Pink Floyd 「The Dark Side Of The Moon」(皆既日食に寄せて)
まだまだ紹介してないアルバムが山盛りなのに、2回目のレビューというのも気が引けるのですが、前回は本当の初期なんで、印象のレビューに終わってましたから、再度のレビューもありかなと。
46年ぶりの皆既日食ということで、日本中(マスコミ的には)湧き上がった22日、やはりこのアルバムを聞いておくべきでしょう。
アルバムタイトル「The Dark Side Of The Moon」を「地球から見えない側」とするならば、日食時は思いっきり太陽側ですから白日の下にさらされていることになります。
逆に「月の暗い側」とするならば、日食のときは思いっきり地球側になっているという…
さらに、ラスト曲「Eclipse」とは「食」のことで、最後の歌詞が
And everything under the sun is tune
but the sun is eclipsed by the moon
(すべての太陽の下にあるものは調和している
でも、その太陽も月によって隠されてしまう)
もちろん、この歌詞の部分だけじゃなく、全曲の流れのなかでインナートリップさせてきて、一曲前の「Brain Damege」で「lunatic」(lunaは月の意味もある)=「精神異常者」として自分を俯瞰し、
I'll see you on the dark side of the moon
(月の裏側でお前と出会うだろう)
と宣言した上で、「調和しているものも、狂気(裏側の人格)の前に覆い隠されてしまう」という…
皆既日食の実況映像を見ていると、(残念ながら曇り空だったが)見る見るうちに暗くなって来、カウントダウンと共に真っ暗になる(無粋なマスコミがライトでリポーターを照らしていたが)
暗闇というのは、人を不安にさせる。
狂気が不安にさせるのか、不安が狂気を引き起こすのか…。
このたびの皆既日食によって、このアルバムがより深く、理解ではなく感覚の部分で、私に染み込んできた。
アルバムとしては前半の「Time」や「Money」といったロックサウンドものが聞きやすいだろう。
しかし、後半「Us And Them」以降をぜひ大音量で(事情が許さないのならヘッドフォンで)聞いて欲しい。
楽曲のよしあしを超えた、また言語の壁をも超えた、”圧倒”というサウンドに出会えるだろう。
あ、またアルバム曲のレビューとは違ったものになっちゃった。
定番度 100%
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