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October 18, 2009

追悼 加藤和彦

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小学校5年生くらいからアコースティックギター(最初はクラシックギター)を触り始めたが、中学に入るとコードを勉強して曲を弾くようになっていた。
その当時、コード譜の着いた音楽雑誌ではアリス・オフコース・長渕剛などが現役で、「なつかし曲コーナー」などで、かぐや姫やグレープを知っていった。

そんなころ友人から3枚組みの「フォークソング大全集」というLPを借りてカセットに録音し、何度も何度も聞いていた。

「あの素晴らしい愛をもう一度」「悲しくてやりきれない」「青年は荒野をめざす」「戦争は知らない」…何十と収録されている曲たちの中でひときわ輝いていた曲たち。
メジャーだったらメジャー、マイナーだったらマイナーとハッキリしたコード進行のフォークソングたちの中でどちらとも取れる微妙なコード進行。
北山修による詩の世界もひときわ輝いていたが、それは加藤和彦の曲メロがあってこそなのだろう。

その後、ラジオから流れていて何度も聞いていた「帰ってきたヨッパライ」もこのコンビの作品だと知った。

その後、洋邦のロックミュージックに惹かれていったとき、日本語ロックのルーツとして「サディスティック・ミカ・バンド」を知った。
最初は「ブルーラグーン」の高中正義が在籍していた、またYMOの高橋幸宏が在籍していたバンドというイメージだったが、ロック色の強い「黒船」などと並んで、POPセンスが盛り込まれた「タイムマシンにおねがい」や「颱風歌」などに加藤和彦のセンスを感じた。


このブログを書くにあたって、加藤和彦の全作品を取り上げようとしているサイトを見つけたが、私が知っているのは上記のようなごく一部のものでしかないことを知った。
しかし、このごく一部の曲たちが段違いに存在力を示している。

フォーク・クルセダースの未聴のものは一度探して聞いてみたいと思う。

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October 17, 2009

Cyndi Lauper「She's So Unusual」

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前回、めずらしくUSAのしかも女性アーチストを取り上げたんで、この機会のついでで。

キャロル・キングが70年代の正当なシンガーだとしたら、シンディ・ローパーは混沌の80年代を象徴する女性シンガーだと思う。

チャートに現れるロックが産業ロックといわれ、AORブームで実力派ロックシンガーが刺々しさを奪われ、正統派ロックはパンクムーブメントに「ロックは死んだ」といわれた時代…
しかし、この時代ならではのアーチストも続々と生まれていた。
MTVブームに便乗し、ビジュアル込みで売り出す時代。
だから余計なものがついた状態で記憶されているが、中にはしっかりとした楽曲もちゃんと生まれている。
彼女はもっとその歌唱力で評価されるべきだと思う。

「Money Changes Everything」イントロのシンセの音はチープ、ドラムの音もゲートエコーきかせていかにも…そうこれが80年代だ。
しかし、そこにのっかるボーカルは本物だ。
ただの音量だとか、シャウトだとかとは違う、訴えるパワーがある。

「Girls Just Wanna Have Fun」イントロを聞いただけであの頃の記憶がよみがえる…そんな40代が多いんじゃないだろうか。
MTV全盛期に現れた新人(すでにそこそこの年齢だったが)のこの曲は、その容貌とバカっぽくハッピーな雰囲気に”色モノ”視されていたが、そういうイメージを差し引くと素晴らしい曲だと気付く。
バッキングはひたすら単調で、後半もひたすらサビ部分を繰り返すだけなのに、毎回違う自由なボーカル。
力量が無ければできないことだ。

「When You Were Mine」この曲はいかにも…ってな感じで、”80年代”に埋もれてしまってるかな。

「Time After Time」これはもうスタンダード。
プロモビデオはちょっと…だったけど、あらゆるジャンルのアーチストにカバーされている名曲。
もちろんオリジナルの彼女の歌声は秀逸。
(あとはBAHOのライブで金子マリがゲストで歌ったバージョンがすき。
 Tuck & Pattiも良かったよな)

「She Bop」なかなかにファンキーな歌声。
バッキングがちゃんとしたファンクアーチストならもっとかっこよかっただろうけど。(いや、当時はこれでも十分にかっこよかったけどね)

「All Through The Night」バラード。
粘っこい歌い方がこういう曲にはバッチリマッチしている。

「Witness」バッキングの音を大事にして、ポイントポイントに声を重ねていくタイプの歌なんだけれど…今聴くとバッキングのチープな音が気になって気になって。
ライブなんかで聴くともうちょっといい曲に聞こえるかもね。

「I'll Kiss You」ある意味、とっても80年代っぽい曲。

「He's So Unusual」次へのブリッジになる小曲

「Yeah Yeah」ラストを飾るかっこいい曲…のはずなんだろうけど。
うまく音が作れていたら、ボウイやロキシーみたいなグラムっぽい曲になったかもしれないけど、80年代の音で作ってるからヒューマン・リーグになっちゃった…って感じで。

カルト度 60% 今さらアルバム単位では聞かないかな。BESTで十分。


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October 15, 2009

Calole King「Tapestry」

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こういうジャンルはあまり取り上げてないけれど、知人が日記に取り上げていたので聞きたくなり、ついでにレビューしてやろうかと…

キャロル・キングの名前は中学生くらいからもう知っていた。
しかし、幼いロック小僧はそういう世界には向かず、洋楽はロックだと思い、名前以上の知識は無かった。
女性ボーカリスト・シンガーソングライターで興味を持つとしたら、Kate Bushのような独特のものだったり…

だがFMなどで女性アーチスト特集なんかがあると必ずかかる「It's Too Late」や大ヒットアルバム「Tapestry(つづれおり)」の名前も知っていたし、シンプルでいて覚えやすいアルバムジャケットも覚えている。

なのに、アルバムをしっかり聞いたのはつい半年前くらいだ。
うーん、30年は損してるな。
そんなにすごいアーチストが揃ってるわけじゃないのに、完成された音だと感じるのは、彼女の歌声がいいバランスで聞ける故だろう。


「I Feel The Earth Move」ファンキーなベース・ピアノが中心のバッキングがとても黒っぽい。
そこにキャロル・キングの突き放すようなボーカル。
ジャニスに匹敵するロックボーカリストにもなりえたんじゃないかと思えるくらいのノリ。
うーん、かっこいい。

「So Far Away」ピアノバラード。
全曲に続いて聴くと、そのギャップに戸惑うが、じつはこういう雰囲気のほうが本来の彼女なのかもしれない。
ベースラインがすっごくべたなのはご愛嬌。
(というか、学生バンド時代はこういうベースラインが好きだった)

「It's Too Late」キャロル・キングというとこの曲ってくらいの代表曲。
出過ぎないドラム、ツボを押さえたベース、深みのあるそれでいてシンプルなピアノ、ソロで張り切るギター、うーん絶妙のバランス。
そこにのっかる歌メロがまた泣かせる。
暗くなりきらないギリギリのマイナーな感じがまた渋い。

「Home Again」なんというか、わかりやすい感じのピアノバラード。
(どこにでもありそうっていう定番感覚)

「Beautiful」いきなりがつんと彼女の声で始まる、ちょっとマイナーなナンバー。

「Way Over Yonder」控えめなバッキングで、彼女の歌声が堪能できるスローナンバー。
こういうゆっくりと粘っこく歌う曲は最高。

「You've Got A Friend」実は、ずっとジェームス・テイラーの曲だと思ってた…
なにげない感じのピアノ演奏だけど、歌とのマッチングがいい。
単純に演奏力の上手い下手じゃなく、バランスが大事って事。

「Where You Lead」カントリーっぽい雰囲気もある、POPなナンバー

「Will You Love Me Tomorrow」もういっちょう、歌を楽しめるバラード。

「Smackwater Jack」アメリカンなロック・ナンバーと言ってもいいんじゃないだろうか。
ピアノにはビリー・プレストンみたいな味を感じるし、ギターもサザンロックの雰囲気が。
でも、それなのに田舎くさくならないのは生粋のNY娘のセンスだろうな。

「Tapestry」アルバムタイトルにもなっている静かなナンバー。

「You Make Me Feel Like A Natural Woman」ラストを飾るピアノバラード。
その迫力ある歌力(うたぢから)はジャニスに匹敵するんじゃないだろうか。(もちろん、あそこまでシャウトしないけれど)

定番度90% SuperflyやLOVE PSYCHEDELICOのような音が好きな人は聞いておいて損はなし。

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October 10, 2009

BEATLESを語ると止まらん…

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前回のエントリーからきっちり一ヶ月…
09・09・09 Beatles Day にむけて集中しすぎたのか、その後ぱったりと書く気力が起こりませんでした。
というか、他のブログや行事などに明け暮れていたせいもあるのですけどね。

その間にもいろいろ書こうとは思ってました。
Past Mastersを取り上げて曲単位でもBeatlesコンプリートしようと思ったり、関連商品としてBeatlesの曲をMetallica風に焼き直した「Beatallica」の音源をゲットしたんでそいつをやっつけてやろうとか、CDにこだわるのやめて、CDでは手に入らないけど思い出たっぷりのLP「Oldies」・「Hey Jude」・「Rarities」・「Rarities vol.2」・「at the Hollywood Bowl 」なんてマニアックなところを取り上げてみるとか…

まか、この辺は気が向いたらやってみましょうか。

で、今回はリマスター発売から1ヶ月経って、その個別の売り上げ枚数の数字が出たんでそいつの話題。
まぁ、従来のマニアがBoxセットで買うからそいつが上位なのは当然として、新しいファンはおそらくアルバム単位で気になったものを買ってるだろうから、この順位は結構面白かったりする。

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アルバムでの評判ということで行けば、私のindexにも表記してる通り「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」がRolling Stone誌のランキング(全音楽での)で1位になってるからここは硬いかなと思ってたんだけど、なんと「Abbey Road」が一番売れているという…
この表のランキングは金額単位なんで、2枚組みの「Past Masters」「The Beatles(White Album)」が上位に来ちゃうんで、横の売り上げ枚数がわかりやすい数字だと思うけど、「Abbey Road」2.9万枚の次が「Let It Be」の1.9万枚だから、いかにかけ離れて売れているかがわかる。

一般的にヒットしている作品ってことで考えると、「BEATLES 1」ってアルバムがチャート1位になった曲中心に集めているいわゆるBEST盤だと思うんで、そこに入っている曲を考えると「Abbey Road」には「Something」と「Come Together」の2曲…あと名曲「Here Come The Sun」も入れてみても、いわゆる「Yesterday」や「Let It Be」なんていう誰でも知っている曲に比べて弱い。
THE BEATLES Official Web Site」が先駆けて行った人気曲ランキングでも9位にやっと「Something」が入っているだけ(その次は12位で「Here Comes The Sun」)
となると、このアルバムはジョージ人気で売り上げトップなんだろうか…

じつは、同じサイトのアルバムランキングだと、やはり「Abbey Road」が1位で、以下「The Beatles(White Album)」ときて「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」が3位になっている。

いつの間に序列が変わったんだろう???

で、私も「Abbey Road」は大好きだ。
特にB面を飾るメドレーは鳥肌ものだし、「The End」にはサウンド的な興奮だけでなく、この曲でBeatlesに歴史に終止符が打たれたんだという感覚的な興奮もある。
しかし、まずはこの1枚からというときは迷わず「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」を薦める…いや、ちょっと待てよ、確かにこのアルバムを薦めるのはちょっと危険かもしれない。
なじみやすいヒット曲から聞いてもらって、それからこの完成されたトータルな世界観を味わってもらうほうがいいだろうな。

そういう意味では「Abbey Road」も「The Beatles(White Album)」もあとから聞いてもらうほうが良いな。
そう考えてみると「Rubber Soul」「Revolver」なんてのも結構マニアックなところに彼らのよさがにじみ出てるし…

うーん、初めて聞く人にBeatlesを薦めるのには何が良いんだろう。
すっかり迷ってしまった。
こうなるとヒット曲が詰まった「1」「青盤」「赤盤」ってことになるかなぁ…でもそれじゃ芸が無いし、オリジナルアルバム買う気なくすだろうしなぁ。

うん、やっぱなじみやすく感動しやすい「Let It Be」「The Long And Windeing Road」に「Get Back」も入ってるアルバム「Let It Be」が無難かなぁ。
これから聞く人が感動しやすいってことで行くと、悔しいけどフィル・スペクターの思惑に間違いがなかったってことで…

ところで、今回のリマスターで普通にオリジナルの「Let It Be」が持ち上げられているけど、「これがBeatlesの作りたかったサウンドだ!!」って騒いでた「Let It Be...Naked」の位置づけはどうなっちゃったんだろう?

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