Supertramp「Breakfast In America」
ここしばらくはなんとなく70'sを中心に聞いている気がする。
このアルバムが発売された1979年というと洋楽の情報はFMラジオとテレビのベストヒットUSAだった。
それまでは、Beatlesから始まり、KissやQueenを経て、Pink FloydやYesのようなプログレ、Deep PurpleやLed ZeppelinなどいわゆるハードなRock中心に関心があった。
その後アメリカのヒットチャートに乗る幅広いジャンルの音楽に触れるようになり、Fleetwood Macの「噂」、Eaglesの「Hotel Carifolnia」、などを聞いていったが、その延長線上に大ヒットしたこのアルバムがある。
タイトルの「Breakfast In America」や、明るいユーモラスなジャケットにてっきりUSAのバンドだと思っていたが、実はUKのバンド、しかも元はプログレバンドだったことを知ったのは大分後だったと思う。
最初はシングルヒットになった「Breakfast In America」や「Logical Song」がお気に入りだったのだが、LPを買って聞き込むほどに、最初の「Gone Hollywood」とラストの
「Child Of Vision」がつぼにはまってきた。
こういう展開のある張り詰めた曲が大好きだ。
ヒットチャート的にはこのアルバムの「一発屋」的な扱いもあるが、これ以前のアルバムも良いし、ライブも聞かせてくれる。
突出したテクニックだとか、ソングライティングがあるわけではないが、トータルでバランスよくまとまっている”味”がある。
一時期は擦り切れるくらいこのLPばかり聞いていた。
「Gone Hollywood」フェードインしてくるピアノの旋律にハードに絡まるギターやドラム。
ハイトーンコーラスに、低音のボーカル。
静かなピアノに絡まるサックス。
音の出入り、メリハリが抜群で、緊張感がプログレっぽさを醸し出す。
「Logical Song」シングルヒットしたPOPチューン。
かなり言葉遊びしているので、英語が得意な人はそこも楽しめるはず。
今聴いても十分に通用する。
「Goodbye Stranger」ピアノが軽快なナンバー。
低音と高音の二人のボーカルがマッチ。
TOTOのように、RockでAORをやってる感じ。
「Breakfast In America」アルバムタイトルナンバーにしてシングルヒットナンバー。
洋楽ロックを聴き始めた当時の中坊には、激しいだけがRockじゃないと言うことを認識させた不思議なナンバー。
ロジャー・ホジソンのハイトーンボーカルと、哀愁のクラリネットが素敵。
「Oh Darling」まるでビリージョエルのようなピアノバラード。
こういう感覚もアメリカで受けたところかもね。
「Take The Long Way Home」ピアノとオルガンの絡みが、シンプルなPOPナンバーに奥深さを与えている。
「Lord Is It Mine」静かで荘厳なピアノバラード。
「Just Another Nervous Wreck」軽快なピアノの序盤と、重厚なバンドサウンドの後半のメリハリが渋い。
リック・ディヴィスの力強いボーカルがいい。
「Casual Conversations」ラストの盛り上がりに向けて、一休みの静かなナンバー。
リックの歌は静かに歌うととても甘い声。
「Child Of Vision」オープニング曲同様、緊張感のある展開の曲。
私の大好きなプログレの名残があるし、それでいてメロディはPOP。
低音と高音の二人のボーカル掛け合いもばっちり。
ちょっとダークでありながらへビィでない感じは、Wings「Band On The Run」のラスト曲「Nineteen Hundred And Eighty Five」に通じるものがある。
私のツボだ。
定番度90% めったに目に触れないと思うが、歴史を築いた1枚としてぜひ。
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