映画「バニシング・ポイント」(Vanishing Point)
この映画の名前は良く知っていた。
上映されたころはまだまだガキだったが、中学生くらいになって自分で映画を見に行くようになったころ、毎月読んでいた映画雑誌(スクリーンやロードショー)で「アメリカン・ニュー・シネマ」というくくりのもがあり、好きな映画はけっこうそのカテゴリーに入っていた。
「明日に向かって撃て」「イージーライダー」「俺たちに明日はない」「スケアクロウ」や、マイナーなところでは「グライド・イン・ブルー」のような、最後は破滅に向かっていくけどその生き様のドラマを見せ付けられる作品たち…そういう映画が、ヴェトナム戦争を背景に「ハッピーエンドにできない」時代の映画たちが「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼ばれていた。
で、それらの作品をよくテレビの映画番組で観ていたんだけど、この「バニシング・ポイント」も見ていると思ってた。
しかし、DVDを見つけて買ってみたらどうも記憶と違う。
どうやら昔見ていたのは同じカーアクションでも「バニシング in 60」と言う映画だったようだ。
「バニシング・ポイント」の話に戻ると、この映画はひたすら走り続ける白い「ダッジ・チャレンジャー」が主役。
そしてそれを操る「コワルスキー」(Primal Screramの曲はいい感じでイメージをつかんでる)
物語が進むにつれて、徐々にコワルスキーの人物像が描かれていき、ラジオDJという共感者が出てきたりするが、そんなエッセンスで左右されない「ただ破滅へ走り続ける」のが描かれるだけ。
人物像が分かったところで走りに変化はないし、共感者が居ようが居まいが関係ない。
で、ラストがどうなるか…はネタばれになるので書かない。
70年代ってのはそういうぶちきれた映画が多かったんだろう。
反体制のアウトローという共通性はあれど、描かれ方はそれぞれのアメリカン・ニュー・シネマ。
同じ若者の鬱憤を描いても、UKの「時計仕掛けのオレンジ」や「さらば青春の光」などとは違う感じがある。
主人公が鬱積していても空が明るいのだ。
そこがアメリカたるゆえんか…
劇中歌がラジオから流れるRockということもあるが、その鬱積したエネルギーがRockだ。
カルト度 90%
Vanishing Point DVD
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