Thompson Twins 「Into The Gap」
Thompson Twinsは個性的な3人のフロントマンが中心。いかにもこの時期のビジュアル系メインボーカルのお兄ちゃんと、サイドをスキンにした変形モヒカンのお姉ちゃん、そしてドレッドヘアーの黒人兄ちゃん。音もキーボード中心の軽いもの。でもそこに深みを与えるボーカルの妙がある。
1曲目の「Doctor Doctor」、この曲を初めてMTVで見た時にノックアウトされた。ビジュアル的にはいかにも80sのUKアイドルだし、音作りも基本的に当時の流行そのまま。しかしサビの「Doctor Doctor」と連呼するあたりに感じる力強さにしびれてしまった。ドラムビートは単調にリズムを刻むのではなく、パーカッション的なフィルインが中心。あとは低音から高音までシンセの電子音で埋め尽くされているのだが、ボーカルの上手さと効果的なコーラスが厚みに幅を加えている。かなりのヒットをしたと思う。
もうひとつのヒット曲が3曲目の「Hold Me Now」こちらはドラムはひたすらビートを刻むだけで、木琴がアクセント的なリズムをになっている。この曲もサビでのコーラスが素晴らしく、3人が一緒に歌う「Hold Me Now」の部分の幅と、同じサビでも後半に繰り広げられる掛け合いのファルセットのコーラスがとてもかっこいい。最初音で聞いていたときはモヒカンのお姉ちゃんだと思ってたら、PVで見るとドレッド兄ちゃんのファルセットだった。思い切りシャウト…ではないんだけど、とても力が入っていて好きだ。
あとラスト前の「Storm Of The sea」はシングルにはなっていないが、私の「Deep」琴線に触れる隠れた名曲。スローテンポのバラードはそのねっとりとしたボーカルの声質にマッチし、サイケな気分に浸らせてくれる。
他にも「Sister of Mercy」「No Peace For The Wicked」「The Gap」「Who Can Stop The Rain」など、どれもいい曲が揃ってる。彼らの一番油の乗ったアルバムだろう。
しかし、このトム・ベイリーにしろ、前に紹介したABCのマーティン、Duran Duranのサイモン、他にもSpandau Balettのトニーなど、こう鼻にかかった声の人がヒットしてたのか、あるいはヒットしてるからそういう歌い方にしてたのか・・・(笑)実に粘っこいよねぇ。やはりそのルーツはデビッド・ボウイ御大やブライアン・フェリーだろうかねぇ。
カルト度 75% 私は好きだけど、いまさらお薦めするのもなんだかねぇ…
Into The Gap - Thompson Twins CD/MP3注)国内版は曲順が違うようです。
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