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October 28, 2019

映画 「Tommy」

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近所の映画館「みなみ会館」がこの夏に移転リニューアルオープンした
いわゆる「マニアックな映画館」で、古い作品や単館上映の作品などを取りあつかってる
そのオープニング時に「上映予定」とされている中に「さらば青春の光」と「Tommy」があった
ともにThe Whoのアルバムを基にした映画だ

で、やっと今週上映されたので早速観に行った
昨晩、家にDVDがある「さらば青春の光」を観て(昔レビューしてます)待望のTommyだ

この映画とは、映画雑誌の情報とFMの映画音楽特集を楽しみにしてた小学生時代に知ったと思う
まだ The Who をそれほど知らなかった時代、映画音楽としてこの映画のテーマがお気に入りだった

後にレコードショップでThe Whoの「トミー」を買って、その曲が入っていなかったことに嘆いたものだ
というのも、私が買ったLPの「トミー」がロックオペラのコンセプトアルバムとして60年代に発表され、それを元にミュージカル映画として作られたのがこの作品
映画の方のサントラ盤も、様々なニュージシャンが営巣してて名盤だ

ちょっとネタバレ交じりだけど…

この物語は、ある事件で「見たことを忘れろ、誰にも言うな」という精神的なロックをかけられた少年が心を閉ざし、そのことを悔やむ母の葛藤が軸になっている前半
母親役のアン・マーグレットの美しさと歌声は特筆もの

その治療過程で出てくる怪しげな「モンロー教」の教祖にエリック・クラプトン
バックを固めるジョン・エントウィッスルのベースは抜群
その洗礼としてドラッグとアルコールを施すのだが…
過去にドラッグやってたり、のちにアルコール依存で苦しむ彼にとっては何とも皮肉な役(苦笑)
あと、アシッド・クイーンのティナ・ターナーが圧巻
その歌唱力は必見


ピンボールと出会い、心は閉ざしたままヒーローになる中盤
金持ちにはなるけれど、心は閉ざしたままのトミーに心を痛める母

そして、トミーの逃げ場所である”鏡”を割ることで、インナーワールドから解放される
その体験をもとに、「なにかからブレークアウトしたい」人たちから崇拝されるようになる
しかし、その違和感と葛藤、やがて信望者から非難を受け…


最後は、すべてを失うことで、崇拝すべきは「外にある」と気づき叫び歌いつづける
この「外」っていうところが、いかにも「主をあがめる」ように聞こえるのがイギリス作品らしい

「私を見て、私を感じて」
と訴えていたトミーが

「あなたの存在が 私に音楽を聴こえさせ
 あなたの姿が 私に熱を感じさせる
 あなたを追うことで 私は山を登り
 あなたの歩みが 私の心を躍らせる」

と、これらのドラマがかなりサイケに展開していきます
そこがロックファンにはたまらない(苦笑)

大音量の劇場で見て間違いなかった映画です

 

オリジナルアルバムの「Tommy」を紹介して記事はこちらです
The Who - Tommy

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October 21, 2019

70年代後半のUK Rock(3)5選

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長年聴いてきた音楽をネタで語るコラムちょっと思いつくままに(笑)

いろんなお題で5曲選んでみます


今回のお題は
「70年代後半のUK Rock」
ラジオからどんどん洋楽を吸収してた時代、まだまだネタが豊富です

前回、パンク・ニューウェーブを紹介しましたが、彼らが中指を立てたのは、当時の政治家や支配階級ですが、もう一つ、かつては自分たちと同じようにハングリーだったのに、ヒット曲を飛ばして儲かって変わってしまったレジェンドたちにも向けられてます
では、そんなレジェンドたちの70年代後半の様子を見てみましょう

「Achilles Last Stand」Led Zeppelin
彼らは心配いりません
確かに金持ちになりましたが、熱いROCK魂は健在です
70年代後半に入ってアルバム「プレゼンス」を発表し、名曲を残します
アルバムではもっと複雑な音作りですが、ライブで4人だけでもこの分厚さです

ただ、80年代を迎えると、ヘビィメタルの要である重いドラムのボンゾが死んでしまいます
ある意味、絶頂のままバンドが終焉を迎えることになりました
(息子にドラム叩かせて再結成したりはしましたが)

「Achilles Last Stand」
このアルバムを取り上げた記事 」


「Kill The King」Rainbow
ディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアはELFというバンドを吸収しレインボーを結成
彼のワンマンバンド的なスタートだったが、メンバーチェンジを繰り返し、ボーカルにロニー、ドラムにコージーを配した黄金期を迎える
来日公演(札幌)でファンがステージ前につめかけて圧死するというショッキングなニュースが流れたのもこのころ

ただ、80年代に入るとボーカルが変わり、ポップな要素が増えて迷走しだす


「Kill The King」
このアルバムを取り上げた記事 「On Stage」

「Blue Wind」Jeff Beck
ジェフ・ベックはソロ名義で活動をはじめ。インスト中心でギターを弾きまくることにしたようだ
ヤン・ハマーと組んだこのアルマムは今でいうフージョンのはしりかな


「Blue Wind」

「You're In My Heart」 Rod Stewart
この時期、ロッドはアメリカに渡り、ソロ名義でヒットを連発する
ロックンロールナンバーから、こういったバラードまで幅広く、ブリティッシュ・トラッドの面影も残しながら、世界股に掛けたスーパースターとなる

この曲もシングル・レコード買ったよなぁ

「You're In My Heart」


「Shattered」The Rolling Stones

最後に登場は、パンクロッカーの批判のやり玉に挙がったストーンズ
なかなかアルバムを出さず、ライブはするもののしょっちゅう薬物などで問題を起こしキャンセルになったり途中で演奏辞めたり…
という暗黒の時期でしたしね
ライブでも受けるのは過去の曲ばかり

しかし継続するというのはすごいことで、この時期を乗り越えていまだに現役バンドなんですから

「Shattered」

https://www.youtube.com/watch?v=MYvy3kBYN4Q

 

こんなテーマはどう?
ってリクエストお待ちしております

 

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October 14, 2019

70年代後半のUK Rock(2)5選

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長年聴いてきた音楽をネタで語るコラムちょっと思いつくままに(笑)

いろんなお題で5曲選んでみます


今回のお題は
「70年代後半のUK Rock」

この時期の特徴的なムーブメントに「パンク & ニューウェーブ」があります
70年代前半に活躍した「反逆的」なロックバンドたちはメガヒットを飛ばしだし「金持ち」の部類に入ってしまいます

そこで当時の若者たちはROCKを自分たちに取り戻すべく、シンプルな楽曲に「不満」をこめて歌いだします

もっとも当時の私はまだ若すぎて、過激なパンクにはついていけません(笑)
Sex Pistolsなんてバンド名を口にするだけでも恥ずかしがるような中坊でしたから
リアルタイムではせいぜい、ポリスやジャムの後期を聴いたぐらいでしょうか


「Anarchy In The U.K」 The Sex Pistols
パンクスタイルのアイコンともなったセックス・ピストルズ
ひたすら大音量、ひたすら叫ぶ、髪は立たせる、服は破く、安全ピンやカミソリをアクセサリーにする
大人たちが眉をひそめることを至上としながら、若者に絶大な支持を得ましたね

「Anarchy In The U.K」

「I Fought the Law」The Clash
こちらも破壊的なイメージが強いんですが、曲としてはしっかり作っているので近年でもCMに使われたりします

「I Fought the Law」

「In The City」The Jam
初期はパンクに分類されてましたが、初期のザ・フーから受け継いだモッズの後継者と言えるでしょうか
3ピースながらしっかりとした音作りで、のちの日本のバンドにも多くの影響を与えています
ボーカルのポール・ウェラーは今も社会に対して怒り・叫び続けてます

「In The City」

「Roxanne」The Police
こちらもパンクにカテゴリーされて売り出されましたが、実はデビュー時にしてそれぞれ経験豊富な有能ミュージシャン
3ピースだったり、服装イメージがパンクムーブメントとして売りやすかったのかな
しかし音はレゲエを取り入れて新たなジャンルを切り開くし、その後のヒット連発で実力は発揮されたと思う

「Roxanne」

「Like Clockwork」The Boomtown Rats
パンクというジャンルではくくりきれずにニューウェーブと呼ばれるムーブメントに移行しだした中で頭角を現したのがブームタウン・ラッツ
幾つかスマッシュヒットを飛ばし、この後に「哀愁のマンディ」(以前紹介済み)という大ヒットを飛ばす
でも、その曲よりこういうシンプルな音が彼らの本領

「Like Clockwork」

こんなテーマはどう?
ってリクエストお待ちしております

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October 07, 2019

70年代後半のUK Rock(1)5選



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長年聴いてきた音楽をネタで語るコラムちょっと思いつくままに(笑)

いろんなお題で5曲選んでみます


今回のお題は
「70年代後半のUK Rock」
やっと次の時代に進みます

ビートルズに目覚めた私は、このころからリアルタイムで洋楽にはまります
最初は同じくビートルズ好きの友人と情報交換し、雑誌やFMラジオで知識を深めます

そんな中から、まずは「アイドル編」として、中坊にも受けてたアーチストから

「Maybe I'm Amazed」Wings
ビートルズ解散後ソロ活動を経て、ウイングスを結成したポール・マッカートニー
そのメロディメーカーぶりは健在で、次々ヒットを飛ばします
ビデオもないので当然動く姿はほとんどお目にかからないので、このころのアーチストの「ライブ盤」は貴重でした
そんななか、なんとLP3枚組の「Wings Over America」なんてアルバムを発表した彼ら
順風満帆だったんですが、ついに日本公演が決まり…事件が起こってしまいました(T_T)

ちなみに上に映ってるジャケットは飛行機の乗降口が開こうとしrているところ
3枚組なんで、開くとこの3倍のサイズのイラストになって全容がわかるという…
昔のジャケットは遊び心ありましたよねぇ

「Maybe I'm Amazed」


「Saturday Night」Bay City Rollers
当時の女子から圧倒的な人気を誇っていた「アイドルバンド」
次々ヒット曲出してました
今みたいにネットなんかないし、ビデオを流すテレビ番組もない時代。音楽雑誌は美系アイドルの特集すれば売れる…ということで、このころ洋楽好きはクリアの下敷きに雑誌の切り抜きを挟んでました

異名は「エジンバラの貴公子」でしたっけ

音的には初期のビートルズのようなシンプルなロックンロール

「Saturday Night」


「Somebody to Love」Queen
同じころ、ボヘミアン・ラプソディのヒットでハードロックバンドからメロディアスなロックバンドへ変貌を遂げたクイーン
彼らも雑誌ではアイドル部門として音のレポートより写真グラビアが多用されてたように記憶してます

先日本屋に行ったら、なんとベースのジョン・ディーコンが表紙の雑誌が
「彼のベースプレイが評価されだしたか?」とパラパラ覗いたら、70年代の来日記事やインタビュー中心の「アイドル、ジョン・ディーコン」の特集雑誌でした
いくら今またクイーン・ブームだったとしても、これほどまでとは(笑)

「Somebody to Love」


「Heroes」David Bowie
この人も中坊女子にはアイドル的に扱われてた
でも、私はこの曲で好きになり、どんどん古いアルバムを聴くようになった記憶が
でも、半分インストだったからちょっとがっかりしてたかな
今はそれも含めて名盤だと思うけどね

以前紹介した70年代前半はグラムロックの旗手として
このころは「ベルリン3部作」と呼ばれ、拠点をドイツに移して耽美的な作品を残してる
ビデオのビジュアルも、派手なグラム時代から欧州の美青年に趣を変えて

ちなみにこの印象的なギターは、前回紹介したキング・クリムゾンのロバート・フリップが協力してる

「Heroes」
このアルバムを取り上げた記事「HEROES」

「Show Me The Way」Peter Frampton
しっかりしたロックを演るし、ギターもうまいのに、そのルックスが先行してアイドルとして売れてしまった不幸な方

イントロと間奏で、先日ジェフ・ベックの時に話題にしたボイスチェンジシステム使ってますね

「Show Me The Way」

このほか、男子には KISS や AEROSMITH なんかが受けてましたね
こちらはアメリカンなんで今回は外します

 

こんなテーマはどう?
ってリクエストお待ちしております

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