Led Zeppelin「Led Zeppelin」
前回書いた「The Raconteurs」をヘビーローテーションにしてから、気分は原点回帰していき、パソコンにZepを全部取り込んで繰り返し聞いている。
ある程度気分が落ち込んでいるときはヒーリング系がいいのだが、とことんの時はハードなものに惹かれてしまうんだろうか。
で、今までZepは「Ⅲ」と「Physical Graffiti」の2枚を紹介している。じゃあ次は…ここで素直(?)に「4シンボルズ」にいかずにファーストの「Led Zeppelin」で。
Zepのリアルタイムで買ったのは「In Through The Outdoor」な世代だから、当然過去のアルバムは遡って聞いてるんだけど、このアルバムをどの順番で聞いたのかは覚えていない。でもおそらくはライブアルバム「Song Remains The Same」よりは後で、知っている曲は「Dazed And Confused」くらいだったと思う。
バンドのファーストアルバムと言うのは、当然力が入ったつくりだろうし、先にシングルでデビューすることは多かっただろうけど、ファーストアルバムの1曲目というのは格別の意気込みがあると思う。このアルバムの1曲目「Good Times Bad Times」はまさにそんな1曲で、今なおハードロックのお手本になる曲。
単純なギターリフに絡む重たいバスドラ、グルーブ感いっぱいのベース、おそらく単純なユニットだろうにやたらと手数の多いドラム。多少、ギターのオーバーダブがあるだろうけど、4ピースでこの分厚さは…
ブルースバンドであり、トラッドバンドでもあるのだが、この曲でハードロックバンドの印象が作られ、さらにはヘビーメタルの礎が築かれた。
私が若い頃は、他にはおなじようにハード・グルービンな7曲目「Communication Breakdown」と位がお気に入りで、他の曲(Dazed And Confusedでさえ)面白みがないと思っていたのだが、年を重ねるにつれ、ブルージーな曲も好むようになってきた。
ブルージーと言ってもやたらと重たい「Babe I'm Gonna Leave You」ロバート・プラントのボーカルはハードな曲よりもこういう情感漂うもののほうがすばらしい。
ブルースなのにやけにドラムが前に出てる「You Shook Me」オルガンやブルースハープのソロは別として、ギターもベースもオブラートに包まれたような(ディレイ系)音作りなのに、ドラムだけ音がシャープだからか。最後のギターとボーカルの掛け合い…いくら再結成してもこれはもう出来ないだろうな。
そしてある意味ハイライトの「Dazed And Confused」全曲の音が消える前にフィルインしてくるジョンジーの有名なベースライン。とにかく、音圧の出し入れが絶妙で、ボーカル・ギター・ベース・ドラムが重なって大きなうねりになったり、重ねないのに音数の組み合わせで緊張感を持たせたり、4人で作っているとは思えない深さ。
プログレなみの構成力と、ハードロックの勢い…これがヘビメタの原型じゃないだろうか。
前曲の張り詰めた空気から一息つく「Your Time Is Gonna Come」オルガンが荘厳な雰囲気をだしている。でもボーカルが力はいりすぎているところがZepがZepたるところか。
アコースティック・インストの「Black Mountain Side」はその後ジミーがエスニック・中東テイスト趣味の一端を覗かせる小作品。
ストレートなロック「Communication Breakdown」を挟んで、後半のハイライト、ブルースナンバー「I Can't Quit You Baby」へと続く。いかにもなベースライン、いかにもなギターフィルイン、シンプルな(でも重たい)ドラム。それらをバックにブルージーなボーカルがハイオクターブシャウトまで響き渡る。中間のギターソロも決してうまいと言えない手癖中心だし、「予定通りなの?」って突っ込み箇所もあったりするが、それがジミーペイジ。”味”で勝負です。
ラスト「How Many More Times」グルービーなベースリフにギターリフが重なり、ヘビーなドラムが絡んでくる。いかにも簡単にコピーできそうなフレーズなのに、彼らでないとこの雰囲気が出ない。もっとも、このボーカルは絶対に真似できないだろうけど。
ファーストアルバムにしてすでに完成形。リアルタイムでこのアルバムを手にした人はさぞやぶっ飛んだろう。2枚目以降はこのスタイルを深めていくだけだったんだろう。
定番度 85% ハードロックのリズム隊を担当する人はぜひグルーブのお手本に
Led Zeppelin - Led Zeppelin LP/CD/MP3
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