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November 07, 2010

映画「2001年 宇宙の旅」

2001


以前紹介した「午前十時の映画祭」
心惹かれるものはいろいろあったけど、映画館に足を運ぶことは実現しなかった。
しかし”これだけは…”と心に決めていた作品を観にいくことが出来た。

「2001年宇宙の旅」
中学生のころにリバイバル上映されたのを観に行ったし、ビデオレンタルの時代に借りて観たはず。
さらにはDVDの時代になって、購入して何度か観ている。
確か、家のテレビが大型液晶(といっても32インチだけど)になったときも、その効果を確かめるがごとくDVDを使って最初に観た作品だった。

しかし、大型のスクリーンで観たあの迫力は忘れられない。

ということで、夜勤明けに関わらず、朝から上映劇場まで自転車で飛ばして(20分強だったか?)向かった。


劇場内が暗転して映画が始まる。
しかし、最初数分は音楽だけが流れスクリーンには何も映らない。
故障でもなんでもない、そういう効果だ。

物語はサルから人類への進化、月面での出会い、木星軌道での出会いと、モノリスといわれる”存在”との出会いによって起こる”何かしらの影響”を描いて行く。
その渦中に、ドラマのひとつとして人工知能(HAL9000)と人間の関わりが描かれる。

と、大まかに言ってしまえばこれだけのことを2時間半かけて描いているのである。

しかし、その描写はすばらしく、序盤のクラシック音楽を効果的に使った宇宙描写や、真っ白な船内、きらびやかな操作パネルの色とりどりな色(宇宙服も派手だ)、それに対してまったく無音の宇宙空間(BGMもなく、ただ息遣いと機械音だけの世界もある)との相対が見事だ。

他の映画なら派手な音響や盛り上げるBGMで描かれるであろう、宇宙空間での殺人劇や救出劇が見事なまでの静寂の中で行われるところは圧巻だ。


またもう一方で、モノリスの出会いからトリップする場面での映像効果もすばらしい。
今の技術ならば、CGでもっと”凄い”ものは作れるかもしれないが、主人公の視覚描写とも心理描写ともとれる、くどいほどのトリップは見所のひとつ。
ただ、この場面の意味を理解しようとすると大変なので、素人さんはあまり深く考えないように。

この映画(特に後半)を理解するには、この映画だけでは情報不足で、小説版としてアーサー・C・クラークが書いたものを読んで見ることをお勧めする。
どちらが先ではなく、映画観て小説読んでまた映画観て…というくらい何度も繰り返さないと理解しきれないけれど。
また、この根底に流れるテーマはアーサー・C・クラークのお得意なもので、彼のほかの小説も読めばその意味するところが深く理解できてくる。
「幼年期の終わり」や「宇宙のランデブー」などがお勧めだ。(両方とも映画化のうわさが何度も流れるけど実現してない)

もうすでに過去の時間軸となった2001年。
技術進歩はこの映画制作時(1968年!?)にはなかったほどの進化を遂げているが、キューブリック(監督)が予想したものとそう遠く離れていない。
一方で宇宙開発に関しては、様々な事故や経済事情でまだ宇宙ステーションに自由に行き来することも出来ないし、木星はおろか月の大地にも常駐するにいたってない。(漫画「Moon Light Mile」のように軍による隠蔽しながらの開発がなければだが)
ということは、まだまだ「夢の世界」としても楽しめるSFでもある。


このあとも「午前十時の映画祭」で数箇所で上映される。
近くの劇場でかかるようなら、ぜひとも大スクリーンでご覧あれ。
午前十時の映画祭スケジュールはこちら



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Comments

ああ、ぼくも二条の映画館でを観たよ。
実は、高校生の時に、学校の課外授業で、一斉に見に行った。美松劇場だったと思う。そのあとも、原作読んだり、テレビで観たりしたけど、これだけは、もう1度と思って、劇場にいった。ほぼ満席だった。
高校生の時より、ずーっと感心した。自分自身に観る力がついたと思ったなー。

Posted by: かりもん | November 29, 2010 01:17 AM

「かりもん」さん、どーもです。
学校の課外授業ですか、うらやましい話ですね。
でも、よほどの映画好きじゃなかったら、無理やり見せられても楽しめる映画なのかどうか…

そんな中「かりもん」さんは「もう一度」って思われたんですね。
で、高校生のときより感心されたんですね。

なんか、自分の好きな映画を、共有してもらえるってうれしいですね。

Posted by: MANU. | December 01, 2010 08:43 PM

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