閑話休題-失われた90年代UK
このブログでもたびたび書いているが、今は普通に(むしろ頻繁に)聴いている音楽のなかで、90年代UKのものはかなり聞き逃していて、この10年ほどでかなり「遅れた出会い」をしている。
最近だと、The Verveの「Urban Hymns」などがその代表格だが、これを機会にいろいろ調べながら私にとってのMissing90sを考えてみた。
私がその頃どういう状況にいたかというと、出張の仕事が多く、車や電車の移動時間が長かった。
80年代は学生であったり、近場を回る営業職だったために、テレビの音楽番組(MTVなど)やFMを良く聞いていたからその時々の流行り音楽を聴けていたが、90年代はテレビを見る暇も無く、FMだと移動途中で受信できなくなったりするのでもっぱらMDに録音した音源で楽しんでいた。
また、それまでレコードで持っていた音楽資産がCDに変わるにいたり、ショップで手にするのはレコードで持っていたものをCDに買いなおすものが中心。
あるいはMDに録音するためにレンタルCDを借りたりするのだが、洋楽の新譜は1以上店頭に出回らないので、こちらも懐かしのものを借りてくることがほとんどだった。
そんな中でも、たまにショップの試聴機で偶然の出会いを果たすものはあったが、興味はほとんど旧知のバンドの新譜だったりする。
当然、雑誌などを見ても懐かしの大御所の記事はじっくり眺めても、その他のアーチストは名前は知っていても音は知らないというものがほとんどだ。
そのうち、購入する雑誌といっても「レコードコレクターズ」のように、懐かしのアーチストを特集する温故知新がたのものが中心になっていたから、新人アーチストの名前すら出会わなくなっていた。
やがて90年代も終わりになった頃に、一緒に仕事した仲間が出張の移動中にかけるMDが90年代のアーチストを教えてくれた。
Primal Scream、Blur、The Charlatans、Oasis、Radiohead…
中には知らずに耳にしていたものも当然あったが、ほとんど意識していなかった。
今ではこの辺のアーチストのものはほとんどコンプリートし、さらにその流れでミレニアム以降のUKアーチストも結構追っかけるようになった。
と、こうやって振り返ってみたときに、ひとつの原点にたどり着いた。
80年代にMTV中心の洋楽シーンに毒された結果(もちろん、好きなアーチストも一杯いる)80年代後半の商業主義からもれた音に出会えていなかったことが、90年代につながらなかった主な原因だと思う。
それがマッドチェスター(Stone Roses)、シューゲイザー(My Bloody Valentine)の流れだろう。
すでに数年前にStone Rosesのベスト盤や、My Bloody Valentineの「Loveless」を買ってはいたが、彼らを消化して現在活躍しているアーチストの音のほうが好きだし、あまり振り返って聞くことは無い。
しかし、今もう一度彼らの音を入手してじっくり聞いてみると、ここにUK90sの原点は確かにあると感じられる。
もし、80年代の終わりにこれらの音に出会っていたなら…90年代をリアルタイムで楽しむことが出来たかもしれない。
2008年の夏のイベントで、My Bloody Valentineが再結成コンサートをしたし、The Verveも再結成している。
Primal Scream、Oasis、The Charlatans、Travisも継続して新譜を出している。
Blurが再活動を始めたという話も聞こえてくるし、今年のフェスの目玉にStone Roses再結成の噂もある。
遅ればせながら、UK90sに思いを馳せ、追いかけていきたいと思う。
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