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December 13, 2009

ライブレビュー 「LLama」×「キツネの嫁入り」

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私のフェイバリットアーチスト「キツネの嫁入り」が先日1stアルバムを発売。
今日はそのレコ発ライブってんで、以前から楽しみにしていた。
最近東京から戻ってきた、向こうでバンドやってた甥っ子を誘ってたけどバイトってんでパス。
高校生の娘も誘ってたけど、部活で疲れていて「眠い…」ってんでパス。
ということで、一人寂しく会場のアーバンギルドへ。

さっき、このレビュー書くのに過去記事探ってたら、最後に行ったのは1年前の12月。
なんと、この一年を通して唯一のライブ鑑賞が今日ってことで。
うーん、どうりで心の潤いがないわけだ。

「キツネの嫁入り」が主催するイベントプログラム「スキマ産業」は、通常4組以上のラインアップで行われる。
「キツネ~」はゲストを迎える立場なんで、いつもは結構あわただしい。
でも、今回は彼らが主役。
対バンは「LLama」だけで、2バンドだけなんでどっちもゆったり聞けるというお得な日。

思い返せば、ふとしたきっかけでネット上で「マドナシ」さんと知り合い、彼がやってるバンド「キツネの嫁入り」のライブにお誘いいただき、その時にドアを開けて入ったのが「LLama」
子どもができてから、長くライブスポットに行ってなかった私が久々に「音の洪水」に浸ることになったときに触れた音である「LLama」と、そのきっかけをくれた「キツネの嫁入り」の2マンライブ。
うーん、ご縁を感じます。

まずは「LLama」
初めて聞いたときも結構気に入った音だったけど、今回も期待にたがわないいいライブ。
ツインドラムス・ウッドベース・ギター・ギター(時々トランペット)という変則の5人編成。
このバンドに感じるのは、音のパズル。
楽器が多いからといって、ドカドカ押し捲るんじゃなくて、少しずつずれたタイミングで、重ならないように音がつむがれていく感じ。
これが緻密に計算されたものか、フィーリングのなせる業かはわからないけど。
そこそこスキマもあり、また絶妙にスキマが埋められている心地よさ。

で、いろんなタイプの曲を聴いていて感じたのは「ベースが肝」ってこと。
うっどベースをボーイング(弓で弾く)でやっているときは、音の底辺をうまく抑えていていいのはいいんだけど、それよりもピッキング(指で弾く)ときのうねりがいい。
ツインドラムがどちらかというと軽い目で音をスイングさせていくところに、ブイブイとグルーブするベース。
そういうリズム面でも重要な位置。
またギターがディレイを効かせて単音で埋めようとするときにも、ベースのグルーブでメリハリをつけていくという重要な位置。
これがはまっているときはとても気持ちいい。

もうひとつの顔は、ツインドラムが徐々に音数を増やしていって気がつけば音の洪水にあふれているような曲。
こちらはMogwai好きのところにマッチ。

いやぁ、やっぱこちらも好きなバンドです。


変わって「キツネの嫁入り」登場。
いつもなら一曲ずつ書くけれど、今回は全体的な印象で。
なじみの曲もアレンジ変えて違ったイメージで聞けたし、大満足。
初めて聴く曲でもお得意の「変拍子」を取り入れて、思わず「にやり」とさせられる。
いやぁ、私も好きなんですよ、変拍子。

あと、今回特に「パーカッション(主にジャンベ)」の音がすごくよかった。
アレンジ的に、ちょうどいい音数ではまっているってのが一面。
音響的にとてもいいバランスで、メリハリも優しさもハッキリ表情が現れるくらいよく聞こえていたってのがもう一面。

バンド編成がアコギ・アコーディオン・パーカッションの3人編成だから、パーカッションが強すぎるとメリハリが強くなりすぎるし、弱いとアコーディオンのブワーっとした感じに負けてしまう。
それが、今回は、それぞれの楽器が際立っていて、とてもバランスがよかった気がする。
まぁ、この辺はリハで上手く決めても、客の入り方で雰囲気変わったりもするんだけどね。
そうか、今日はメインだから、じっくりリハができてたのかもしれないね。

で、そのジャンベで感じたことがもうひとつ。
ドラムのバスドラや、ベースの低音弦なんかがあると、当然のようにその低い音が響いてきて、ヘソ下あたりに「ズンッ」とくることは当たり前。
しかし今日は、耳で聞こえるジャンベの音とは別に、音にならない「圧」が足元から響いてきた感じがする。
パーカッションの「カギ」さんが上手いのもあるだろう。
しっかりと音を拾って、しっかりとPAから発しられてるからだろうとも思う。
おそらくその「圧」は、録音したりしたものでは感じない、生だからこその「圧」
これも先に書いたバランスの問題で、ギターの低音やアコーディオンの分厚い低音が強いと感じられない類だと思う。

きっと、レコーディングしたことで、当然リハも繰り返しただろうし、曲としても3人のバランスがどんどん熟成されてきたんだろうと思う。
とっても気持ちよい演奏だった。

これまで何度かこのスポットに聞きにきたけど、私の定位置は入り口を入ったPA卓の横。
でも今回は2mほど前に行ったところまで進んだ。
だから気がついたのかも知れないけど、アコーディオンの「ひーちゃん」と、ギターの「マドナシ」さんが素足だった。
(「ひーちゃん」の生足に見とれてたから気がついた?)
いや、だからどうってことはないんだけど、彼らの音と「素足」ってのが妙にマッチしてて、地面から伝わる音楽ってのがあるんだなと。

言葉を大事にする「キツネの嫁入り」
歌と詩を味わえました。


で、歌ってことで最後に。
「LLama」も日本語の歌を丁寧に歌ってるから、歌詞が聞き取れたらもっと楽しめるのかなと。
バンドのサウンドとしては楽しめるけど、歌の中身が伝わってこない。
楽器が多いと、やっぱバランスが難しいんだろうね。
だから余計に、「キツネの嫁入り」の歌が響いてきたのかもしれない。


今まで我慢して、「レコ発に記念で買おう」と思ってた1stアルバム。
今日はライブの余韻を楽しむために、あえて聴かないことにした。
明日には(苦労したという)レコーディング音源を楽しませてもらうつもり。


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