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May 21, 2007

「Zidane: A 21st Century Portrait」

Zidane
子どもが見たいと言っていたDVDをレンタルしに行った時に、ふと音楽関係のコーナーを見に行ったら、音楽映画とスポーツ映画が同じ棚になっていた。
そのとき、どちらともつかないあたりにこの作品が並んでいた。まぁ、普通に考えたらスポーツ物になるんだろうな。でも私は、MOGWAIにつられて借りた。

もともとこの映画のことは知っていた。ネットで見た予告編では「ジダン×映像×モグワイ」のコラボレーションで出来上がった作品というイメージが強かったし、もともとMOGWAIの作品は映画を想像させる要素があったから、いつか見たいと思っていた。

まず、サッカー好きの人が見るには面白くない作品だと思う。ある試合を題材にしているのだが、ボールを追っかける部分は僅かで、ほとんど「ジダン」を撮っている。じゃあ、ジダンのプレーを盗むために良いのかというと、パスを受けたトラップの素晴らしさや、フェイント満載のドリブル場面はすごいけど、大半はボールを触っていない場面だ。それでもポジション取りため、マーカーと身体を入れあうところなどもあるのだが…やはりサッカーのために見る作品じゃない。

では、私のようにMOGWAIが好きな人が見ると良いのか…これも疑問だ。予告編ではずっとMOGWAIの曲が流れて、そこに映像がかぶさっているのだが、本編でMOGWAIの曲がかかっているのは半分にも満たないんじゃなかったかな。

じゃあ、全然面白くないのか…これが、時間が経つにつれて面白くなってくるのだ。以下はネタバレ含みで(というほどたいしたネタじゃないが)

この映画の構成は大きく3つの要素
1)テレビの解説+歓声を含んだ映像
2)MOGWAIをBGMにちょっとサイケな映像
3)歓声が消え、ジダンの回りの音だけの映像
面白いのが3番で、おそらく大歓声はずっと流れているはずなのに、その音はカットされて、ほんの僅かなピッチを踏む音や、ボールを蹴る音、そしてジダンの声を捕らえている。おそらく高性能の指向性マイクで録音したものをさらに音響処理して余分な音を削ぎ落としたんだろう(後でアフレコしているなら残念だが)ジダン自身が「調子のいいプレイ中は歓声が聞こえない」とモノローグで語っているが、それを観るものに体験させようという意図なんだろうか。
ジダンが動き出すときに、クセのようにつま先を何度かピッチに引っ掛けてから動くさまが何度も映されていた。そのときの「シュッ」というピッチの音が印象に残る。
あと、ジダンがふと上空を見上げるとき、その視線の先にある照明やスコアボードが映される。そのタイミングがまた絶妙だ。
そういうことに気付きだすと、この不思議な映像が面白くなってくるのだ。(気づくまでは退屈で、何度もうとうとしかけたが…苦笑)

この映画のオープニングは試合の開始からだが、エンディングは試合終了の場面じゃない。(さすがにこれだけは伏せておこう)「えっ?」って感じだ。

さて、この映画は誰にお薦めしたら良いんだろうか…
ジダンさえ見ていればいいというコアなファンと、斬新な映像アイディアに触れたい人かな。

しかし、MOGWAIは素敵だ

カルト度 95% 映画としてではなく映像作品として
Zidane: A 21st Century Portrait - RENTAL

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