々としているのに心に響いてくるのは、同じフレーズの繰り返しの裏に、微妙に変わっていくギターやキーボードのバッキングの妙があるし、音こそ現代風だがブルースだからだろうなと。

「JUDAS」曲はメジャー調なんだけど、音の世界が霧に包まれたような感じで、ギターなどの音の入れ方がすごく深い感じ。
まるでRoxy Musicが21世紀によみがえったような感じさえする。

「NUMBNESS」スローな曲だが、音の深さは健在。
これもドラム・ベースがグルーブな世界を築く上に、ギターが時にはジャジーに、時にはブルージーに、自由に表現されている。

「I SEE HOUSES」曲が進むにつれて、だんだんPOPさが薄れてき、Deepな世界観に引き込まれていく。
この曲はピアノの音が効果的に使われている。
英詩ボーカルつきのSigur Rosといった感じか。

「NOISE EPIC」静かな感じから、だんだんと疾走していくバッキング、それでいながらボーカルは静かに淡々と…。
盛り上がっていくところは、ちょっとU2ライク、あるいはOasisライクかな。

「VALIUM SKIES」前曲で混沌としたイメージに押し込められていたところから、ふわっと開放されたようなイメージの曲。

「COLUMBO」フレットレスを使っているのか、微妙な揺らぎのあるベースライン…輪郭のぼやけた音の世界。
ノイジーなギターや、ハイテンションのボーカルの雰囲気など、Radioheadのイメージも重なる。
結構、好みのど真ん中。

「APPALACHIAN SPRINGS」まるで一昔前の叙情派プログレのように、静かに盛り上がっていく、アルバムラストにふさわしい曲。
近い雰囲気としては、ピーター・ガブリエルやロジャー脱退後のPink Floydの荘厳さか。
リチャード・アシュクロフトっていいシンガーだねぇ。

定番度 90% もしかしたら今年の新譜でNo.1になるかも

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September 20, 2008

Mogwai「The Hawk Is Howling」

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いつからか、すっかりはまってしまったMogwai。
Sigur Rosとともに、一度聞いたら何日でも繰り返し聞いてしまう。
仕事のバックにさらりと流してもよし、長距離運転のお供にもよし、MP3プレーヤーで街中で大音量(もちろんインナーホンで)聞いてもよし。
でもできれば、何もせずボォーっと音に浸ってトリップしたい。

そんなMogwaiの新譜が出ました。
「The Hawk Is Howling」というタイトルにもなんか崇高な響きを感じる(贔屓しすぎか?)
前作「Mr.Beast」から2年半、映画サントラでもある「Zidane」からでも2年ぶり。
ちょうど、その両アルバムを混ぜて成長させた感じで、静と動のおりなすMogwai節が楽しめる。

「I'm Jim Morrison, I'm Dead 」ピアノが静かにフレーズを繰り返す…前作「Mr .Beast」もピアノで始まったが、今回はさらに静かに深く。
ベース・ドラムが加わり、音はさらに深くなり、奥の方でギターがノイジーに音を奏でる。
何か情景が思い浮かぶようで、明確なものは現れない、不思議な感覚だ。
しいかし、このタイトルはインパクトがある。
Jim Morrisonというのは、60年代のアメリカン・サイケ・バンド「The Doors」のフロントマン。
若くして逝ってしまったのだが、残された作品はすばらしい。
そのJim Morrisonへのオマージュなんだろうか。

「Batcat」一転して、ゴリゴリのベースとドラムが前面に押し出され、低音のグルーブ中心の曲。
メタリカ?とでも思えるような音の壁だ。
なのに、しっかりとMogwaiの音になっているのがいい。
ライブで聴いてみたい。

「Danphe and the Brain」ローズの音だろうか、ピアノとはまた違った揺らぎのある音で静かに始まる。
静かなのは静かだが、ベースの低音が不安感をあおるような雰囲気を出している。
やがてギターが加わりだすと、静けさとやかましさが混沌とした世界に引き込まれる。
この曲単独だとちょっときついかもしれない。

「Local Authority」リズムは控えめに、ピアノとシンセが中心の、霧の中にいるような曲。
Sigur Rosのアルバム「( )」後半のマイナー調にも通じるような雰囲気で、スゥーっと沈んでいくような、でも暗くなるのじゃなく、白い世界に沈むような不思議な感覚。

「The Sun Smells Too Loud」小刻みに刻まれるベース、テクノのように等しく刻まれるドラム、キーボードもテクノのおかずのようだ。
しかしそこにギターが加わると急にPOPな感じになる。
まるでCold Playのインスト曲のように…
なんか、新しいMogwaiに出会った気がする。

「Kings Meadow」ベースのメロディと、ピアノが絶妙に絡んで、そこにシンセやギターが彩りを加えてくる。
この音の重なりがホッとさせてくれるのは、この曲にいたるまでの不安感によるものなのかもしれない。
やはり、Mogwaiはアルバムとして順番に聞いてくることに意味がある。
(きっと、ベスト盤が成り立たないだろう)

「I Love You, I'm Going To Blow Up」雰囲気的に、一番過去の”Mogwaiの静と動”らしさを感じる曲。
というのは、前曲で安心したから来る感覚のようだ。
音の重なりや盛り上がりが、ちょうどいいバランス。

「Scotland's Shame」こちらもMogwaiらしさが出た、ひたすら同じフレーズを繰り返しながら音を重ねていく曲。
オルガン、聖歌隊のようなコーラス…ずっとこのまま続くかのように思わせて、いきなり入り込んでくるギター。
かつての”轟音”ファンには物足りないかもしれないが、洗練された”轟音”となったMogwaiが味わえる。

「Thank You Space Expert」映画とのコラボをした「Zidane」を彷彿させる曲。
静かなベースとドラム、ピアノ・ローズ・ギターがゆっくり絡む。
ヒーリングミュージックといっても通用するかもしれない、至福の空間。
ゆったり…ゆったり…ゆったり…

「The Precipice」徐々に盛り上がっていくギターメインの曲。
もうここまできたら、あれこれ考えずに音の渦に飲み込まれれば良い。
それにはうってつけの曲。
あぁ、Mogwaiだ…

定番度 90%(一般向けではないかもしれないけど、私的には高評価)


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July 18, 2008

Mike Oldfield「Tubular Bells 4」

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あるアルバムが信じられない価格で発売されていたもんだから、HMVで予約した。2枚以上買うと割引がよくなるので、同時に何か買おうといろいろ検索して、このアルバムが1000円を切る価格で打っているのを発見。早速カートに入れた。
あまりにこのアルバムが安すぎて、送料無料に届かなかったので、別にもう一枚、あわせて3枚購入。

が、一番お目当てのアルバムが出荷予定日になっても未入荷。
仕方なく、他の2枚だけ先に出荷してもらい、今日手にした。

その一枚がこのアルバム「Tubular Bells -Part.1: Version for 2 Pianos & 2 Synthesizers, Version for 4 Pianos / Piano Ensemble」
前にも紹介した「Tubular Bells」のピアノ&シンセバージョンと、ピアノバージョンの2曲入り。
すでにⅡ・Ⅲと発売されているし、ジャケットのデザインが”4”を模しているから、おそらく「Tubular Bells 4」って事でいいのかな。

1曲目は2台のピアノと2台のシンセで演奏。
ⅡやⅢは、オリジナルの雰囲気をそれぞれの発売時期にあわせて主題も含めてアレンジしていたけど、このバージョンはオリジナルを忠実に再現している。
ピアノだけでは表現できないところはシンセで補足しているから、かなりオリジナルに近い。
かつてムソルグスキーの「展覧会の絵」を、富田勲のシンセバージョンで初めて聞き、さらにEL&Pのバージョンを聞いてから、本家のピアノ曲で聞いたときのようなイメージかな。
最初はその音の表現に物足りなさを感じるんだけど、聞き込むとシンプルな分、そのメロディの繊細さが際立ってくる。

そのイメージはピアノだけの2曲目により顕著にあらわれる。
どうしても音数が少なく、厚みが乏しくなるのだが、それはオリジナルと比べてしまうからで、こうして聞くとピアノ曲として十分成立している。

マイク・オールドフィールドは、その楽曲展開力や、シンセの導入なのでプログレのカテゴリーに入れられることもあるが、くらシックの現代音楽家としても評価されても良いんじゃないだろうか。
いや、そんなカテゴリーは取っ払って、この誰でも耳に残るメインテーマをいろんな形で楽しめばいい。

しばらく、お気に入りになりそうな予感

カルト度 80% オリジナル盤を聞いてから、気に入ったらどうぞ

Tubular Bells -Part.1: Version for 2 Pianos & 2 Synthesizers, Version for 4 Pianos / Piano Ensemble - Mike Oldfield CD/MP3


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June 26, 2008

Sigur Ros「Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust」

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久しぶりに予約してCDを買った。
ここ1年ほど、一番聞いているであろうSigur Rosの新譜。
事前にYouTubeで聞いていた1曲目は、印象は微妙だったが頭についてはなれない曲になっていた。
気がつけば、この一曲だけでも買おうという気になっていた(予約価格が安かったこともあるが)

で、昨日届いて何度か繰り返し聞いてみた。
前半は結構ビートの聞いた明るい激しい曲。
後半は従来のSigur Rosを思わせる静かな曲。
ただ、一枚通じて陰のイメージの曲がない。
アルバムジャケットのように明るい空の下で、無垢な姿ではしゃぎ、そのまま草むらでうたたねしてしまっているイメージ。

Coldplayからヘビーローテーションの位置をさらってしまいそうだ。

10月には来日公演もあるが…行きたいけど…


「Gobbledigook」アコギの1ストロークごとにコードが変わる変拍子(7拍か?)3連のラララというコーラス、原初的なビート(2ビートか)これらがイントロから絡み合って、聞くほうも拍子がとれず戸惑う。
しかし、歌メロが入りだすと自分の身体に染み付いたビートに拘ることをあきらめて、耳からから入って来るままに、身体に響くままに、音に身体を預けていることに気づく。
80年代にアダム・アントやバウワウワウがやっていたアフリカンビートをヨーロッパが取り込んだものを、2000年代で復活させた感じか。

「Inni Mer Syngur Vitleysingur」ベースの感じは以前のアルバムに通じるが、ビートの刻み方が前曲同様あらあらしく原初的なビートなので、明るい草原で子どもが走り回っているようなポジティブで前向きな曲だ。

「Gothan Daginn」カリンバのようなギターアルペジオに、ベースのハイトーンが絡む心地よさ…。
歌は裏声こそ抑え目だが、過去の作品に近い天上の響き。
しかし、憂い度が少なく、とても明るい印象だ。

「Vith Spilum Endalaust」ベースの響きを中心に、ホーンセクションやストリングスも加わった、「Takk...」に近いバンド志向の曲。
陰から陽だとか、霧が晴れていく感じとか、以前はそういう感じが多かったこのバンドだが、今回は終始明るい雰囲気で通している。

「Festival」懐かしいような静かな曲調…そこから徐々にリズムが加わり盛り上がっていく。
ベースがミニマルに音を紡ぐ中、ドラムのアクセントが激しくなっていく。
最後はホーンが高らかに奏でて最高潮を迎える。
静かな朝から始まるフェスティバルの一日って感じかな。

「Meth Suth I Eyrum」まるでショパンの曲のようなピアノの響き、そこにパーカッションが加わりSigurRosの世界へ。
気がつけば、ピアノのフレーズもミニマルなものに変わり、ステレオに振られることで幻想的なイメージを作り出し、低く響くベースが奥行きを作っている。
楽器数は多くないんだろうが、音の処理の仕方でこれだけ深みのあるものになるのかと。
前曲の「Festival」とは違った形で壮大な音世界になっている。

「Ara Batur」あぁやっぱりSigurRosだ・・・と、落ち着ける静かな静かなきれいな曲。
後半は天使の歌声のようなコーラスと迫力のホーンセクションで荘厳な仕上がりとなっている。

「Illgresi」懐かしい感じのアコギ曲。
コードチェンジ時のグリッシェンド音もリナルで雑音にはなっていない。

「Fljotavik」再び、ピアノ中心の静かな曲。
「Straumnes」短いピアノインスト…映画の一場面をつなぐサントラのような静かな曲。

「All Alright」少ない音数であらわした、とても雰囲気のある曲。
静かに閉じていく…でも、いつもと違って明るい。
まるで、母親の胸で子守唄を聞いているような…

予約した時は1200円ちょっと、発売日には1400円ちょっとになっていた。
それが今日は1757円だ…500円も安く買えちゃった。
売上ランキングでベスト10に入ってたもんなぁ…

定番度 85% こいつはおすすめです。

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust - Sigur Ros CD/MP3



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June 16, 2008

Coldplay「Viva La Vida or Death And All His Friends」

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Coldplayの新譜、早速入手して聴きました。
最近、これまでの3枚もよく聞いてるんで感じますが、徐々に荘厳さを増してきて、それがColdplay節を作っていてるけど、このまま進むとバンドらしさが薄れてくるんじゃないかなと…。
で、この新作はちょっと荘厳さに足踏みをさせて…いるようにも聞こえるけど、ストリングスの比重が高かったり、ピアノバラードでもそのまま終わらず盛り上げていったりっと、ちょっと手を入れすぎてるんじゃないかと言う感じがある。
まぁ、「X&Y」も最初は違和感があったけど、聴きこむほどに気に入ってきたから、そういう魅力を持ったバンドと言えるのかもしれない。

前作までの成功で、ほっといてもある程度の売上は記録するだろうけど、「今までのほうが良い」「ちょっと苦手」というひとも多いかもしれない。

まぁ、成功してるバンドに対する期待値はかなりプレッシャーになるでしょうからね。

私は、「Viva La Vida」「Violet Hill」がすでにお気に入りなので、あとはバラード系が聴きこむうちに好きになるかどうか…ですね。

「Life In Technicolor」シンセがフェードインしてくる。
ギターアルペジオのリフが加わり、やがてアコギのストローク、ベースのフィルイン、ドラム、エレキギターと徐々に加わって、これから始まる新しい音の世界へいざなう…

「Cemeteries Of London」ピアノの弾き語り風だが、最初から奥の方でドラムのリズムが響いており、深い深い音世界を作っている。
やがてバンドが加わりちょっとマイナーな世界観をつくりだす。
前アルバム(X&Y)よりは、同じような曲調のものでも、少し力が抜けた感じ(いい意味で)

「Lost!」ちょっと地味に感じるのは、クリスのボーカルが淡々としすぎているせいなのか…
バッキングも前アルバムほど荘厳になりすぎず、でもしっかり音の奥行きは感じる深いアレンジで。
前アルバムもそうだったけど、こういう曲は聴きこむほどに好きになって来るんだろうなと。

「42」ピアノバラード…あまりにもベタなバラード。
と思いきや、曲の中ごろでちょっとノイジーなギター中心のバンドサウンドが加わる。
彼らのデビューは、デジタル志向に変わったRadioheadファンを、初期のRadiohead的な音楽で取り込んだ形だったのだが、Coldplayのサウンド自体がどんどんRadioheadをフォローしている気がする。

「Lovers In Japan/Reign Of Love」Japanをどうイメージしているのかわからないが、ちょっとだけチャイニーズっぽいエッセンスの入ったU2って感じ。
ドラム・ベースのリズムに対して、半分ほどのテンポで歌うところがU2ライクかな。
まぁ、プロデュースがそちらの人脈だから…
後半はピアノバラード。

「Yes」イントロはちょっとアップテンポだけど、ボーカルが入るといつものもったりしたテンポに引きずり込む。
ちょっと、今までとは違った作風で、たとえるなら耽美派のBowieやJapanといったところか。
最初は突っつきにくかったが、聴きこむと気に入ってくる不思議な曲。
ある意味裏切りであり、ある意味新境地ってことか。

「Viva La Vida」このアルバムのハイライト2曲、その一曲目。
ストリングス系の跳ねるようなリズムと、粘っこいシングルトーンの組み合わせ。
そこに静かに声を張ったクリスのボーカル。
ドラムは控えめにバス(ロータム?)だけでリズムを刻み、サビのところだけ音数を増やして盛り上げる。
シンバル系の音もデジタル処理で深く響かせてるし、ベースも目立たないのに音圧だけはしっかりとキープしてる。
最後の楽器がブレイクしてストリングスだけに鳴ったときにわかる、それまでの音の深さ。
この曲だけで、このアルバムも傑作だと言えるんじゃないだろうか。

「Violet Hill」ピアノバラードと歪んだギターのおかずの入り具合、これも安心できるColdplayの世界。
今までと変わったことも歓迎だが、”らしいよな”って言える曲があるのもうれしい。

「Strawberry Swing」力の入った2曲に続いて、ちょっと軽いタッチ。
他の曲でもそうだけど、リズム隊があまり目立たず、ストリングスのアタックを強めにしてリズムを強調している感じが多い。
ドラムの迫力とは違うんだけど、この音圧が結構心地よくて、音の深みにつながってる感じ。
ライブで、どういう風に処理するかが楽しみ。

「Death And All His Friends」最後を飾る、静かなピアノ中心のバラード。

定番度 ?% 80%以上は間違いないけど、まだ未知数。

Viva La Vida or Death And All His Friends - Coldplay MP3


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June 14, 2008

Coldplay「Parachutes」

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今、テレビで抜群にかっこいいCMがある。
iPodとColdplayがコラボしたものだ。
ドラムの入り方がしびれる。
私は基本的に反MAC派だが、こういうセンスには脱帽だ。


この曲の入った新譜ももうすぐ発売だが、その前に旧作のレビューを。


Coldplayをいいと思ったのはCDショップで2ndの「A Rush of Blood to the Head」を試聴盤で聞いてからだから、2002年位だろうか。
そのあとでこの1stアルバムを聞いてから、結構聞いたことがある曲が並んでいることに驚いた。
そのサウンドがUKの若いバンドだと思っていなかったからだ。
まぁ、最初の3曲だけ聞いたら、ラテン顔のひげ面のおっさんがスーツ来てラスベガスで歌ってってもおかしくないというか(それは言いすぎだが)そんな印象を持っていた。
2nd以降を聞いてからこのアルバムを聞くと、なるほどまだ若い(というか2ndの円熟味が半端じゃないから)

いまや2000年代を代表するバンドだが、さすがに非凡だ。

「Don't Panic」落ち着いた渋いボーカル、軽快なギター…今思えば、メロディックないかにもUKらしいPOPなサウンドだと思えるが、ラジオなどで繰り返しかかっていたのを聴いていたときは古いAORか、その焼き直しだと思っていた。

「Shiver」きらびやかなギターイントロ、裏声も駆使した大人しいボーカル、ベースやドラムも抑え目で堅実なプレイをしている。
今のColdplayからすると軽く感じるが、展開の仕方や盛り上げ方なども含めて、スタイルが確立されている。
余韻たっぷりの終わり方もうまい。

「Spies」少しマイナーな曲調で、アコギもうまく生かしながらドラマチックに展開していく。
ただ、「Don't Panic」からずっとこの曲調が続くので、少し面白みにかけてくる。

「Sparks」ベースがメインを取り、今までとテンポが変わりスローになった。
ギターは深いところで鳴らし、ピアノとアコギを表のアクセントにしているところが、ささやくようなクリス・マーティンのボーカルとマッチしている。

「Yellow」彼らの最初のヒット曲。
初期Radioheadを思わせる、ギターバラード。
ひねりのない、ストレートな、いかにもUKという…
ただ、ソングライティングの巧さとクリスのボーカルが、他のバンドとは一味違うものを醸し出している。

「Trouble」ピアノとベースのイントロが印象的なバラード。
ピアノ弾き語りスタイルからバンドが加わる盛り上がり、ブレークを取り入れるメリハリ。
1stアルバムにしてすでに渋さ全開。

「Parachutes」アコースティックバラード。
アルバムタイトル曲でありながら、1分弱の小曲

「High Speed」90年代UKを思わせるドラミング、グルービング感のあるベースプレイ、シングルトーン中心のギターリフ。
もしかしたらZepのサウンドを2000年代に再現したらこういう感じになるんじゃないかと…
私だけかな、そんなこと思うの。
(まぁボーカルは全然違うけどね)

「We Never Change」アコースティックなバラードから始まり、ベースとドラムが加わる。
控えめながら印象的なエレキギターが音に厚みを加える。
静かに…とても静かに曲は進むのに、とても奥行きを感じるのはベースの音圧がいい具合に効いているからか。
こういう奥行きのある空間作りは、次作以降のアルバムで昇華されていく。

「Everything's Not Lost」ラストを締めるピアノバラード。
クリスはピアノ弾き語りだけでもそこそこのサウンドが作れるだろう。
しかし、それをさらに深いものに仕上げるギターの使い方が絶妙だし、ベースもさりげなくグルーブ感を醸し出している。
基本的には静なのだが、その中に少し加わる動の部分が心に響く。

「Life Is for Living 」シークレットトラック

定番度 90% 近々新譜が出るが、そのついでにどうぞ。

Parachutes - Coldplay CD/MP3


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