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November 14, 2008

The Verve「Forth」

Front
今年のサマソニで復活した「The Verve」
90年代に活躍したバンドだが、まだじっくりと聞いていなかった。しかし、サマソニ前の特番で彼らの曲を聞き、サマソニ後にテレビで放映されたライブを聞いて気になりだした。その曲は「Bittersweet Symphony」残念ながら、その曲が入ったアルバムはまだ未聴だが、今年発売された新譜は聞く機会に恵まれた。
結構いろんなバンドが気に入っている90's UKにおいて、ノーチェックだったのが悔やまれるほどお気に入りにアルバムになっている。
古くはRoxy Music、最近ではRadioheadSigur Rosに感じられるような、隙間をびっしりと音で埋め尽くした非常に深みのある、それでいて霧がかかったように緩やかに包み込む音圧が心地いい。
The CharlatansやThe Musicのようなグルーブも心を揺さぶる。
古いアルバムも聴いてみたいし、このまま活動を続けて新しい音も生み出して欲しいと思えるバンドだ。

「SIT AND WONDER」ドラムとベースのグルーブ具合がちょっとばかし古い感じが…しかし、リチャード・アシュクロフトの粘っこいボーカルが絡みだすと、これが非常に心地良いグルーブに収まる。
隙間のない音世界と言えばいいのか、ドラムビートの合間にもしっかりベースの音が残っており、壁のように音圧がそそり立っている。
しかし、それはうるさいというものではなく、あくまで心地よいのだ。

「LOVE IS NOISE」前曲のグルーブ感はそのままに、ちょっとだけPOPに仕上げた作品。

「RATHER BE」名曲「Bittersweet Symphony」を髣髴とさせる、優しい曲。
Oasisなどの90年代UKバンドのバラードに比べ、とても淡々としているのに心に響いてくるのは、同じフレーズの繰り返しの裏に、微妙に変わっていくギターやキーボードのバッキングの妙があるし、音こそ現代風だがブルースだからだろうなと。

「JUDAS」曲はメジャー調なんだけど、音の世界が霧に包まれたような感じで、ギターなどの音の入れ方がすごく深い感じ。
まるでRoxy Musicが21世紀によみがえったような感じさえする。

「NUMBNESS」スローな曲だが、音の深さは健在。
これもドラム・ベースがグルーブな世界を築く上に、ギターが時にはジャジーに、時にはブルージーに、自由に表現されている。

「I SEE HOUSES」曲が進むにつれて、だんだんPOPさが薄れてき、Deepな世界観に引き込まれていく。
この曲はピアノの音が効果的に使われている。
英詩ボーカルつきのSigur Rosといった感じか。

「NOISE EPIC」静かな感じから、だんだんと疾走していくバッキング、それでいながらボーカルは静かに淡々と…。
盛り上がっていくところは、ちょっとU2ライク、あるいはOasisライクかな。

「VALIUM SKIES」前曲で混沌としたイメージに押し込められていたところから、ふわっと開放されたようなイメージの曲。

「COLUMBO」フレットレスを使っているのか、微妙な揺らぎのあるベースライン…輪郭のぼやけた音の世界。
ノイジーなギターや、ハイテンションのボーカルの雰囲気など、Radioheadのイメージも重なる。
結構、好みのど真ん中。

「APPALACHIAN SPRINGS」まるで一昔前の叙情派プログレのように、静かに盛り上がっていく、アルバムラストにふさわしい曲。
近い雰囲気としては、ピーター・ガブリエルやロジャー脱退後のPink Floydの荘厳さか。
リチャード・アシュクロフトっていいシンガーだねぇ。

定番度 90% もしかしたら今年の新譜でNo.1になるかも

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