Cheap Trick 「In Color」
Cheap TrickはUKではなくUSAのバンドだけど、最近テレビCF(キリン 生茶)でこのアルバムの中の「I Want You to Want Me(甘い罠)」が採用されているので、ふと聞きたくなった。
彼らが活躍したのは70年代後半。
QueenやKissの登場でRockが身近になり、Bay City Rollersなどアイドル・ロックなんてものも生まれていた。
どれも当初はイロモノ扱いされてはいたが…
Cheap Trickもアメリカでは受けず、日本で先に日がついた。
私がはじめて聞いたのは渋谷陽一のFMプログラムだったかな。
そのころ、音楽雑誌もアイドル路線が蔓延しており、音よりもルックスで火がついたりしていた。
ちょっとひねっていたのは、4人のメンバーのうち二人が美形でジャケットの表を飾り、残る二人は表に出ないという…
このアルバムでも「In Color」というタイトルで美形が表、裏はモノクロで残り二人というもの。
音的には非常にわかりやすいRockで、Kissを甘くしたような感じ。
でも、まだ若かった私はそういうわかりやすさにBeatlesの後継的な感じを受けて、LPを買い続けていた。
その後、武道館ライブで世界的に知られることになるのだが、本国で人気が出る前に武道館でライブをやらせる日本って…
そのライブアルバムは、ワーキャー言う歓声が随所に盛り込まれている。
まぁ、音を聴くより、観に行ってる感じだったんだろうな。
でも、アルバムとしても結構いいと思うけどね。
「Hello There」音慣らしのノイズから始まって、ハードなギターストローク。
ご機嫌なロックンロールナンバーにして、キャッチーで軽快。
Liveオープニングで聴衆をわしづかみにする、タイトルどうり「みんな元気かい」そのままの曲。
「Big Eyes」ちょっとマイナーなアルペジオに厚みのあるベースの音。
タイトなドラムに、静と動を歌いわけるボーカル。
ただのアイドルバンドじゃない主張がある。
「Downed」リバーブとフェイズのかかった印象的なギターアルペジオに、ロビンの甘い声。
演奏はシンプルだけど、サビのフレーズが不思議な空間を作り出してくれる。
(そこだけ聴くと「Lucy In The Sky With Diamonds」を思い起こす)
私的にはこのアルバム一番のお勧め
「I Want You to Want Me」この曲はアイドルPOPと呼ばれても仕方ないかも…
目玉はロビンの甘いささやきだしなぁ。
これが今、CMで流れてるナンバーです。
「You're All Talk」ちょっとひねりを入れてきたナンバー。
ベースがゴリゴリと活躍する。
これでドラムがもっと重いと、彼らが望んだロックバンドの道を歩めたかも…
「Oh Caroline」再びあまーいアイドルPOP路線。
「Clock Strikes Ten」リックのギターがチャイムを鳴らすとロックロールパーティの始まり。
基本的にLIVEで乗りやすい曲がこのバンドの真骨頂だよなぁ。
「Southern Girls」音はハードだけど、声が甘い。
ピアノの使い方なんかはやっぱBeatlesの影響かな。
「Come On, Come On」とってもPOPなナンバー。
重たくしようとする気配はうかがえるけど、そうなりきれずにPOPになってしまうのがCheap Trickたる所以か。
「So Good to See You」オープニングの「Hello There」に対しての「さよなら」ソング。
カルト度 80% バンドは有名だろうけど、いまさらアルバムとしてこのアルバムを買えるかってえと…(でも、CMで気になった人はぜひどうぞ)
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