Tears For Fears「The Hurting」
Coldplayの新作を聞いてから、そばらくそのアルバムばかり聞いているが、そうするとこのブログがすすまないので、周辺的なものを…と考えた末、80年代に音作りで空間的な広がりを表現し深い音世界を作っていたTears For Fearsを。
Tears For Fearsは最初はそんなに関心がなかったが、ラジオやテレビでヒット曲の数々を耳にすることはあった。
強く関心を持ったのは、「Sowing The Seeds Of Love」を聞いたときに、ジョン・レノンのテイストを感じ(というか、I Am the Walrus のアレンジ手法そのまま)、そのリスペクトぶりに一気に好きになったとき。
それから過去のアルバムも買い集めていくようになり、その音の世界に魅了された。
今回紹介するのは、彼らのデビューアルバム「The Hurting」
「Hurting」パーカションの試し打ちのような感じから徐々に音数が増えていき、シンセとギターがイントロを奏でだす。
デジタル特有の奥行きのある音世界、そこにローランド・オーザバルのこもった粘っこい歌い方がマッチして深い世界を作り出している。
途中の展開の劇的さも新人らしからぬ大胆なもので、
「Mad World 」デジタルビート+デジタルサウンドなので冷たい印象なのに、妙に惹きつけられるのはメロディセンスの良さか。
間奏などはとても無機質に感じるから、ローランドの歌の暖かみがその源かもしれない。
「Pale Shelter」アコギのアクセントが印象的。
デジテルとのバランスが上手い。
間奏以降のカート・スミスのベースプレイはなかなかグルーブしてて良い。
「Ideas as Opiates」ちょっとテンポを落とし、デジタルパーカッションとピアノにボーカルを乗せる静かなバラード。
パーカション無しのバラードでも通用する曲だと思うが…まぁ、このデジタルとの融合が彼らの深みを作り出しているし、このパターンを深めて次のアルバムのヒットにつながったから…。
後半のいろんな楽器がモザイクのように絡み合う感じは好き。
「Memories Fade」ローランドのボーカル力が魅力の曲。
今となってはバッキングが古いが(そりゃ80年代だもんなぁ)このすかすかな所にエコーで響かせる世界は定番だったよなぁ。
「Suffer the Children」 アルバムの中に置くとちょっと異質なメジャー調のエレクトロ・ポップ
彼らの1stシングルでもある。
「Watch Me Bleed」ちょっとアップテンポの曲だが、デジタルビートがディスコっぽいのもこの時代仕方ないかな。
「Change」シンセのアルペジオ、ファンキーなベース、ギターのアルペジオ。
様々な音が絡み合うサウンドコラージュのようなバッキングが素敵なヒット曲。
惜しむらくはデジタルドラムの安っぽさか…
「Prisoner」ちょっとダークな曲。
無機質感と不響感が味を出している
「Start of the Breakdown」静かな曲調に、ちょっと熱いボーカル。
余韻を残した少し不安感のある状態でのエンディング曲。
定番度 65% 80sコンピ盤などでこのバンドに興味があればどうぞ
(輸入盤が結構安くででてるから、この値段なら”買い”かもね)
The Hurting - Tears For Fears CD/MP3
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