Mogwai「Special Moves」
毎年誕生日の月に家電店のネットショップから送られてくるWebクーポン。
ほんの300円分だけど、家電品などを買うなら1万以上でないと送料がかかるところ、CD/DVDは1500円以上で送料無料。
さらにこの時期は会員に配られるスペシャルクーポンってのもあって、こちらは3000円以上買ったら300円割引。
しかも今年はそれはCDとDVDそれぞれのクーポンがあったから…
ということで、久々にCD買いました。
いろいろ迷った末、普通に売ってる洋楽なら輸入盤ショップの方がはるかに安いし、邦楽はこれといって欲しいのなしなんで、DVDがおまけについてるものを(輸入盤のDVD付は、ときどきリージョンコードの関係で見れないことがあるから…)
選んだのは大好きなMogwai。
初ののライブCD(以前にGoverment Commissionsってのがあったけど、あれはライブ音源集であってライブをそのまま収録したんじゃないので扱いが違うってことで)
Special Movesというタイトルの、2009年にニューヨークで行われたライブを収録。
やっぱMogwaiは大好きです。
「I'm Jim Morrison I'm Dead」(The Hawk Is Howling)
Mogwaiお得意の静から動(轟)へと変化する名曲。霧の中のような雰囲気で淡々と繰り返されるメロディが徐々に圧がかかってきて一気に開放される様はライブでも健在だ。
「Friend Of The Night」(Mr.Beast)
Mogwaiのもうひとつの側面である、きれいなメロディが堪能できる1曲。
この曲もノイジーな表現が入る部分もあるんだけど、その合間も淡々とつづくピアノのメロディが轟音をも深遠に引きずり込んで、哀愁感が倍増される。
「Hunted By A Freak」(Happy Songs For Happy People)
系統としては全曲と同じく、せつないメロディの名曲。
こちらはピアノではなく、ボコーダー系の電子音。
バッキングのギターアルペジオとマッチして、心の痛い部分を刺激される。
そう書くと癒しから程遠い感じもするのだが、これがまた”癒し”を感じるところが不思議だ。
PVを見ると、その切なさ感が割り増しになるのでぜひ。
「Mogwai Fear Satan」(young Team)
この曲に関しては、音との出会いが強烈だったためか、ライブ音源ではちょっと物足りなさが残る。
なんというか、隙間を埋め尽くす音の圧力が、ライブでの限られた楽器数だと弱い感じがするのだ。
特にドラムが弱いというか、スマートすぎる感じがする。
でも、逆にライブ会場でビジュアル的なものと”生”の感じが加わったなら、逆にオリジナル音源を上回る迫力に出会えると思う。
一度生で見てみたい。
「Cody」(Come On Die Young)
Mogwaiの作品の中でも特筆される、ボーカルによる”癒し”感があふれる作品。
複数のギターアルペジオの絡まりや、ピアノの音との響きがつくる雰囲気は絶品で、そこに加わる決してうまくない(失礼)歌が、逆に優しさを演出している。
タイトルは「Come On Die Young」の略で、「早死にしなさい」ってことなのか・・・?
「You Don't Know Jesus」(Rock Action)
一転して轟音まみれの曲。
しかしあまたの轟音ロックのように暴力的かというと決してそうではなく、常に哀愁のメロディがそこに在り、心に響いている
「I Know You Are But What Am I?」(Happy Songs For Happy People)
静と動が混在する、Mogwaiワールド満開の曲。
今までのホワイトノイズ的なノイジーさではなく、シンセ開発初期のような電子的な揺らぎのノイズ。
これがなければ哀愁感に浸っていられる切ないメロディなのに、頭を切り裂くように入るノイズのおかげで変なトリップ(高揚)感に落ち込ませる。
辛いときには避けたい一曲(笑)
「I Love You, I'm Going To Blow Up Your School」(The Hawk Is Howling)
淡々と…ただ淡々と、心の深遠に導かれていく。
曲としては盛り上がりに欠けていたり、特徴にかけていたりするのかもしれないけれど、これまでのライブの流れの中でそぉーっとこころを響かせる作品。
「2 Rights Make 1 Wrong」(Rock Action)
「Hunted By A Freak」と同じように、ボコーダーの声が切なさを倍増させる一曲。
同じメロディを繰り返していくだけなのに、どんどん深まっていく不思議な感覚。
「Like Herod」(young Team)
こちらは「Mogwai Fear Satan」に次ぐ、轟音系の名曲。
お得意の静かな雰囲気に浸っていると突然現れる暴力的とも言える轟音。
最近のMogwaiはここまで強い轟の曲は作らず、バランス良いんだけど、初期の暴力的なものもやはり捨てがたい。
でも、この曲もオリジナルよりドラムの迫力が物足りないなぁ…録音エンジニアの好みの問題かなぁ…
「Glasgow Megasnake」(Mr.Beast)
そして2000年代型のMogwai流轟音ロック…
轟音にもメロディがあり、メロディにもきれいさだけでなく荒々しさを内包している…
見事なバランスである一方、ちょっと丸くなっているかなって言う不満も。
でも、それは期待値から来るもので、平均点以上、いや十分及第点だ。
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