Radiohead「The King Of Limbs」
Radioheadの新譜が届いた。
前作の「In Rainbow」のようにネットでの配信だ。
(多分、あとからボーナストラック込みのCD盤もでるんだろうけど)
タイトルは「The King Of Limbs」・・・身体(五体)の中の王って、相変わらず不思議なタイトルだ。
前回レビューしたトレント・レズナーもデジタルビートと生音の融合で世界観を作ってるけど、USとUKでの違いなのか、ダークさの質が違う。
UKのじめっとした陰のほうが私は好みだなと再確認。
アルバムとしたら、前半と後半でかなり経理の違うものになっている。
どちらの面もレディへではあるんだけど…
オープニングは「Bloom」、雰囲気はKid Aから続いているエレクトリックなもので、以前ほどビートを崩してはいないけど、明確なメリハリはない淡々とした感じ。
ただ、ベースが結構いい仕事してて、ビートを気にせずに身体をゆらゆらとくゆらせるグルーブを作っている。
「Morning Mr Magpie」この曲もエレクトリックな…と思って聞いてたけど、よく効くとデジタルビートっぽく生ドラムで演奏して、シンプルなミニマルかと思う音も生ギターで(エレキだとしても素に近い音)だし、こちらでも唯一グルーブしてるベースもあまりエフェクトしてない。
つまり、”バンドサウンド”なのに、エレクトリックな雰囲気。
これは新しいJazzかもしれない。
「Little by Little」前2曲に比べるとバンドっぽさが出て、イメージどおりのRadioheadって感じ。
うちの音楽再生環境って、PCにもサブウーファーつけてかなり低音重視のバランスにしてるんだけど、それでもバスドラの響きがほとんど感じられないほどドラムの存在感がない。
ハットのきざみやスネアでリズム取ってるんで、ノレるのはノレるんだけどね。
「Feral」後期の(再結成してるから第1期の後期か)YMOかって感じで始まる。
ベースが絡みだしてホッとなるんだけど、そのベースもほとんどオフで、後半になってやっとグルーブしてくる。
ボーカルはあるんだけど、ほとんど詩はなく、楽器の1つとして。
インスト曲ってことでいいのかな。
「Lotus Flower」やっぱ蓮の花ってことかな。
前アルバム「In Rainbow」の雰囲気を一番残している。
トムの張り詰めたボーカルが懐かしくて安心する。
いや、こんなダークな危ういもので安心するってのは私の精神状態がいい状態じゃないんだろう。
でも、レディへファン(初期のバンドサウンドファンは別として)はそういう不安な状態が好みな人たちだから…(いや、私の偏見です)
「Codex」ピアノ中心のイントロで始まる静かな曲。
精神的不安感真っ只中のビートから開放されて落ち着くようではあるけれど、まだまだ霧の中にたたずんでいるような…暗い不安から、真っ白な不安に変わっただけかも。
レディへ流シガーロス・ワールドってことか?
「Give Up The Ghost」なんて言ってたら、とても優しい面のトムが現れた作品。
っていうか、こんな牧歌的あるいは賛美歌的な光あふれるトムのボーカルって今まであったか?
マニアックな言い方をすれば、「原子心母」のA面を聞き終わった後に現れるB面の「if」を聞いてるような感じ(Floydファンしかわからんな)
でもこの一曲でこのアルバムがお気に入りになった。
(どんな歌詞かしるのは怖いけど…爆)
「Separator」引き続きやさしい雰囲気の曲。
でもデジタルビートっぽくしながらのバラード調は…なんとなく違和感。
多分、今後なんどか聞き込むうちに普通になってくるのかも。
逆に、レディへじゃないとこういう音楽は作れないかもね。
YouTubeでPVを発見。
見事な変態ダンスで、インナーワールド全開。
マイケルジャクソンの振り真似できる人でもこれは無理かも…
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