プログレの深い森 その6 King Crimsonの場合-1
次に紹介するのはKing Crimson。
ある意味、プログレ論として語るのは優しいバンド。
しかしKing Crimson論を語るとなると、私ごときの知識ではとても無理~
メンバーを追っかけるだけでえらいことになるくらいアルバムごとに面子が入れ替わる。
おまけに関連ユニットもいろいろある(これは割愛)
1969年 クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)
1970年 ポセイドンのめざめ(In The Wake Of Poseidon)
1970年 リザード(Lizard)
1971年 アイランド(Islands)
1972年 アースバウンド(Earthbound)-Live(1972)
1973年 太陽と戦慄(Larks' Tongues In Aspic)
1974年 暗黒の世界(Starless And Bible Black)
1974年 レッド(Red)
1975年 USA(USA)-Live(1974)
1981年 ディシプリン(Discipline)
1982年 ビート(Beat)
1984年 スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー(Three Of A Perfect Pair)
1992年 グレイト・ディシーバー - ライブ1973?1974(The Great Deceiver)-Live (1973・1974)
1994年 ヴルーム(VROOOM)
1995年 スラック(THRAK)
1995年 B・ブーム - ライヴ・イン・アルゼンチン(B'Boom : Live In Argentina)-Live(1994)
1996年 スラック・アタック(THRaKaTTaK)-Live(1995)
1997年 エピタフ(Epitaph)-Live(1969)
1997年 エピタフ3&4(Epitaph Volume Three & Four)-Live(1969)
1997年 ザ・ナイトウォッチ -夜を支配した人々-(The Nightwatch)-Live(1973)
1998年 アブセント・ラヴァーズ(Absent Lovers: Live in Montreal)-Live (1984)
2000年 ザ・コンストラクション・オブ・ライト(The ConstruKction Of Light)
2000年 ヘヴィ・コンストラクション(Heavy ConstruKction)-Live(2000)
2001年 ヴルーム・ヴルーム(VROOOM VROOOM)-Live(1995・1996)
2002年 レディース・オブ・ザ・ロード(Ladies of the Road)-Live (1971・1972)
2003年 ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ(The Power To Believe)
2003年 エレクトリック(EleKtriK)-Live(2003)
で、プログレ論としてなぜ語るのが優しいかというと…
ジャンルとしてのプログレッシブ・ロックは1stアルバムだけ。
その後も進化し続けるその様は、進歩的・革新的という意味では唯一現在もプログレッシブなバンドである。
おわり。
とこれだけではちょっと寂しいので、少しは歴史を語ってみようかな。
でも、この人たちは「難解」ということさえ理解していれば、それ以上「難解」の中身を語るひつようなない、というか語れない。
(まぁ、それでも語れるセンスの良い人もいるらしいけど…笑)
乱暴に言えば、ロバート・フリップ御大が、その時々に実現したい音楽を、実現できる面子を集めて「King Crimson」という名前で発表しているだけ。
その中で唯一「クリムゾン・キングの宮殿」は、他のメンバー、イアン・マクドナルドやピート・シンフィールドの作り出す世界観が表に出ていた。
ハードでサイケデリックな「21世紀の精神異常者」からラストの壮大な「クリムゾン・キングの宮殿」までの5曲、いっさい捨て曲なし。
叙情性からインプロビゼーションの緊迫感まで。
動から静まで。
陰から陽まで。
もうこのメリハリ感とバランス感覚は他の追従を許さない。
いや、当のKing Crimsonでさえ、これ以上のものは作れなかった。
その後、メンバーチェンジを繰り返しながら「ポセイドンのめざめ」「リザード」「アイランズ」と比較的同じ方向性の作品を作り続けたが、ロバート・フリップ一人が残ることになった。
ここからメンバー一新の再結成となる。
すでに成功していたYESを脱退して加わったビル・ブラッフォードなどが加わり、傑作「太陽と戦慄」を発表。
即興演奏をベースにした曲作りは、身を入れて聞くのはしんどいが、そこから漂ってくるエネルギーには圧倒される(ジェイミー・ムーアのパーカッションなど鬼気迫るものがある)
ただ、プログレと言う感じではない。
その後一人抜け「暗黒の世界」さらにひとり抜け「レッド」と発表する3部作で「メタル・クリムゾン」が完成される。
この「レッド」は、ブリティシュ・メタルのひとつのルーツといっていい。
即興性はあるものの、やはりプログレとは一線を画す。
(つづく)
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