Led Zeppelin「Houses of the Holy」
Zep5枚目のアルバムで、邦題は「聖なる館」
このアルバム以前は「Ⅱ」とか「Ⅲ」とか、あるいはアルバムタイトルがなしだとかだったが、このアルバムではじめて意味のあるタイトルがつけられた。
しかし、アルバムジャケットには一切クレジットされていない(これは前作と同じ)
ジャケットはピプノシスデザインで、岩山を裸の子どもが上っていくという神秘的なもの。
これは表面と裏面を見開きにして完成する絵なので、CDではこの良さが分からないんじゃないだろうか。
他のアルバムにしても、3rd以降のアルバムは毎回趣向を凝らしているので、これから買う方はぜひ紙ジャケを探して欲しい。
このアルバムは、中学時代に友人が持っていたのを借りて聞いていた。そう考えるとアルバム単位ではじめて聞いたZepのアルバムかもしれない。前にレビューした「Physical Graffiti」とどちらが先か微妙なところだ。
しかし、このアルバムは「Rock'n Roll」や「Night Flight」のように中坊でも分かりやすいようなロックもなかったし、「Stairway To Heaven」のようなキラーチューンもなかった。
ということで、ジャケットほど中身の印象はなかった。
また、大人になってからはZepのブルース面が好きになっていたのに、このアルバムには所謂ブルース・チューンがない。
ということで、こうしてレビューするのにもどうしても後回しになっていた。
「The Song Remains the Same」今までにないような明るいオープニング曲。
ハードロックでもなく、ブルースでもなく、アコースティックでもない、なのにしっかりZepのサウンド…ただ、ちょっと重さはない。
アップテンポのイントロ からテンポダウンしてのボーカルの入り方なんて鳥肌物。
永遠の詩という邦題のネーミングがやけにかっこいい。(直訳すると「歌は同じまま」)
「The Rain Song」一転して静かなバラード。
この曲のフィルインとストロークを交えたギターは名演。
ちょっと中間のストリングスが大袈裟な気もするけど。
「Over the Hills and Far Away」ブリティッシュトラッドなアコースティックナンバー…と思わせておいて、途中からハードな音に展開。
これまでのアルバムでのアコースティック面とハード面が融合され、今後のZepサウンドの可能性を表した一曲。
「The Crunge」かなり実験的な曲で、変拍子でファンキーテイスト。
Zepの曲として聞くにはもうひとつだが、ボンゾ・ジョンジーのテクニック的間口の広さ、ジミ-のセンスとして「やっぱすげえやつら」と思わせるに十分な曲。
こういうお遊び的なところからハードでファンキーな曲ってのはQueenあたりが後継者になるのかな。
「Dancing Days」軽そうなリフなのに、ドラムがやたら重たいという…ある意味これがZepサウンドということか。
「D'yer Mak'er」こちらはレゲエ調。
「The Crunge」同様間口の広さは感じるけど…好きな曲も一杯あるのに、このアルバムをあまり聞き込んでいないのは、アルバムとしてのつながりがもうひとつだからかもしれない。
かといって、好きな曲だけ抽出して聞いても面白くないし、たとえばこの曲でちょっと「?」と思うから、次の「No Quarter」のヘビーさが倍増するという、そういう効果はあるかもしれない。
「No Quarter」まぎれもなく名曲。
ジョンジーの奏でるキーボード、歪みの効いたジミーのギターリフ、オン・オフのメリハリの利いたボンゾのドラム…そして語りかけるような静けさからシャウトまで幅広いロバートのボーカル。
といいつつ、高校生くらいまでは辛気臭い曲だと思ってたんだけどね。
今は、こういう静と動の展開がある曲は大好きです。
「The Ocean」Zepお得意のギターリフ中心の曲。
この曲でも一部変拍子を取り入れている。
ラストではまるで違う曲をくっつけたかのような軽い感じになる。
Zepのアルバムラストとしては、余韻が…
定番度 70% Zepの中の優先度は下のほうか…
<MANU.s Main Page>
<index>
「音楽」カテゴリの記事
- Pink Floyd 「The Dark Side Of The Moon」50周年記念イベント(2024.06.17)
- 久々に「The Wall」を観た(2015.09.08)
- Kraftwerk「Trans Europe Express」(2008.06.06)
- 90年代UKのベスト1と言っても過言じゃない「Screamadelica」(2006.04.27)
- 35年の歴史。Live版ベストアルバム 「The Word Is... Live」(2005.10.10)
「70'S」カテゴリの記事
- Pink Floyd 「The Dark Side Of The Moon」50周年記念イベント(2024.06.17)
- 映画『シド・バレット 独りぼっちの狂気』(2024.06.02)
- Queenについて語ろう その2(2019.02.13)
- Queenについて語ろう(2019.01.02)
- Kraftwerk「Trans Europe Express」(2008.06.06)
The comments to this entry are closed.
Comments