Tears For Fears 「Songs From The Big Chair」
携帯電話を新しくした。MP3プレーヤーのように音楽を持ち歩けるタイプだ。普段使っているMP3プレーヤーは20Gの大容量なので、好きなものはアルバムごとどんどんぶち込んでおけばいいのだが、携帯なので容量に限りがある。メモリを増設することもできはするが…昔からよくお気に入りのカセットテープやMDなどを作っていた。アーチストごとに編集するものもあるが、テーマを設定して編集するのが好きだ。そういうときに一番最初に作るのはいつも「Deep」というテーマ。私なりに「深いなぁ~」と思うサウンドの曲をあつめるのだ。1曲目はいつも決まっている。「Dear Prudence」(BEATLES)私の永遠のフェイバリットだ。そこにRoxy MusicだったりEnigmaだったりが入り、最近ならMogwaiなんかを選んでいく。そういう私の中の「Deep」定番のひとつがこの「Tears For Fears」の「Shout」だ。入っているアルバムは「Songs From The Big Chair」
トライアングルのような高音の刻む音と、小さいコンガのような金属的なパーカッションの音…ミニマルに繰り返される音にいきなりかぶさる「Shout」というボーカル。同時に深い低音のキーボードとドラム。
まさに80年代を象徴するようなエレクトリカルな音の洪水なのに、どこかに感じさせる人間味。タイトルは「シャウト」だが、淡々と歌っているのに…間奏なんかもシンセだし…でも感じる人間味…全ての音が有機的に絡まってる感じからかなぁ。
その「Shout」とは対を成すような爽やかさの「Everybody Wants to Rule the World」ドラムはシンプルにリズムを刻み続け、その上にギターアルペジオ。これも深ーいところで鳴り響くベース。音作りは完成されている。あとはテンポとメロディによって雰囲気が決まる感じだ。
ベースが前面にでてきている、スパイ映画のようなサスペンスを感じさせる「Mother Talk」
今までの電子音中心から一転したピアノバラードの「I Believe」と続く。
音の洪水で少し混沌とした雰囲気の「Broken」で最後の方に現れたテーマフレーズを引き継ぎ、前曲の混沌から開放された気分になる「Head Over Heals / Broken」は、彼らの緻密な計算が効いているんじゃないだろうか。
今ならポストロックと言ってもいいかもしれない、好みの雰囲気の「Listen」でこのアルバムは幕を閉じる。
こうしてあらためて聞くと佳曲ぞろい。UK80sは多くの才能あるアーチストを生み出してきたが、間違いなくその中でも5本の指に入る。
CDにはボーナスとして未発表曲やリミックスがついているが、やはりおまけはおまけでしかないか…「Mother Talk」は変に軽くなってるし、「Shout」はいかにも80sの12インチリミックスって感じですが…元曲が壊されている感じ。
定番度 70% 80s好きなら90%にしてもいいかな。
Songs From The Big Chair - Tears For Fears CD/MP3
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