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May 06, 2011

映画「スタートレックⅢ ミスタースポックを探せ」 Star TrekⅢ The Search For Spock

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さて三連荘の最後を飾るのは、Star Trek第3作の「ミスタースポックを探せ」

今作ではスポック役のレーナード・ニモイが初メガホンをとっている。
そういう意味でも客観的にスポックというキャラクターを観ていたかもしれない。
スポック不在(正確には居るには居るのだが)のなかでの各キャラクターのドラマを撮っていたのだろう。

ストーリーに触れると前作のストーリーに触れるから、ネタばれを避けたい方は作品を観るまでこの後は読まないように。
というくらい、今作は前作の続き感が強い。
1作目を観ないでも2作目は楽しめるが、2作目を観ないで今作は楽しめない。
もっとも、世界中のトレッキーが観るだけで十分興行収入を上げられるから、ご新規のファンなど考えていないのだろう。


肉体と精神が分離した状態で存在するスポック。
その死に悲嘆するカークが、いつもどおりのエゴを発揮して、周りの迷惑や規律を顧みず、エンタープライズを強奪してスポックのために奔走する…
一応、その原動力は”友情”なのだが。

今回の適役は、宿敵クリンゴン。
後のスタートレックシリーズでは同じ惑星連合の仲間になっているが、この頃はしっかり敵国だ。
1作目の最初に、やられキャラとして登場するが、今回はしっかりストーリーの中心に存在し、テレビ時代からのトレッキーを喜ばせてくれる。

前作でキーワードとなったジェネシスをめぐり、その存在がスポックの肉体を再生し、カークの息子(ジェネシスの研究者)をクリンゴンの標的にし、人類が生命を扱う危うさを訴える。

前作でスポックを亡くしたカークが、彼を取り返す見返りに家族と、その肉体の一部でもあるエンタープライズを失っていく。

しかし、エンタープライズはあくまで器であって、スタートレックの物語はその主要クルーが集うことで成り立つかのように、最後はクルーの笑顔で物語りは締めくくられる。
そう、これは人間ドラマだからこれでいいのだ。
テレビ時代のクルーがそろえば、その他の登場人物は失われていっても問題ないのだ。
(これは半分皮肉ですよ)

しかし、クリンゴン艦長を演じたクリストファー・ロイドの存在感はすごい。
あれだけの宇宙人メイクなのに、その表情や台詞口調で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役が思い返されるのだから。

もうひとつ楽しみなのがエンタープライズとクリンゴン戦艦の戦闘シーン。
「バード・オブ・プレイ」という艦名はテレビではロミュランというもう1つの敵対勢力のものだったと記憶してたけど…そのステルス能力とクリンゴンの好戦的な思想が組み合わさって、なかなかのシーン。
もっとも、戦争主体の映画じゃなく、戦争もエピソードにした人間ドラマだからあまりこだわらず、その駆け引きで人間性(カークのだましテクニックは大きな武器だ)を浮き彫りにする素材としてのお楽しみ。


この後も映画は続くんだけど、エンターテイメント性はこのⅡ・Ⅲが一番楽しめる。



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May 04, 2011

映画「スタートレックⅡ カーンの逆襲」 Star TrekⅡ The Wrath Of Khan

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今日は昨日見た「スタートレック」の続編「スタートレックⅡ カーンの逆襲」

前作(昨日のブログ参照)では、物語を壮大なテーマにしたために人間ドラマが薄くなってしまったので、その反省か、登場人物の人間ドラマに重きを置いている。
宇宙船同士の戦闘も盛り込まれ、娯楽よりの作品となっている。

その人間ドラマは豊富で

カークの老いとの戦い
カークの過去(カーンとの確執)との戦い
カークと元婦人、初めて会う息子との出会い
カーンのカークへの執念
スポックとカーク・マッコイとの友情
(テレビ時代同様の、スポックの論理VSマッコイの感情が楽しめる)
若い世代への受け継ぎ

これらがあふれることなく、うまく絡ませて表現されている。
なによりも前作ではわずかだった、マッコイの巧妙な(皮肉もたっぷり)台詞回しが楽しめる。

ドラマ自体は、元々テレビシリーズであったエピソードを元に、その後日談となる形にもなっているところがファンにはうれしい。
もちろん、それは1つのシチュエーションであって、そのエピソードを知らなくても十分楽しめる。

あと、これはSF映画ファンには突っ込みどころなのだが、未来の話なのにコンソールなどの機械操作が非常にアナログっぽいところが…しかし、このチープな感じがテレビシリーズからのファンにはたまらないという複雑なものでもあったりする。

もう1つ、前作では音楽のメインテーマが新調されたものであったが(スターウォーズやインディジョーンズのジョンウイリアムズを意識した感じ)、近作からテレビ版のテーマがモチーフにされているところのうれしい。

そしてこの映画の最後に待っている、最大の人間ドラマである別れ…
後年、この別れが次回作への複線であったことに気づかされる。

最後にちょっと気になったのは、エンタープライズ号に乗り込んでいくシーンのほとんどが、1作目のCG使い回しのような気が…まぁ、壮大なシーンなんでいいんだけど。



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May 03, 2011

映画「スタートレック」 STAR TREK The Motion Pocture

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GWとなり、前半は法座に出てゆっくりする時間がなかったんだけど、後半の3日間はあれこれしながらも少しは時間が取れるので、一日1本は買ったままのDVDを観ようかなと。
で、今日は、先日事務用品をアマゾンで買ったときに一緒に3枚3000円でそこから期限が切れそうなクーポン500円を利用して買ったものの1枚。
本来4150円分のDVDが2500円だ。

また、偶然にも、その法座の後の飲み会で一緒になった青年と、SFなどの話題になったのもあって観ることにした。

ちなみに、同名で最近カーク船長らの若い頃を題材にした映画が公開されたけど、それとは別。

スタートレックとの出会いは中学生だったかな。
当時、未知との遭遇やスター・ウォーズなどが公開され、映画界であらたなSFブームが起こりだした頃、テレビシリーズでのSFの原点というべきスタートレックが再放送されていた。
また、SF映像専門雑誌「スターログ」日本版も発刊され、その第2号の特集がテレビ版スタートレックの全エピソード解説で、その本を買った同級生の家に遊びに行っては穴が開くほど何度も読み返したものだ。
さらに、ペイパーバック(輸入本)でフィルム漫画とでもいうべき、映像の場面を切り取って漫画のようにレイアウトして読む本も仲間内で流行、河原町にある「丸善」という洋書を扱う本屋に行っては購入して自慢のしあいをしていたという…

などと、映画以前にノスタルジーで盛り上がる作品だったりする。
実際、本国アメリカでは「トレッキー」といわれる熱狂的ファンも多数居り、近年では「スター・ウォーズ」ファンを題材にした映画で敵役としてトレッキーが扱われていたとか…


映画「スタートレック」は、テレビシリーズの続編計画が紆余曲折の上に映画として製作されることになった作品。
今回観たDVDはそのディレクターカット版(2001年製作)で、映画製造時の1970年代では実現できなかったCG表現が追加されたらしいが…

映画公開時は当然観にいったのだが、一度観ただけでは難解で、かなり退屈した覚えがある。
ビデオになってからも観ていると記憶してるのだが…

元々、スタートレックの魅力は、その登場人物の人間ドラマにある。
この映画もその魅力はあるのだが、人間ドラマの題材にするべきエピソードが壮大すぎて、盛り込みすぎな感が。
さらに今回、技術の進歩で力を入れたであろうCG部分が長すぎて…
「2001年宇宙の旅」の映像インパクトを超えようと張り切ったんだろうが、技術の進歩イコール超越ということにはならず、ただ冗長なパロディになってしまった。
エピソードも「2001年~」原作でもあるアーサー・C・クラークの「宇宙のランデブー」で描かれる未知の知性との出会いなんだけど、クラークの小説で味わえる興奮が、中途半端に映像化されてしまって興奮しきれない。

などと非難めいたことを書いてしまうのも、スタートレック愛と期待が高すぎる故なのだが。

しかし、前半で描かれる新造なったエンタープライズ号との出会いシーンは興奮必至。
もともとのトレッキー以外には長すぎるのかもしれないけれど、数年ぶりに出会うエンタープライズ号には、カーク船長同様うるうるしながら見とれてしまう。

そして、後半になるにつれて現れてくる人間ドラマ。
エンタープライズを愛し、その艦長の座に固執するカーク。
感情を廃し、論理的になることを求めながら、より論理的な存在である機械生命に出会うことでそのむなしさを知り、カークやマッコイと感情の交流をするスポック。
他にもスコット(テレビ時代はチャーリーだったけど)、ウーラ、チェコフ、スールー(テレビではミスター加藤)などの懐かしい面々に会えるだけでもうれしい。
残念なのは、もっとマッコイの皮肉を聞きたかったところだが。

まぁ、最後は新登場の人物がドラマを進め、おなじみのメンバーがブリッジに集合して、再始動のお披露目が終わりって感じで…
とりあえず、トレッキーの賛否両論はありながら、あらたなエピソードが続いていく。
(結局このシリーズは6作作られた)

監督のロバート・ワイズは、「ウエスト・サイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」のほうが有名だけど、実はSFの名作「地球の制止する日(1950年版)「アンドロメダ…」なども作っている。

あと、蛇足だが…スキンヘッドの女性って、なんてセクシーで神秘的なんだろう。



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