Travis「Ode to J. Smith」
ヒット曲「Sing」に代表されるような哀愁あるメロディと叙情的な雰囲気のイメージがあるバンド。
しかし、じつは1stアルバムでは全然違うバンドかと思えるような骨太のロックを演ってる。
私はどちらのTravisも好きなんだが…今回は骨太のTravisが聞ける。
もしかしたら、本当はこういうの演りたかったけど、レコード会社がやらせてくれなかったとか…。
と、この作品を自分らのレーベルから出したことでそんな想像も出来るのですが。
ともあれ、同じ時期に発売されたOasisの「Dig Out Your Soul」と比べて、最初からすんなり入れる分こちらの方に軍配が上がるか?
もちろん、比べるなど野暮なことしなくても、これはいいアルバムです。
「Chinese Blues」力強いピアノの音、引き裂くように入り込んでくるリズムとギターのブレイク。
あたかも90年代のUKシーンのような力強さ。
そのUKシーンの中で、TRAVISは優しいタッチで他との差別化をしていた。
逆にそのころ力強い音が中心だったバンドたちがどんどん優しい音になっていく中で、彼らは原点回帰とも言えるような音で新譜を仕上げてきた…かっこいいじゃねぇか。
「J. Smith」ギターロックだ。
アルペジオの使い方に”哀愁派”の色を出してはいるが、歌にも1stアルバムのようなパワーがみなぎっている。
静かな局面から一転してハードなソロに入るあたりなぞ「The Who」をも思わせる。
うーん、男の子だね。
「Something Anything」さらにハードなリフで押しまくる。
それが対比するからか、歌声はちょっと優しい感じに戻っている。
「Long Way Down」歌メロはどう聴いても「Travis」なのに、いつもより歪んだ音作り。
2ndや3rdでTravisを知った人には違和感だろうが、1st好きの私は拍手ものだ。
「Broken Mirror」スローテンポの曲も、”さわやか”とはかけ離れたダークな味つけ。
シンバルの刻み方なんか、70年代のUKハードを思い起こさせる仕上がり。
「Last Words」ここでちょっと、最近のさわやか系のTravisも。
「Quite Free」さらにもう一曲、さわやか系。
これはこれでいいんだけど、前半のパワー押しが気に入ってただけに、ちょっと中だるみかな。
シングル向きではあるけどね。
「Get Up」今度はいままでとはちょっと違った曲風…ちょっとエスニック色が入った感じかな。
サビなんかは、エスニック志向の80年代バンドみたいだけどね。
「Friends」でもなんだかんだ言っても、こういう哀愁Travisはいいんだよねぇ。
べたっちゃあべたなんだけどね。
次のシングル候補かもしれない。
「Song To Self」さわやかの中にもちょっとラフな雰囲気を盛り込み、ベースがちょっとグルーブしていい感じに仕上がっている。
終わりに近づいて、いい盛り上がりを与えてくれる。
ライブでアンコール前のラストに持ってくると、みんなで踊って盛り上がれる感じかな。
「Before You Were Young」ちょっとアレンジが大袈裟だけど、これでもって大団円って感じで…
これも「The Who」を連想するんだけど…
まぁ、これを5分以上に伸ばして、どんどん盛り上げていったら「oasis」になっちゃうんだろうな。
定番度 85% (今年のUKロックは豊作だ)
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