Wings「Back To The Egg」
先日、George Harrisonをレビューしてから、出張やなんかの際にBeatlesやJohnの音も良く聞いている。
そんななか、PaulのソロやWingsも、再評価しだした。
あちこち浮気はするけど、やっぱBeatlesは私のベーシックだ。
1980年、Wingsは前年に発売したこのアルバムを引っさげて、初の日本公演をする…はずだった。
当時、確か1万円というチケット代は高校生には気軽に用意できるはずもなく、しかも東京公演だけじゃなかったっけ(うろ覚え)。
しかし、その公演は「大麻所持」(しかも過去に同容疑で入国を拒否されている)というファンを失意のどん底に落とす結果に。
生粋のBeatlesファンだった、友達のお姉ちゃんはチケットを所有しており、後日公演中止のお詫びで幻のパンフをもらてったんじゃなかったっけ。
そして、その年の12月にジョンが射殺され、Beatlesファンには悪夢の年だった。
ポールが生き生きとしていたWingsをいうバンド終わり、「いつかは…」と夢見ていたBeatles再結成の夢も終わった。
そんな思い出ばかりにつながるけど、あらためてアルバムとして聞いてみると、Wingsっていいバンドだなぁと。
「Reception」イントロを飾るファンキー(?)チューン。
「Getting Closer」 Wingsのアルバムではいつも最初にちょっとハードなロックナンバーを持ってくるけど、このアルバムも、シンプルなロックで幕開け。
中間部からエンディングにかけての激しいドラムとギターの絡み、キーボードの入り具合がポールのセンス絶好調だなと。
日本公演が実現してたら、きっとこの曲で派手にオープニングしたんだろうなぁ…
「We're Open Tonight」メロディメーカーの本領発揮は、静かな曲。
ギターアルペジオ中心の曲なのに、奥行きがあるのは歌メロの魅力か。
「Spin It On」当時流行していたパンクを「おれならこうやるぜ」とばかりにトライした作品。
でも、お上品過ぎてパンクにはならないね。
「Again And Again And Again」デニー・レインの曲(ボーカルも)
ずっとポールの元で演っているので、アルバムの中でも違和感はないが、どこか泥臭さが現れるのは声質ゆえか。
「Old Siam,Sir」こちらも少しパンキッシュかな。
当時の言葉で言うニューウェーブと言ったほうがいいかもしれない。
「Arrow Through Me」一転してアダルトなナンバー。
ローズ系のキーボードに、ホーンセクション、転結がはっきりしなりコード進行。
ビリー・ジョエルがNYじゃなくロンドンで曲を作ったらこうなるって感じか。
「Rockestra Theme」このアルバムの目玉、そうそうたるメンバーで奏でるリフ・ロック。
なんかのビデオでその演奏風景を見たけど…曲は普通でもやっぱ圧倒されるオーラがあった。
LPではこの曲からB面となり、「Over Easy」サイドと名がついていた。
ちなみにA面は「Sunny Side Up」
「To You」ポールらしいポップナンバー。
ちょっとサイケな感じはデビッド・ボウイを意識してるのか?
ボーカルよりも、ドラムやキーボードの音をメインにしているところに、バンドとしての主張があったんだろう。
「After The Ball/Million Miles」こちらもポールお得意のトラッドフォーク調のナンバー。
シャウトすることで、ソウルフルなエッセンスも。
「Winter Rose/Love Awake」マイナーなピアノバラードの前半と、メジャーなバラードの後半。
別々の曲でも良かった気がするのだが…
「Broadcast」静かなメロディに、詩の朗読がかぶさる。
言葉がわかればこの曲の意味がわかるんだろうけど…
「So Glad To See You Here」Rockestraメンバーによるハードなナンバー。
これだけの面子で一発録りだってんだからすごい。
いや、この面子だから一発でも迫力のある演奏になったのか。
「Baby's Request」Pianomanでも始まるんじゃないかと言うイントロ(笑)
始まってしまえばいかにもポールらしい、ちょっとジャジーなバラード。
いつもならアルバムの真ん中あたりに入るようなナンバーだけど、ラストに持ってきたのは前曲の熱をクール・ダウンさせるためか。
定番度 50% 悪くはないけど、どうしてもBeatlesとの比較で辛い点が…
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