David Bowie「The Rise & Fall Of Ziggy Stardust & The Spiders From Mars」
アルバムタイトルは「The Rise & Fall Of Ziggy Stardust & The Spiders From Mars」長いもんで、日本では「ジギー・スターダスト」と短縮されていた。
このアルバムもとっくに紹介してなくちゃいけない一枚。
実はDavid Bowieは「Heros」をリアルタイムで聞いて好きになり、その後「Stage」というライブアルバムを聞き、このアルバムよりも先にZiggyの曲は何曲か聴いていた。
しかし、アルバムとして聞いた時、それらのヒットナンバーも含めて、大きな流れの中で輝く曲たちに惹かれた。
年を重ねて聞くとさらにその渋さに驚く。
間違いなく、ROCKの歴史に残る一枚。
「Five Years」シンプルなドラムが導入、そこにピアノ・ベースとボーカルが加わる。
たったそれだけなのに、荘厳な雰囲気が醸し出されるのはボウイの表現力ゆえか。
シングルやヒットソングになるようなものじゃなく、コンセプトアルバムのオープニングという位置ながら、このアルバム全てを表現しているような深み。
ラストの「Rock & Roll Suicide」と対で、きらびやかな世界の入口と出口を作り出している。
この一曲だけで名盤になることを決定付けている。
ラストの切ないギターの音も余韻を引き出している。
「Soul Love」前曲のドラムからつながるようにリズムセクションが入り、少し作った声でボーカルが始まる。ライブアルバムでは単独でも聞ける曲だと思っていたが、「Five Years」からの流れだと、ナチュラルな叫びと、ちょっと気取った風な歌い方との対比で面白い。
「Moonage Daydream」ギターがロックしている、バンドサウンドのナンバー。
いかにも70年代のロックナンバーだが、今聞いても色あせた感じがしない。
「Starman」この曲も単体で聞いてもすばらしいけど、アルバムの中で前半のハイライトとして聞くとなお良い。
この粘っこい声質は、男が聞いてもセクシーだ。
「It Ain't Easy」ほかとはちょっと雰囲気の違う単調な曲調だが、ボーカルが変化をつけてミュージカル的なアクセントをつけている。
ヒット性はないのだが、結構好きな一曲。
「Lady Stardust」このアルバムの中ではバラード的な役割を持っている曲。
歌いこむボウイの歌唱力はさすがだ。
「Star」バラードで一息ついた後、ラストに向かってスパートしていく。
ボウイ流のロックンロールナンバー。
ひたすらかっこいい。
「Hang On To Yourself」こちらはバンドがハードな分、ちょっとボーカルを押さえ気味なロックンロール。
この2曲のエネルギーが、次のクライマックスに導いていく。
「Ziggy Stardust」オープニングのギター、シンプルなドラム、おとなしめだがしっかり聞かせるベース…そして、七色のボーカルを見せるボウイ。
情景が浮かんできそうな、情感たっぷりのボーカルは最高だ。
「Suffragette City」前曲で恍惚に達したものを、さらに揺らすロックンロールナンバー。
「Rock & Roll Suicide」最初は、単にアルバムラストを飾る佳曲だと思っていた。
しかし、何度も聞くうちに、グランドフィナーレを飾る大げさなものだと思うようになってきた。
さらに聞くうちに、魂の叫びに聞こえてきた。
「You Are Not Alone」
この曲を知るより前に、スピルバーグの映画でこのフレーズを知っていた。
しかし、実際は映画よりはるか前にボウイはこのメッセージを歌にしていた。
間違いなく、この曲があるからこのアルバムが名盤になった。
去年、表紙の「ロック名詩100選」というタイトルと、ボウイの表紙につられて何年ぶりかでrocking'onを買った。
そこには数あるボウイの曲の中からこの「Rock & Roll Suicide」が取り上げられていた。
シングルにもなっていないこの曲がだ。
ジギーというロックスターを演じてきたボウイがアルバムの最後で叫んだ歌。
しみるなぁ…
定番度 95% Rockの歴史的名盤
The Rise & Fall Of Ziggy Stardust & The Spiders From Mars - David Bowie LP/CD/MP3
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