プログレの深い森 その8 Genesisの場合-1
1週間かけて「その7」まで駆け抜けたプログレ考察、すっかり息切れしてしまいました。
うーん、3大バンドてしておいたらよかったかな…
で、4番目のバンドがGenesisなわけですが、まずはここで異論がある方もおられることでしょう。
ここは「ELP」じゃないかと。
その辺の理由は「ELP編」(やるつもりなのか?)に置いておきます。
Genesisにとっかかり辛かったのは、他の事に忙しかったせいもありますが、これまでの3バンドに比べて思い入れが…低いから。
(思い入れで行けばELPの方が強い)
バンドとしてGenesisを意識して聞いたのは、80年代中盤のMTV時代に入ってから。
そのころはフィル・コリンズをフロントマンにしたヒットバンド(産業Rock)時代で、曲も雰囲気も好きなのはあったけど、これまでのプログレ・バンドとは違うもの。
もっとも、この時代は「Asia」や「シネマYES」のように、プログレ出身の産業Rockがどんどんヒット曲でチャートアップしてた時代だから、Genesisに対してもプログレって見方はしてませんでしたが。
また、同時期にピーター・ガブリエルもヒットチャートに上がってたし、過去の作品に対してもプログレとして聞こうという感じは無かったなぁ。
でも、それが変わったのは好きなドラマーとしてのビル・ブラッフォードを追いかけだしたときに、Genesisの「眩惑のスーパー・ライブ」で「サポートとしてすごいドラミングをしている」と聞いて、そのアルバムを手に入れてから。
そこで演奏されている楽曲に、「荘厳」さと「叙情性」を感じ、これはプログレだなと。
そこから古い作品にさかのぼっていくことに。
1969年 創世記(From Genesis To Revelation)
1970年 侵入(Trespass)
1971年 怪奇骨董音楽箱(Nursery Cryme)
1972年 フォックストロット(Foxtrot)
1973年 月影の騎士(Selling England By The Pound)
1973年 ライブ(Genesis Live) -Live
1974年 眩惑のブロードウェイ(The Lamb Lies Down On Broadway)
1976年 トリック・オブ・ザ・テイル(A Trick Of The Tail)
1976年 静寂の嵐(Wind & Wuthering)
1977年 眩惑のスーパー・ライブ(Seconds Out)-Live
1978年 そして3人が残った(...And Then There Were Three...)
1980年 デューク(Duke)
1981年 アバカブ(Abacab)
1982年 スリー・サイド・ライブ(Three Sides Live)-Live
1984年 ジェネシス(Genesis)
1986年 インヴィジブル・タッチ(Invisible Touch)
1991年 ウィ・キャント・ダンス(We Can't Dance)
1992年 もうひとつのジェネシス:ライブ(The Way We Walk, Volume One: The Shorts)-Live
1993年 もうひとつのジェネシス:ライブ後編(The Way We Walk, Volume Two: The Longs)-Live
1997年 コーリング・オール・ステーションズ(Calling All Stations)
このバンドも結構メンバーチェンジが激しく、そのうちプログレっぽさが前面に出ているのはピーター・ガブリエル在籍時の「怪奇骨董音楽箱」から「眩惑のブロードウェイ」まで。
このうち、コンパクトな「フォックストロット」と2枚組みのコンセプトアルバム「眩惑のブロードウェイ」は別格。
このアルバムからの曲はのちのライブでもよく取り上げられる代表作。
ところが、このあとピーター・ガブリエルが脱退し、フィル・コリンズをメインに継承されていくけれど、どうしてもそれまでのイメージを模倣している感が否めず、佳作は一杯あるけれど、もうひとつ抜けきれないと言う…
だから先に書いたライブ「眩惑のスーパー・ライブ」も技量的にはすごいんだけど、ピーターの存在感は越えられない感じ。
さらにメンバーが減っていき、アルバムタイトルになるくらいの状況「そして3人が残った」ということに。
ある意味、この3人体制が新しいGenesis像を作り出していくんだけど、同時にそれはプログレバンドからの脱却と言うことに。
特にバンド名を冠した代表作「ジェネシス」からは、ヒット作を連発するスーパーバンドであり、メンバーは同時にソロや別バンドでも活躍しだすという…
ということで、同じGenesisというバンドでも、知っている人はほとんど後期じゃないかなぁ。
その頃でも昔の曲をライブでやってるから、80年代以降のGenesisしかしらない方も、ぜひ初期の作品を聞いてもらいたい。
ディスコグラフィー見てると、LP時代でも節目節目にライブ盤いっぱい出してるねぇ。
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