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June 09, 2007

Dream Theater「Score」

Dream
仕事の関係で、amazonから商品を買う必要ができた。ついでだからなにかないかとバーゲンコーナーを物色していたら、このDream Theaterの「score」が目に入った。オーケストラとのコラボ。しかも3枚組みで1590円!!!迷わずカートにいれた。
正式タイトルは「Score: XOX - 20th Anniversary World Tour Live with the Octavarium Orchestra」

Dream Theaterはすでに何枚か持っている。最初から買おうとしていたわけではなく、タワレコなどで他のものを買ったついでに買ったような感じだ。私の好みはやはりUKよりなので、このアメリカン・プログレ・メタルはそんなに聞き込んでいない。しかし、スティーブ・ハウと競演した音源や、UKプログレの曲をカンコピするテクニックなどに注目はしていたし、実際買ったアルバムも外れではなかった。
オーケストラとのコラボといえば、やはりPink Floyd「原子心母」が思い浮かぶが、あちらは最初からオーケストラありきの作品。Metallicaの「S&M」も聞いているが、あれはオリジナル音源の方が良かった。さて、ドリムシはいかに…


Disk1
「The Root Of All Evil」この時点での最新アルバム「Octavariu」のオープニング曲でライブも幕をあける

「I Walk Beside You」つづいて「Octavarium」から Rushを思い起こさせる曲

「Another Won」バンド名が「Majesty」時代の初期の曲らしく、ひたすらバカテクを披露できるような曲。もっともオリジナル音源は聞いていないから、ライブ用に各メンバーのソロ的なフレーズを入れてるのかもしれない。しかし、ジョン・マイアングのベースはすごい。

「After Life」こちらは1st Albumからだが、前曲と同じ感覚の曲。この手が2曲続くと聞いていうるほうもとても忙しく感じる。展開はプログレっぽさもあるかも知れないが、やっぱりヘビメタだよなぁ。

「Under A Glass Moon」名作「Images & Words」の曲。このアルバムの曲になるとただテク見せまくりだけではなく、曲にも深みが加わってきてプログレっぽさが増してくる。雰囲気としてはメタル・クリムゾンの重さとリレイヤー・イエスのきらびやかさが同居したイメージもあるか。

「Innocence Faded」3rd「Awake」から。じつはこのアルバムは聞いてないんだよねぇ。ちょっと落ち着いた感じの曲かな。「ライブじゃボーカルの声がでてない」とかいろいろ噂は聞いてるけど、結構伸びのあるボーカルできてるじゃん。ギターソロのあたりはトーク・イエスのトレヴァー・ラヴィンを思い起こさせる感じ。

「Raise the Knife」 4thアルバムの頃に収録されたアルバム未発表の曲らしい。

「The Spirit Carries On」5th「Metropolis Part.2 : Scenes From A Memory」からの曲で第1部終了、デビッド・ギルモアを思わせるブルージーなギター、ロジャー・ウォーターズを思わせるささやくようなボーカル。つくづく、リスペクトするバンドの雰囲気を取り込む器用な人たちだ。でも決してパクリじゃなく、リスペクトだ。オフィシャルブートレグでは「狂気」をまるまる再現しているアルバムがあったりする。(他にもアイアン・メイデンやメタリカの再現物も)

ここまではバンドメンバーだけで、ある意味これだけでも充分元が取れるライブアルバム。

Disc2にうつり、ここからが目玉のオーケストラとの競演。
まずは40分超の「Six Degrees Of Inner Turbulence」
overtureとして、もともとオーケストラ演奏のパートでオーケストラをお披露目するのだが…なんとなく切れが悪い。買うときのほかの人のレビューでも結構酷評されていたがその気持ちもわかる。
しかしバンドが入ってからは当然主導はバンド演奏で、その隙間を埋めるような、あるいは各パートの幅を広げるような形でオーケストラが利用されている。
もともとプログレ的展開を楽しむ曲なので、メタルのような音圧で圧倒されるより、音の深さで迫られるのが功を奏している。
後半になるにつれて、その音の幅・深さと曲の盛り上がりがマッチしてき、どんどん引き込まれていく。結果的にはドラマチックな名演奏になったんじゃないだろうか。
「Vacant」「The Answer Lies Within」はバラード系の小作品(5分あっても小作品になっちゃう 笑)
「Sacrificed Sons」これもドラマチックな作品だが、Disc1にあった初期のものよりはかなり落ち着いた雰囲気になっている。オーケストラが入っているでいなのか、バンドとして成熟して作られた作品だからか…

Disk3
「Octavarium」再び30分近い大作。イントロから7分間はPinkFloydの「Shain On You Crazy Diamond」を思い出させる。これも木管などオーケストラの音を上手く利用している。ボーカルが入りだしてからの盛り上がる展開はなぜか中期のGenesisっぽい。中盤のギターソロ~キーボ・ベースユニゾンのあたりはYESだしなぁ…っていうか、私がUKプログレと比較しすぎなのか?
この曲のオリジナルアルバムは持っていないが、聞いてみたくなった。

アンコールは2nd「Images & Words」から「Metropolis Pt.1」この曲も展開はプログレっぽいのはプログレっぽいのだが、醸し出す雰囲気は初期のジャーニーかな。アメリカンプログレのはしり。オーケストラも出過ぎない程度にバックを固めてる。シンセ・ギターのユニゾン以降のソロ部分はやはりリレイヤー・イエスの緊張感を思い出す。

カルト度 60%  特別お薦めもしないし、止めとけとも言わない。ただかなり長い(苦笑)

Score: XOX - 20th Anniversary World Tour Live with the Octavarium Orchestra - Dream Theater CD/MP3

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June 07, 2007

Paul McCartney & Wings 「Band On The Run」

Band_onthe_run
今回、携帯に入れるプレイリスト作成時に新に「DEEP」カテゴリーに加えたくなった曲があった。このアルバムの「Nineteen Hundred And Eighty Five」だ。ピアノのリフが流れ続けるところに、ちょっとチープなシンセが加わる。ドラムとベースは淡々とリズムを刻んでいく。この曲を深いものにしているのはWingsのほかの曲のようなPOPじゃない、アクセントのきいたピアノプレイ(レディ・マドンナをマイナーにした感じ)。そしてポールのボーカルの上手さ(ホワイトアルバムの頃のような多彩さ)。そして曲構成の匠さ(しいて言うならユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー)。
そう、ここにはPOPじゃないポールがいる。

このアルバムを最初に聞いたのはFMラジオで、アルバム1枚まるまる流してくれた。それをラジカセで録音して繰り返し聞いてた。当時のお気に入りはロックな「Jet」とポップな「Let Me Roll It」、そして何よりもかっこいいオープニングナンバー「Band On The Run」
他の曲も皆、耳になじみがよく、中学生の私にはジョンよりもジョージよりも、解散後のBEATLESはこのWINGSだった。

数年後、大人になり、音源もCDに変わってきてから手にしたこのアルバムを聞けば聞くほど、「Picasso's Last Words (Drink To Me) 」と「Nineteen Hundred And Eighty Five」のラスト2曲が魅力になった。

いつしか、ポールよりもジョンの曲の方に惹かれる私だが、このアルバムはBEATLESとは別のバンド作品として、ジョンには出来ないことをしたポールを評価できるものだ。

定番度 90% 歴史的な名盤のひとつとして

Band On The Run - Paul McCartney & Wings

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June 04, 2007

Coldplay「A Rush Of Blood To The Head」

Coldplay2
2000年以降最高のバンドともいえるColdplay…ファーストアルバムですでに有名だったのだが、私は知らなかった…そのころは古いバンドをあさってばかりだったしね。でもいまや私の中では重要な位置を占めているこのバンド。彼らの2ndアルバム「A Rush Of Blood To The Head」(邦題:静寂の世界)ほんとはもっと早く紹介していてもおかしくないのにねぇ。

このアルバムに出会ったのは出張先のタワレコ。新譜としてコーナーが作られていたから2002年…もう5年前か。お薦めとしてコーナーが設置されており、試聴機のヘッドフォンを耳にかける。ヒット曲と書いてある2曲目を選ぶ。次の瞬間、このCDを買っていた。気に入るときはこんなものだ。

その2曲目は「In My Place」ドラムの音から始まり、ギターアルペジオが加わる。ある意味単純なフレーズなのにどこか琴線に触れる。どちらかといえば”ぼくとつ”ともいえるボーカル。そんなに凝った音作りでもなく、むしろシンプルな音を丁寧に扱っている。

あと、5曲目の「Clocks」印象的なピアノリフが全編を貫いており、そこにドラム・ベースが加わりだし、時を刻むかのようなリズムの上にゆったりとしたボーカルが加わる。プレイリスト「DEEP」に加わった1曲だ。この曲は昨年までの数年、テレビ放送F1のエンディングに使われていたのだが、実はそれまでは、「In My Place」以上のインパクトは感じていなかった。しかし、熱いレースのあとにこの曲が締めで流れることで、私の中に刻み込まれる何かがあったんだろう。このアルバムの中の一押し曲となっていた。「In My Place」がボーカルで引き込まれる曲ならば、この「Clocks」はピアノの響きに引き込まれた曲といえるかも知れない。

他はギター中心のミディアムロック「God Put a Smile upon Your Face」、バラード「The Scientist」「Warning Sign」、アコースティックな「Green Eyes」、「頭に血が上る」というタイトルながら静かな曲調のアルバムタイトル曲「A Rush Of Blood To The Head」 そしてラストを飾る「Amsterdam」(オクターブ上げたり下げたりするサビが印象的)など全体的に静かに聞ける曲が多いので、激しいロックが苦手な方にもお薦めできます。

定番度100% 洋楽好きなら間違いなく聞いておくべきでしょう。

A Rush Of Blood To The Head - Coldplay CD/MP3

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June 02, 2007

Thompson Twins 「Into The Gap」

Thompson
Thompson Twinsは個性的な3人のフロントマンが中心。いかにもこの時期のビジュアル系メインボーカルのお兄ちゃんと、サイドをスキンにした変形モヒカンのお姉ちゃん、そしてドレッドヘアーの黒人兄ちゃん。音もキーボード中心の軽いもの。でもそこに深みを与えるボーカルの妙がある。

1曲目の「Doctor Doctor」、この曲を初めてMTVで見た時にノックアウトされた。ビジュアル的にはいかにも80sのUKアイドルだし、音作りも基本的に当時の流行そのまま。しかしサビの「Doctor Doctor」と連呼するあたりに感じる力強さにしびれてしまった。ドラムビートは単調にリズムを刻むのではなく、パーカッション的なフィルインが中心。あとは低音から高音までシンセの電子音で埋め尽くされているのだが、ボーカルの上手さと効果的なコーラスが厚みに幅を加えている。かなりのヒットをしたと思う。

もうひとつのヒット曲が3曲目の「Hold Me Now」こちらはドラムはひたすらビートを刻むだけで、木琴がアクセント的なリズムをになっている。この曲もサビでのコーラスが素晴らしく、3人が一緒に歌う「Hold Me Now」の部分の幅と、同じサビでも後半に繰り広げられる掛け合いのファルセットのコーラスがとてもかっこいい。最初音で聞いていたときはモヒカンのお姉ちゃんだと思ってたら、PVで見るとドレッド兄ちゃんのファルセットだった。思い切りシャウト…ではないんだけど、とても力が入っていて好きだ。

あとラスト前の「Storm Of The sea」はシングルにはなっていないが、私の「Deep」琴線に触れる隠れた名曲。スローテンポのバラードはそのねっとりとしたボーカルの声質にマッチし、サイケな気分に浸らせてくれる。

他にも「Sister of Mercy」「No Peace For The Wicked」「The Gap」「Who Can Stop The Rain」など、どれもいい曲が揃ってる。彼らの一番油の乗ったアルバムだろう。

しかし、このトム・ベイリーにしろ、前に紹介したABCのマーティン、Duran Duranのサイモン、他にもSpandau Balettのトニーなど、こう鼻にかかった声の人がヒットしてたのか、あるいはヒットしてるからそういう歌い方にしてたのか・・・(笑)実に粘っこいよねぇ。やはりそのルーツはデビッド・ボウイ御大やブライアン・フェリーだろうかねぇ。

カルト度 75% 私は好きだけど、いまさらお薦めするのもなんだかねぇ…

Into The Gap - Thompson Twins CD/MP3注)国内版は曲順が違うようです。

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