David Bowie「Space Oddity」
テレビを何気なしに見ていると、聞き覚えのある曲がかかってきた。
このアルバムの1曲目「Space Oddity」だ。
どうも秋の新ドラマのテーマソングかイメージソングになるんだろうか、出演する役者のバックにボウイの声が響いている。
これまでも、CMでボウイの曲はよく耳にした。
「Let's Dance」や「Rebel Rebel」や「Changes」などがそうだが、まさか「Space Oddity」が取り上げられるとは思っても見なかった。
しかし、こうして突然耳に入ると、改めておしゃれな曲だなと再認識する。
アルバム「Space Oddity」は、タワレコで物色してたときに初期のアルバム3枚がセットで廉価ボックスになっていたのを買った。
「ジギー」以前のボウイは、ライブなんかでやってる曲しか知らなかったし(それこそ「Changes」くらいなものだった)「ジギー」や「ヒーローズ」でもっていたイメージとかなり違うのに戸惑ったが、シンプルな音作りで余計にボウイのボーカル力が際立って聞こえてくる。
やはり稀代の名ボーカリストであり、名パフォーマー(表現者)だ。
「Space Oddity」映画「2001年宇宙の旅」の原題である「Space Oddity」。
のちのボウイがSFチックなイメージでコンセプトアルバム作ったり、「Station To Station」など宇宙を扱うことが多いので、この曲もそういうイメージがあるが、実に静かな名曲で、むしろブリティッシュトラッドのアコースティックな雰囲気にあふれている。
「Unwashed and Somewhat Slightly Dazed」ボウイのボーカルはロックだが、バッキングはブルージーなアコースティック。
私はこういうストレートなボウイも好きだ。
「Don't Sit Down」Beatlesがお遊びで演ったやつをアルバムに入れたのと同じような、スタジオで遊んでいるのをアルバムに入れた(んだと思う)
「Letter To Hermione」ボウイ様の甘いボーカルが堪能できるアコースティックバラード。
ギターの演奏にちょっとサイケな香りも漂っている。
「Cygnet Committee」10分近い大作。
「ジギー」につながるちょっとアンニュイな、UK特有の陰のある曲。
思いを込めて歌いこんでいる感じが素敵だ。
「Janine」前作が熱かった分、軽く聞けるナンバー。
自分でコーラスしてハモっているのだが、そういう何気ないところにもうまさを感じる。
「An Occasional Dream」かるいアコースティックナンバーだけど、ちょっとサイケなエッセンスが混じっている。
後年、グラムロックにくくられるボウイだが、サイケデリックに進むのもありだったかもしれない。
(ここでいうサイケはシド・バレットのような感じ)
「Wild Eyed Boy From Freecloud」歌詞のことは良くわかっていないのだが、雰囲気はすごくドラマチック。
ミュージカルのクライマックスのような感じ。
「God Knows I'm Good」ブリティッシュなトラッド。
「神は知っている」なんてタイトルがついてるが、ゴスペルっぽい感じはなく、サビの変調子がおしゃれ。 最初にアルバムを聞いたときに「Space Oddity」とともに気に入った曲。
「Memory Of A Free Festival」オルガンにのせて、情感いっぱいに歌い上げるボウイ。
後半、コーラスが加わって盛り上がっていくところはボウイ版「Hey Jude」というところか。
ぎりぎりフラットしそうな高域で声を絞り出す感じが、すごく人間味がある。
やがて宇宙人を演じるボウイだけに、そんなことを感じたりするんだろう。
カルト度 80% テレビで気になった人はぜひ。
<MANU.s Main Page>
<index>
Recent Comments