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November 09, 2008

Led Zeppelin「Houses of the Holy」

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Zep5枚目のアルバムで、邦題は「聖なる館」
このアルバム以前は「Ⅱ」とか「Ⅲ」とか、あるいはアルバムタイトルがなしだとかだったが、このアルバムではじめて意味のあるタイトルがつけられた。
しかし、アルバムジャケットには一切クレジットされていない(これは前作と同じ)
ジャケットはピプノシスデザインで、岩山を裸の子どもが上っていくという神秘的なもの。
これは表面と裏面を見開きにして完成する絵なので、CDではこの良さが分からないんじゃないだろうか。
他のアルバムにしても、3rd以降のアルバムは毎回趣向を凝らしているので、これから買う方はぜひ紙ジャケを探して欲しい。

このアルバムは、中学時代に友人が持っていたのを借りて聞いていた。そう考えるとアルバム単位ではじめて聞いたZepのアルバムかもしれない。前にレビューした「Physical Graffiti」とどちらが先か微妙なところだ。
しかし、このアルバムは「Rock'n Roll」や「Night Flight」のように中坊でも分かりやすいようなロックもなかったし、「Stairway To Heaven」のようなキラーチューンもなかった。
ということで、ジャケットほど中身の印象はなかった。
また、大人になってからはZepのブルース面が好きになっていたのに、このアルバムには所謂ブルース・チューンがない。
ということで、こうしてレビューするのにもどうしても後回しになっていた。

「The Song Remains the Same」今までにないような明るいオープニング曲。
ハードロックでもなく、ブルースでもなく、アコースティックでもない、なのにしっかりZepのサウンド…ただ、ちょっと重さはない。
アップテンポのイントロ からテンポダウンしてのボーカルの入り方なんて鳥肌物。
永遠の詩という邦題のネーミングがやけにかっこいい。(直訳すると「歌は同じまま」)

「The Rain Song」一転して静かなバラード。
この曲のフィルインとストロークを交えたギターは名演。
ちょっと中間のストリングスが大袈裟な気もするけど。

「Over the Hills and Far Away」ブリティッシュトラッドなアコースティックナンバー…と思わせておいて、途中からハードな音に展開。
これまでのアルバムでのアコースティック面とハード面が融合され、今後のZepサウンドの可能性を表した一曲。

「The Crunge」かなり実験的な曲で、変拍子でファンキーテイスト。
Zepの曲として聞くにはもうひとつだが、ボンゾ・ジョンジーのテクニック的間口の広さ、ジミ-のセンスとして「やっぱすげえやつら」と思わせるに十分な曲。
こういうお遊び的なところからハードでファンキーな曲ってのはQueenあたりが後継者になるのかな。


「Dancing Days」軽そうなリフなのに、ドラムがやたら重たいという…ある意味これがZepサウンドということか。

「D'yer Mak'er」こちらはレゲエ調。
「The Crunge」同様間口の広さは感じるけど…好きな曲も一杯あるのに、このアルバムをあまり聞き込んでいないのは、アルバムとしてのつながりがもうひとつだからかもしれない。
かといって、好きな曲だけ抽出して聞いても面白くないし、たとえばこの曲でちょっと「?」と思うから、次の「No Quarter」のヘビーさが倍増するという、そういう効果はあるかもしれない。

「No Quarter」まぎれもなく名曲。
ジョンジーの奏でるキーボード、歪みの効いたジミーのギターリフ、オン・オフのメリハリの利いたボンゾのドラム…そして語りかけるような静けさからシャウトまで幅広いロバートのボーカル。
といいつつ、高校生くらいまでは辛気臭い曲だと思ってたんだけどね。
今は、こういう静と動の展開がある曲は大好きです。

「The Ocean」Zepお得意のギターリフ中心の曲。
この曲でも一部変拍子を取り入れている。
ラストではまるで違う曲をくっつけたかのような軽い感じになる。
Zepのアルバムラストとしては、余韻が…

定番度 70% Zepの中の優先度は下のほうか…



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Led Zeppelinの5thアルバム『Houses of the Holy(邦題:聖なる館)』。1973年発表。 4thまでの神秘的な感触は薄くなり、ポップなツェッペリンが聴けるようになった作品。まあ、全カタログを制覇した後でこれを聴くと、「あ〜、過渡期だなぁ」という以外に感想はなかった....... [Read More]

Tracked on May 11, 2009 07:57 AM

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