映画 「Tommy」
近所の映画館「みなみ会館」がこの夏に移転リニューアルオープンした
いわゆる「マニアックな映画館」で、古い作品や単館上映の作品などを取りあつかってる
そのオープニング時に「上映予定」とされている中に「さらば青春の光」と「Tommy」があった
ともにThe Whoのアルバムを基にした映画だ
で、やっと今週上映されたので早速観に行った
昨晩、家にDVDがある「さらば青春の光」を観て(昔レビューしてます)待望のTommyだ
この映画とは、映画雑誌の情報とFMの映画音楽特集を楽しみにしてた小学生時代に知ったと思う
まだ The Who をそれほど知らなかった時代、映画音楽としてこの映画のテーマがお気に入りだった
後にレコードショップでThe Whoの「トミー」を買って、その曲が入っていなかったことに嘆いたものだ
というのも、私が買ったLPの「トミー」がロックオペラのコンセプトアルバムとして60年代に発表され、それを元にミュージカル映画として作られたのがこの作品
映画の方のサントラ盤も、様々なニュージシャンが営巣してて名盤だ
ちょっとネタバレ交じりだけど…
この物語は、ある事件で「見たことを忘れろ、誰にも言うな」という精神的なロックをかけられた少年が心を閉ざし、そのことを悔やむ母の葛藤が軸になっている前半
母親役のアン・マーグレットの美しさと歌声は特筆もの
その治療過程で出てくる怪しげな「モンロー教」の教祖にエリック・クラプトン
バックを固めるジョン・エントウィッスルのベースは抜群
その洗礼としてドラッグとアルコールを施すのだが…
過去にドラッグやってたり、のちにアルコール依存で苦しむ彼にとっては何とも皮肉な役(苦笑)
あと、アシッド・クイーンのティナ・ターナーが圧巻
その歌唱力は必見
ピンボールと出会い、心は閉ざしたままヒーローになる中盤
金持ちにはなるけれど、心は閉ざしたままのトミーに心を痛める母
そして、トミーの逃げ場所である”鏡”を割ることで、インナーワールドから解放される
その体験をもとに、「なにかからブレークアウトしたい」人たちから崇拝されるようになる
しかし、その違和感と葛藤、やがて信望者から非難を受け…
最後は、すべてを失うことで、崇拝すべきは「外にある」と気づき叫び歌いつづける
この「外」っていうところが、いかにも「主をあがめる」ように聞こえるのがイギリス作品らしい
「私を見て、私を感じて」
と訴えていたトミーが
「あなたの存在が 私に音楽を聴こえさせ
あなたの姿が 私に熱を感じさせる
あなたを追うことで 私は山を登り
あなたの歩みが 私の心を躍らせる」
と、これらのドラマがかなりサイケに展開していきます
そこがロックファンにはたまらない(苦笑)
大音量の劇場で見て間違いなかった映画です
オリジナルアルバムの「Tommy」を紹介して記事はこちらです
The Who - Tommy
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