Yes「Going For The One」
先日、広島まで出張するときにMP3プレーヤーが見当たらなかったので、ラックから数枚CDを抜き出して持っていった。
そのうちの一枚が、1991年の来日したときの音源。
(なんと70年代YESと80年代YESの融合、8人YESのツアー)
このツアーは大阪城ホールまで見に行ったのと同じセットリストなので思い出抜群です。
そのツアーでアンコール前の締めに演奏したのがこのアルバムラストの「awaken」
実は、このアルバムはあまり聞き込んでいなかったので、ライブのときはどの曲かわかっていませんでした。
まさかこの時期の曲をハイライトに持ってくるとは思ってませんでしたからね。
そんな思い出はありますが、YESの歴史の中ではあまり評価していないアルバムです。
リック・ウェイクマンが復帰したアルバムだけど、ソングライティングには関わっていないため、どうしてもお客さん状態。
まぁ、リックが戻ったって事で「こわれもの」や「危機」と比べてしまうこちら側の問題もあるんですけどね。
あと、下のほうのジャケットを比べてもらったらわかるけど、このアルバムまでの幻想的なロジャーディーン作のジャケットから、ヒプノシス作のジャケットに変わったのも違和感があるかな。
「Going For The One」初期のYESを思わせるようなシンプル(?)ロックンロール。
前作「Relayer」のパトリックに対抗するかのようなきらびやかなキーボードとはじけるピアノサウンドが融合しているし、ギターも結構高音中心の処理をしている。
そこにジョンのハイトーンボイスが加わり、ハイテンションという感じの緊張感がある。
そのまま浮遊して剥離してしまいそうなところを、しっかりとベースで大地につなぎとめるあたりがクリスのすばらしさか。
リックに戻った状態で「Relayer」風サウンドを再現しようとした作品。
(作曲時点ではパトリックだったから仕方ないかな)
「Turn Of The Century」教会音楽風の静かな展開。
ジョンのボーカル主体のところに、スティーブのアコースティックギターが彩りを添えている。
これもまた、静の部分のYESらしい作品
「Paralells」リックのオルガン風サウンドが荘厳な幕開けを演出し、自由奔放に駆け巡るスティーブのギターと、ゴリゴリのクリスのベースが絡み合う。
この時期のライブのオープニングを飾っていた名曲。
ただ、なんというか…じっくり聞いていると疲れを感じる。
同じハイテンションでも「Relayer」のときと違い、集中する緊張感ではなく、拡散する感じがするからだろうか。
「Wonderous Stories」ジョンのファンタジー路線の一曲。
きれいな曲で名曲ではあるが…YESである必要があるのかどうか。
「Fragile」のころ、アルバム内に各メンバーが作曲し主導権を持った作品をちりばめていたが、この曲は多分ジョンが主導で他のメンバーがお付き合いしたんじゃないかな、と。
「Awaken」「海洋地形学」に通じるような大作。
しかし、イメージ的に盛り上がりにかけるし、冗長にさえ思えてしまう。
よく聞くとスティーブのギターも張り切っているし、クリスのベースも活躍しまくっている。
が、このアルバムでいくと、ずっとスティーブは曲調かかわらず張り切って弾きまくっているし、クリスも自己主張しまくっている。
それがアルバムの最後でさらに15分間も一曲として聞くものにテンションを要求するのだから…
定番度 50% もはや重要な位置にあるとは思えないが、かつて1位をとったアルバムとして…
Going For The One - Yes LP/CD/MP3
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