Beck,Bogert&Appice 「Beck,Bogert&Appice」
最近、Clapton好きの友人から「今度の来日コンサートでジェフベックと競演する日がある」と聞き、急にジェフ・ベックが聞きたくなり、MDに録音してたやつなどを引っ張り出して聞いていた。
以前はロッド・スチュワートと組んだ「Jeff Beck Group」のころが一番いいと思ってたけど、このアルバムも今聴くとなかなか良い。
ということで、これからちょくちょくJeff Beckも取り上げるだろうけど、まずはこいつから。
当時すでに最高のリズムコンビだったティム・ボガートとカーマイン・アピスと、ジェフ・ベックが組んだんだから、外れるわけがない。
という感じで、好き勝手やってるのにすごいアルバムに仕上がってます。
「Black Cat Moan」ヘビーなギターリフに、手数は少ないが存在感ばっちしのベースとドラム。
ZepやCreamともまた違う、各楽器がバトルして高テンションをキープするという、聞くものにも緊張感を強いる作品。
歌はおまけみたいなもので、リフとギターソロを楽しむべし。
「Lady」3人の息ぴったりのかっこいいリフ。
歌に入ると、ちょっと抑えた感じに…なると思いきや、ベースはブイブイおかずを入れてくるし、ギターもフィルインしまくるし。
ソロにいたっては、ベースソロなのか、ギターソロなのかわからない状態。
でもそれが破綻してるかっと言うと、キメやブレークでぴたっとはまるんだからすごい。
こんな演奏の合間に「I Love You」なんて言われても…ねぇ。
「Oh To Love You」ちょっと一息の、タイトルどおりのラブバラード。
「Superstition」スティービー・ワンダーの名曲をハードに再現。
メインのリフはギターとベースでカバーしつつ、オーバーダビングのギターで好き勝手に弾きまくるベック。
ドラムはどう考えても重すぎでしょ。
でもある意味、こういうカバーをされてもそのファンキー具合が消えないスティービー・ワンダーのソングライティングもすごいね。
「Sweet Sweet Surrender」典型的なブルース・バラード。
こういう静かな曲は泣きのギターが目立つんだろうけど、意外とベースプレイが渋かったりする。
もちろん、ギターソロは弾きまくってる。
「Why Should I Care」ちょっと明るい(アメリカンテイストな)ロックナンバー。
「Lose Myself With You」ファンキーなナンバー。
ドラムの裏打ちが渋い。
「Livin' Alone」この時代のハードバンドといえば、やはりブギーですね。
BB&Aのブギーもなかなかにかっこいいです。
「I'm So Proud」ラストは静かに、定番バラードで。
ソウルシンガー カーティス・メイフィールドの渋い曲です。
実はBB&Aは、このアルバムのほかはライブ盤を一枚出しただけで解散したんですが、すでに録音し終わっていた幻のセカンドアルバムがあります。
ブートレッグとして流通してますが、そちらもハードで渋いです。
1曲目なんか、イントロはチャーの名曲(チャーは数年前、ボガード&アピスと組んでライブしてましたね)のリフそっくり。というか、チャーが後ですから、このアルバムの存在を知っていたのでしょうかね。
他の曲もブルースからバラードからファンキーなものまで。
発売されるとしても、このブートの音のまま出たかは分かりませんが、貴重な音源ではあるでしょうね。
定番度 90% ロックの歴史教科書として一度は聞いておくように。
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