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April 30, 2008

The Charlatans「You Cross My Path」

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前回に引き続いての「The Charlatans」
これはまだ未発売(5/27予定)の新譜。
なぜ持っているかというと、彼らの試みで「全曲ネットで無料配信しますよ」という企画で手に入れたもの。
その少し前にはRadioHeadが「ネット配信するので好きな値段つけて買ってください」というのがあったが…。

実は、タダで手に入れたってことであまりじっくりと聞いていなかった。
BGMで流しておけば、さらっと聞けていたってこともある。
しかし、今回別のCDをレビューしたんで、こちらもレビューしようとじっくり聞いてみた。
これが…すっかりはまってしまいそうだ。


いつも1曲目はひねってくるCharlatansにしては素直な、シンプルなROCK。
90年代のリメイクのような、ブリットPOPというか、マッドチェスター節というか…まさにUKという感じの「Oh! Vanity」

いきなりベースのうねりから入る、2000年代のCharlatansはこのテイストだ…と思いつつ聞いているうちに、60年代・70年代の雰囲気に徐々に侵されていく…うーん、やはり一筋縄ではいかない「Bad Days」

彼らのマジックに翻弄されているうちに始まる3曲目はいきなり60年代テイストのギターとオルガン…「Mis-takes」

何処まで行くのかと思ったら、ちょっとひねってきました。まぁ60年代テイストと言えなくもないけど、ベースのグルーブ具合が”今”のUKテイストのものですね。
今のところ一番のお気に入りです「The Misbegotten」

ここまで来ると、今回のアルバムは60年代へのオマージュってことですかね。
なんとなくの翳り具合がだんだん心地よくなってきます「A Day For Letting Go」

古くて新しい…気が付けばこの空気の虜になってます。
アルバムタイトルと成るにふさわしい傑作。
疾走感・グルーブ・タイトなドラム、かっこいい!「You Cross My Path」

前曲からの疾走感を引き継ぎ、飛ばし続けます「The Missing Beats」

オープニングから走り続けてきたところに、いきなりディープな一発。
この曲だけなら違う評価も出来るかもしれませんが、この流れでこの曲を出されると「サイケデリック・ナンバー」としか表現できません。もちろん、60年代の終わりから70年代初めの空気ですね。
低音を埋めるピアノの音がインパクトあります「My Name Is Despair」

終盤で軽い曲を挟みましょうかって感じで。
ベースのグルーブは健在「BIRD」

ラストも徹底した味付け。
一番90年代の彼らに近いけれども、このアルバムを通しての雰囲気に違和感を与えない仕上がり「This Is The End」

これは原点回帰なのか、それとも新境地開拓なのか…ライブで聞いてみたくなってきた。

定番度 85% (タダでダウンロードするなら100%の価値あり)

You Cross My Path - The Charlatans MP3


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April 29, 2008

The Charlatans「Up At The Lake」

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昨日のブログに続いて、今回届いたもう一枚はThe Charlatansの「Up At The Lake」
アルバムごとに前作と違う側面をだし、いい意味で裏切り続けてきた彼らの作品、今回は前作の「Wonderland」のFunky路線から一転、原点に帰るような爽やか目の軽い作品。しかし、独特の世界観は失われていないところが90年代から生き残っているよさだろう。
TRAVISはいつでも「裏切らない」でいつでも平均点以上だが、彼らは裏切りながらも常に平均点以上。

60sチックな、それでいて「Charlatansらしい」としか言えない軽快なギターポップでありパワーポップナンバーのアルバムタイトルナンバー「Up At The Lake」

ちょっとFunkyテイストなところが、前作からの流れを汲んだ感じ。前作では裏声を多用してたけど、それを避けてテイストだけ残したような「Feel The Pressure」

甘~いバラード。ギターアルペジオの音がシンプルで、古いテイストを残しながら、奥の方のスライドギターで厚みを増しているところが憎い。変わったことはしてないのに、深みがある「Cry Yourself To Sleep」

普通の「Charlatansらしい」ミドルナンバーっぽいのに、なにか引き込まれるものがあるのは…コーラスの入り方がBeatlesぽいからか?「Blue For You」

ちょっと哀愁色が強いが、前作までの同じような曲調より力が抜けて「らしくない」。しかし、充分通用するバラード「Loving You Is Easy」

「Try Again Today」「Apples and Oranges」と後半になって佳境となるのだが、いつもなら盛り上がってくるところでも力の抜けた爽やかさが貫かれている。
ベテランの味ともいえるし、逆に物足りなさに感じることもある。
でも、好きか嫌いかだと、間違いなく好きな音だ。

アルバムラストを飾る小作品…それがなぜか余韻を残してくれる素敵な作品「Dead Love」

定番度 80% - ベストじゃないけど不可ではない

Up At The Lake - The Charlatans CD/MP3


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April 28, 2008

TRAVIS「12 Memories」

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子どもの誕生日プレゼントを買うためにamazonを利用。
ついでにと探していたら、欲しかった安く売っているCDを2枚発見。
そのうちの一枚がTRAVISの「12 Memories」
その前に発売された3枚は全部持ってるが、この一枚は買い損ねていた。
(気に入ったアーチストものは新譜が出るごとに買っていたバブリーな時代が終わってたしねぇ…)

彼らの魅力は、良くも悪くもその哀愁感ただよう歌メロディ。
そして、そのメロディを引き立たせるバンドサウンド。
良い意味ではバランスが取れている、悪い意味では突出したものがない。
すべての曲が平均点以上なんで、安心して聞けるが、その分さらっと流れて言ってしまう。
どのアルバムを出してきて、どの部分から聞き出してもOKであるという…

でもそれが嫌いじゃないのがTRAVIS節か。

実は彼らの1stアルバムは”熱い”ものがあった。まるで別バンドかと思わせるくらい。(詳しくは前出のレビュー
それも好きではあるけど、こういう哀愁路線ができるバンドは貴重じゃないだろうか。

お勧めは、定番的なTravis節の「Quicksand」「Re-Offender」「Love Will Come Through」
アルペジオとコーラスワークが中期Beatlesを思わせる「The Beautiful Occupation」
彼らにしてはちょっと異質な、わざとアンサンブルを崩し味を出した「Mid Life Krysis」
哀愁を通り越してけだるさにまで到達したことが、かえってロックっぽくなった「Happy to Hang Around」

定番度 60% ついでがあればお試しください。
(今なら800円台で売ってます)

12 Memories - TRAVIS CD/MP3

1stアルバムも廉価ででてるようなのでこの機会にどうぞ


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April 27, 2008

Led Zeppelin「Led Zeppelin II」

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前回にひきつづきZep。ほんとに好きなんです。一度聞き出すと、何回繰り返し聞いても飽きが来ない。

オープニングは文句なしのへビーナンバー「Whole lotta love」
ギターのリフのベースが絡み、ロバート・プラントのハイトーンボーカルが加わる。
そこにドラムが加わるだけなのに、単純なリフが最大のグルーブを築く。ちょっとサイケテイストのブレークののち、ジミーのギターソロへ。この曲を聞けば聞くほど、リフをうまく使うバンドだと確信できる(たとえそれがパクリのリフであろうと)

つづいてミドルテンポのブルース「What is and what should never be」ブルースナンバーにおけるジョンジーのベースプレイはずっと私のお気に入り。軽くブルースタッチのソロの後に盛り上げていくジミーのギターソロも秀逸だし、最後にハードなリフを盛り込むだけでただのブルースナンバーではないZep節を作り出している。ステレオでの左右の音の振り分けは、今でこそ普通だが、この頃は驚きだったんじゃないだろうか。

次はミドルテンポのリフからハイスピードソロへの突入が印象的なヘビーナンバー「Lemon song」ジョンジーのベースプレイもグルーブしまくってる。

バラードの「Thank you」こんなきれいな曲も作れるのかと…(笑)アルバムを買った当初、一番最初に気にいったのはこの曲だった気がする。アコギのソロは頑張ってコピーしましたね。それにしてもバラードでもこれだけのプレイをするこの頃のジョンジーって…

LPではサイドBに移って「Heartbreaker」「Livin' lovin' maid (she's just a woman) 」ヘビーなリフナンバーと軽快なロックナンバーのメドレー。当時エレキを買いたての高校生にとってはリフの練習材料になる格好の曲。
同じような流れの「フォーシンボルス」オープニング2曲(「Black dog」「Rock 'n' roll」)よりよっぽどとっつきやすかったですね。もっともギターソロはとても追いつけませんでしたが。
エレキの入り口はDeep Purple(もちろん「Smoke On The Water」 笑)でしたが、深めてくれたのはこのアルバムでしたね。

LPではこの前の2曲ばかり繰り返し聞いていたのでそんなに聞き込んでませんでしたが、次の「Ramble on」も佳曲。アコギとエレキの組み合わせは次の「Ⅲ」で花ひらきますが、この曲が予告編的なもんじゃないでしょうか。

「Moby dick」は「永遠の歌」でのドラムソロの曲というイメージが強いのですが、このへビィリフもかっこいいですね。アルバムでは控えめのドラムソロですが、やはりボンゾのドラミングは並ではありませんね。彼にツインドラムやツインペダルを与えたら、どれだけすごいことになってたでしょうかね。この曲はリフ中心なのでジョンジーのベースは基本的なお仕事。

ラストを飾る「Bring it on home」ブルースハープ・シャッフルギター・控えめなボーカル…いわゆるベーシックなブルースナンバーで「帰っておいでよ」と…そんな大人しく終わるはずはなく、一転してへビィなギターとドラミング(笑)

ブルースブルースした曲はなく、リフを中心にしたへビィなZep。1stで見せたへビィメタルの片鱗を昇華させて、地位を確立したのがこのアルバム。
ジミーのギター、ボンゾのドラムがへビィさのベースだと思ってたけど、あらためて聞き直してみてジョンジーのベース・グルービンが肝だったんだなと。
それくらい、このアルバムのジョンジーはすばらしい。

定番度100% ギターキッズは聞くべし!

Led Zeppelin Ⅱ - Led Zeppelin  LP/CD/MP3


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April 25, 2008

Led Zeppelin「Led Zeppelin」

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前回書いた「The Raconteurs」をヘビーローテーションにしてから、気分は原点回帰していき、パソコンにZepを全部取り込んで繰り返し聞いている。
ある程度気分が落ち込んでいるときはヒーリング系がいいのだが、とことんの時はハードなものに惹かれてしまうんだろうか。

で、今までZepは「」と「Physical Graffiti」の2枚を紹介している。じゃあ次は…ここで素直(?)に「4シンボルズ」にいかずにファーストの「Led Zeppelin」で。

Zepのリアルタイムで買ったのは「In Through The Outdoor」な世代だから、当然過去のアルバムは遡って聞いてるんだけど、このアルバムをどの順番で聞いたのかは覚えていない。でもおそらくはライブアルバム「Song Remains The Same」よりは後で、知っている曲は「Dazed And Confused」くらいだったと思う。

バンドのファーストアルバムと言うのは、当然力が入ったつくりだろうし、先にシングルでデビューすることは多かっただろうけど、ファーストアルバムの1曲目というのは格別の意気込みがあると思う。このアルバムの1曲目「Good Times Bad Times」はまさにそんな1曲で、今なおハードロックのお手本になる曲。
単純なギターリフに絡む重たいバスドラ、グルーブ感いっぱいのベース、おそらく単純なユニットだろうにやたらと手数の多いドラム。多少、ギターのオーバーダブがあるだろうけど、4ピースでこの分厚さは…
ブルースバンドであり、トラッドバンドでもあるのだが、この曲でハードロックバンドの印象が作られ、さらにはヘビーメタルの礎が築かれた。

私が若い頃は、他にはおなじようにハード・グルービンな7曲目「Communication Breakdown」と位がお気に入りで、他の曲(Dazed And Confusedでさえ)面白みがないと思っていたのだが、年を重ねるにつれ、ブルージーな曲も好むようになってきた。

ブルージーと言ってもやたらと重たい「Babe I'm Gonna Leave You」ロバート・プラントのボーカルはハードな曲よりもこういう情感漂うもののほうがすばらしい。
ブルースなのにやけにドラムが前に出てる「You Shook Me」オルガンやブルースハープのソロは別として、ギターもベースもオブラートに包まれたような(ディレイ系)音作りなのに、ドラムだけ音がシャープだからか。最後のギターとボーカルの掛け合い…いくら再結成してもこれはもう出来ないだろうな。

そしてある意味ハイライトの「Dazed And Confused」全曲の音が消える前にフィルインしてくるジョンジーの有名なベースライン。とにかく、音圧の出し入れが絶妙で、ボーカル・ギター・ベース・ドラムが重なって大きなうねりになったり、重ねないのに音数の組み合わせで緊張感を持たせたり、4人で作っているとは思えない深さ。
プログレなみの構成力と、ハードロックの勢い…これがヘビメタの原型じゃないだろうか。

前曲の張り詰めた空気から一息つく「Your Time Is Gonna Come」オルガンが荘厳な雰囲気をだしている。でもボーカルが力はいりすぎているところがZepがZepたるところか。

アコースティック・インストの「Black Mountain Side」はその後ジミーがエスニック・中東テイスト趣味の一端を覗かせる小作品。

ストレートなロック「Communication Breakdown」を挟んで、後半のハイライト、ブルースナンバー「I Can't Quit You Baby」へと続く。いかにもなベースライン、いかにもなギターフィルイン、シンプルな(でも重たい)ドラム。それらをバックにブルージーなボーカルがハイオクターブシャウトまで響き渡る。中間のギターソロも決してうまいと言えない手癖中心だし、「予定通りなの?」って突っ込み箇所もあったりするが、それがジミーペイジ。”味”で勝負です。

ラスト「How Many More Times」グルービーなベースリフにギターリフが重なり、ヘビーなドラムが絡んでくる。いかにも簡単にコピーできそうなフレーズなのに、彼らでないとこの雰囲気が出ない。もっとも、このボーカルは絶対に真似できないだろうけど。

ファーストアルバムにしてすでに完成形。リアルタイムでこのアルバムを手にした人はさぞやぶっ飛んだろう。2枚目以降はこのスタイルを深めていくだけだったんだろう。

定番度 85%  ハードロックのリズム隊を担当する人はぜひグルーブのお手本に

Led Zeppelin - Led Zeppelin LP/CD/MP3


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April 10, 2008

The Raconteurs 「Consolers Of The Lonely」

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このブログではめずらしいUSもの。
そして珍しいとれたてほやほやの新譜レビュー。
知人から借りてMP3化していたものを、出張の際にじっくり聞いてツボにはまった。

「The Raconteurs」は「White Stripes」のJack Whiteを中心にしたユニット。このアルバムは彼らの2枚目。前に聞いた1stや「White Stripes」のイメージからガレージロック・ガレージパンクだろうと思い込んでいた。しかしじっくり聞くとその先入観は裏切られ、ドラマティックな展開や飽きさせないバラエティさ溢れる曲が満載。

音作りや曲調から連載されるアーチストは「Led Zeppelin」「The Who」「Primal Screem」「Kula Shaker」…うーん、見事なまでに私の趣味に合ってる。ただ、これらのUKバンドにある”哀愁”加減がちと少ない。そこがUS気質なんだろうか。そう考えると次に思い浮かんでくるのが「Journey(1stや2ndのころ)」「Kansas」「Styx(”どもありがと”より前)というUSプログレ勢や「Rush」あたりか。
でもアコギの使い方なんかは、カントリーやアコースティック・ブルースをやってるジミー・ペイジの音なんだよなぁ…
もはやUSとUKはお互いに影響しあって、ボーダーがなくなってきてるのかな。

リズムに強弱つけた曲「Consoler Of The Lonely」、
ホーンをうまく使った曲「Switch And The Spur」「Many Shades Of Black」
ピアノをあえてチープな音にした曲「You Don't Understand Me」
アコのハードリフが印象的な曲「Top Yourself」「Rich Kid Blues」「Carolina Drama」
などいろんな味が楽しめる。しかし、基本はリフを中心にしたハードロックかな。それがZepやWhoを連想させるんだろうな。
お気に入りは「Consoler Of The Lonely」「Salute Your Solution」「Hold Up」「Top Yourself」

国内盤はまだ(5/28予定)で、現在は輸入盤だけ

定番度 80% 商業的にもROCK部門では今年のBEST10に入るんじゃないだろうか。


Consolers Of The Lonely - The Raconteurs MP3
映像はこちら


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April 05, 2008

Sigur Ros「Hvarf / Heim」

今回amazonで買おうと思ったのはこちらが本命。
sigur rosの昨年末に発売された最新アルバムで2枚組み。音源としてはすでに持ってたけど、今回バーゲンプライスだったので購入。最近の若い人は音源で持ってたらディスクは必要ないって派が多数らしいけど、昔の若い人はどうしてもCDを手元に持っておきたいんよねぇ。なので、音源は早めに手に入れて、安くなってるのを見つけたらCDを買うって方法になるかな。

このアルバムは新曲のスタジオ盤「Hvarf」と過去の曲のアコースティックライブ盤「Heim」という2枚の組み合わせ。と言っても、それぞれ50分ほどだから、長さ的には昔のレコード2枚組みって感じかな。

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まずはスタジオ盤の「Hvarf」

「Salka」ギターアルペジオから静かに始まるオープニング曲。最初聞いたときは地味に思えたが、聞き込むにつれ奥の方に流れるいくつものサウンドが深みを与えていることに気づき、気にいってきた。もう一枚のライブと比べて、やはりじっくりと音を重ねて深みを増している。

「Hljomalind」ベースのうねりがとても心地よい。ドラムもはっきりとしていて、彼らのきらびやかな面を見せる曲。

「I Gaer」一転してマイナーな曲。この曲単体としてはもうひとつに感じるのだが…でも同じようなものが続くより、ここでこの曲を挟むことでこの後のハイライトが活きてくるのかもしれない。

「Von」このアルバムのハイライトともいえる盛り上がりを見せる曲。楽器の重なりによる奥深さ、パーカッションによるメリハリ。ボウイングをつかったギターのアクセント。まさに白夜を思わせる映像的サウンド。

「Hafsol」ミニマルで淡々としたアコギ、ストリングスと轟音ギターの絡まり、ファルセットボイス、全曲からの盛り上がりを引き継ぎ、これぞ「Sigur Ros」という世界を完成させている。

Heimcoverdisco
次はライブ盤の「Heim」

「Samskeyti」延々と繰り返されるピアノフレーズ…あとはストリングスが絡むだけ…そう、それだけなのにこんなにも情景が浮かんでくる。このあとの曲たちにむけての、きれい過ぎるオープニングインスト。

「Staralfur」ライブレコーディングなので、すこしボーカルが弱い気がするが、ストリングスの分厚い音圧とピアノ低音の力強さが静かな曲にダイナミックさを加えている。一転他の楽器がブレイクして、ボーカルとギターだけになるところとのコントラストもバッチリ。

「Vaka」 アルバム「( )」に「untitled #1」として収録されている曲。アルバム「( )」の方はオープニング曲という事もあり、静かながらもはっきりとしたメリハリがあったが、こちらの方はひたすらじっくり静かに聞かせる。その分、ファルセットボーカルが際立ってきれいだ。

「Agaetis Byrjun」もともと好きな曲だが、このアコースティックライブバージョンはアコギとピアノの音がはっきりと分離していて、お気に入り。サウンドとしての深みはスタジオ版に軍配があがるが、こちらも充分素敵だ。

「Heysatan」こころもちゆったりめなアレンジが、全曲で盛り上がった気持ちを静かにクールダウンさせる。

「Von」最後の締めにして、パーカッションが加わる。しかしアタックは弱めで、それまでのピアノのアタックよりも目立たない。逆に徐々に音圧を増していくことで盛り上がりを演出している。

このアルバムと同時期に発売されたDVDがあるけど、先日YOUTUBEで全編視聴できるようにアップされた。とてもきれいですばらしい映像。残念ながらもう見れないけど、手軽に彼らの音楽に触れたい方は予告編だけでもどうぞ。
定番度 70% このここちよさは一度体験して欲しいですね。

Hvarf / Heim - Sigur Ros CD/MP3


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