Eric Clapton「461 Ocean Boulevard」
今でこそClaptonは好きなアーチストの前列に加わっているが、若かりしころはやはりリッチーやジミーのほうに傾倒していた。
この渋さがわからんかったんよねぇ。
ということで、高校くらいまではベスト版に入っているような曲しか知らず、その中でも「Layla」や「White Room」のようなバンド時代の曲ばかりに耳が言っていた。
もちろん、このアルバムに入っている「I Shot The Sheriff」なんかも聞いているのだが、そんなに食指が動かない。
大学でブルースバンドを組んでからは、むしろもっとルーツのブルース(Albert King、Fredy Kingなど)に入っていったから、これまたClaptonをあまり聞いていない。
その後、リアルタイムでロックを聴きあさっていた80年代になると、なんというかPOPでコマーシャルな曲が中心で、なんとなく深く入っていかなかった。
そう考えると、いつごろ彼にはまりだしたんだろう…90年代に入って「Unplugged」がヒットチャートで目立ち、その後のブルースカバーアルバム「From the Cradle」あたりで聞きなおした気がする。
そこから、70年代の作品も見直していったが、このアルバムもそんな70年代の作品で、デレク・アンド・ザ・ドミノス「Layla」の後に出した本格的な初ソロアルバム。
(実際は「Layla」の前に一枚ソロアルバムを出している。
先日、用事で出かけた際に利用した百貨店の駐車場代をただにするために寄ったCDショップで目に留まり、ついつい買ってしまった。
90年代以降のソロや、クリームやブラインド・フェイスなどのグループものは持ってるけど、70年代のソロ作でCD買ったのは初めてだったりする。
(ベスト盤で主要曲持ってるから、後回しになってた気がする)
「Motherless Children」軽快なギターリフが左から、ついで右から、さらに中央、おぉトリプルギターが炸裂、さらにはオルガンも加わりお祭り状態。
そこから各自がスライドギターへと移行していく…なんてかっこいいイントロだろう。
サウスアメリカンの雰囲気ながら、Cream時代のけだるさも内包している。
歌こそちょっと抑え目だが(レイラとかに比べるとね)それが間奏やエンディングのギターソロの盛り上がりに影響していい感じ。
2006年の来日公演に行ったが、前半のハイライトで若い二人のギタリストを従えてこの曲をやったときは鳥肌物だった。
「Give Me Strength」シンプルなスローバラード。
甘い声と、アコースティックのフィルイン…もうすでに完成された一芸というか、定番というか。
ギターソロはなく、演奏はオルガン中心に任せた、歌もの。
「Willie And The Hand Jive」ほんの少しレゲエタッチの入った軽い曲。
「Get Ready」ちょっとファンキーな思いリフのナンバー。
とっても黒っぽい。
最後に重いギターソロが入るのかと思わせるようなフレーズがはいるものの、突然のように曲が終わってしまう…うーん、残念
「I Shot The Sheriff」ボブ・マーレィのカバーにして、もしかしたら本家よりも有名かもしれないレゲエナンバー。
ロック・ミュージシャンがレゲエを取り込んだらこうなるという見本。
「I Can't Hold Out」今度はブルージーなブギ。
このアルバムのボーカルは抑え目だけど、こういうナンバーにはぴったり。
スライドギターのソロは絶品。
「Please Be With Me」カントリー・ブルース調の曲。
やさしいトーンのギターソロは、このあとのAOR路線に通じるのかも。
「Let It Grow」クラプトン・バラードの定番。
後の「ワンダフル・トゥナイト」や「チェンジ・ザ・ワールド」がバラードでは人気があるが、私としてはこの曲に軍配が上がる。
哀愁たっぷりのアルペジオが延々と繰り返されるエンディングは”深い”
「Steady Rollin' Man」ロバート・ジョンソンのカバー。
歌もそうだが、ギターを楽しそうに演ってる感じが、ほんとうにロバート・ジョンソンの曲を演るのが好きなんだろうなと。
「Mainline Florida」オープニングの「Motherless Children」に匹敵するハッピーなナンバー。
定番度 85% 好きな人にはたまらないけど…一般の人にはベスト盤のほうが好みだろうなぁ。
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