The Rolling Stones「Exile On Main St.」
BEATLESでいえば「White Album」に匹敵するLP2枚組みの大作。
同じように、1枚ものでは収まりきれないようなバラエティさに富んではいるが、ブルース・ソウル・ロックンロール・ゴスペルというブラックミュージックのルーツを遡るような所でまとまっている。
一発の魅力、一聴で引き込まれるような魅力のある曲と言う点では、「Beggar's Banquet」「Let It Bleed」には劣るが、総合力と言う点で多くの人が「歴代No.1」と評価するのもうなづける。
次のステップのために、自分達の音楽のルーツを訪ね、相場を固める作業だったのかもしれない。
「Rocks Off」オープニングをかざる、シンプルなロックンロール。
しかし、ホンキートンクなピアノとホーンセクションがアクセントをつけている。
間に少しダークな感じのフレーズを入れるあたりが渋い。
「Rip This Joint」ピアノメインのパブ・ロック
もうHappy気分満載。
「Shake Your Hips」さらにこれでもかとファンキーナンバーで追い討ち。
じつはこの曲は先に「West Road Blues Band」のバージョンで聴いていたから、こちらはちょっと大人しめのイメージ。
「Casino Boogie」ちょっと軽い目の、タイトルどおりのブギナンバー。
「Tumbling Dice」おそらくこのアルバムで一番有名な曲。
ライブでも定番のこの曲は、ミックの歌や女性コーラスもいいんだけど、バックで自由に弾きまくってる2台のギター(この頃はキースとミック・テイラーかな)が素敵。
「Sweet Virginia」スローなブルースで小休止。
「Torn And Frayed」続けてスロー・ブルース。
この辺の流れは、ライブでのアコセッション的な位置かな。
「Sweet Black Angel」アコギとパーカションのシンプルなナンバー。
ある意味、ミニマル的と言おうか…
こういうバックが大人しい曲でもミックの存在感でしっかりした曲になる。
「Loving Cup」ピアノにアコギがからむ小作品的な雰囲気で始まるが、中間に少し展開を入れて、徐々に盛り上がってくる。
気が付けば荘厳なナンバーになっている。
「Happy」キースのボーカルによる名曲。
ギターリフも渋いし、2台のギターの絡み具合も抜群。
「Turd On The Run」ギターフレーズがひたすらミニマルで、そこにハーブやボーカルが乗っかってくる。
ストリートで酔いどれたちがひたすら演りまくって踊り狂ってる感じ。
だから、ここでもフェードアウトで終わりがない。
「Ventilator Blues」ちょっと重たいブルース。
いままでが明るい流れだったんで、余計にその重さが際立つ。
「I Just Want To See His Face」ちょっと雰囲気を変えて、なんというかアフリカンな感じのナンバー。
ブルースというルーツを追求していく中で生まれた感覚なんだろうか。
「Let It Loose」ギターアルペジオがきれいなバラード。
ミックのボーカルの奥深さを満喫できる。
「All Down The Line」いかにもストーンズらしいロックナンバー
「Stop Breaking Down」つづいては、これもストーンズらしい、懐かしい感じのブギ・ナンバー。
Zepやクラプトンなんかにも通じる、いかにもUKの消化したブルースって感じ。
「Shine A Light」盛り上がった後は、静かにスローバラード。
いかにもって感じのオルガンとオブリガード満載のギター。
ちょっとベースが強いかなって感じもあるけど、こもった感じが教会風を醸し出している。
「Shine A Light On You」ってコーラスも、ゴスペルっぽい。
ちなみに、最近作られた映画のタイトルはこの曲のもの。
「Soul Survivor」オーラスで、カーテンコール的なド派手なナンバー。
ミドルテンポのゴスペルというか、ミュージカルのエンディングと言おうか。
ピアノやコーラスが前面に出ている分、ストーンズと言うバンド色が薄くなってしまった。
よし聴こう!と意気込んで流すことはあまりないアルバムですが、いつ聴いても安心して聴ける一枚。
定番度75% - これからStonesを聞こうと思う人は避けた方がいい。大人になってからじっくり聴けばいい。
Exile On Main St. - The Rolling Stones CD/MP3
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Comments
14です。僕はこのアルバムからはいりました。
良いですね。
今日”Let it bleed"図書館で借りてきました。
Posted by: wktk | September 19, 2008 10:16 PM
「wktk」さん、よーこそ。
>14です。
14歳って事ですか?
若い人がこのアルバムを気に入ってくれるなんてうれしいですね。
私はその歳のころは分かりやすい「Beatles」一辺倒でしたから。
ぜひ、Stonesのほかのアルバムも体験してください。
Posted by: MANU. | September 20, 2008 10:30 AM