Soft Machine「Third」
昨日書いた「Radiohead」といっしょに買ったのがSoft Machineの「Third」実はこれまでSoft Machineは買ったことがなかった。その名前は、Pink Floydとジョイントしたりしていたことからも知っていたし、「アラン・ホールズワース」やヒーリング系でお気に入りのアディエマスの中心人物「カール・ジェンキンス」が在籍していたことでも知ってはいた。(マンガ「大阪豆ご飯」にも登場している)しかし、いろんなレビューでの「ジャズ・ロック」や「フリージャズ」というカテゴライズに二の足を踏んでいた。
今回はオリジナルの「Third」にボーナスディスクとしてこの時期のライブテイクがついているのだが、聞くところによると「Live at the Proms 1970」という国内未発売のアルバムらしい。本来2枚組みのLP音源がCD1枚になり、さらに別のアルバムがボーナスCDとして1枚つく…しかもキャンペーンで25%オフの1134円…すっげぇお得だから、二の足など踏んでいられない。
LP2枚組というのは1面1曲でそれぞれ20分近い大作。
1曲目「Facelift」始まって数分は混沌とした音の渦巻き。King Crimson中期のインプロとも違うし、PinkFloydの初期サイケデリックとも違うし…これがフリージャズとの融合なのか?しかし、5分を過ぎてリズムが刻まれだしてからは聞き易いフレーズが中心になりだして一安心。といってもまだ奥の方ではノイジーな楽器も合ったりして混沌色は残ってる。ホーンが使われているところなどはKing Crimsonとイメージがかぶるかな。昔京都にあった、内装が紫一色のロック喫茶で聞いたら心地よくトリップできそうな感じ。
2曲目「Slightly All The Time」は後のフュージョンを思わせるナンバー。こちらは野外のジャズ・フェスティバルで聞きたい感じ。
3曲目「Moon In June」は唯一のボーカル曲。とはいえ、このボーカルもアンサンブルのひとつとして存在するだけ。まぁ上手いボーカルじゃなく「味のある声」という感じか。雰囲気は初期(ピーガブ在籍時)のジェネシスを思い起こさせる。かなりオルガンが(普通の音で)目立っている作品。
4曲目「Out Bloody Rageous」疾走するベース、跳ねるピアノ、軽快なドラム、そこにホーンのメロディが乗ってくる。これがジャズロックの原型なんだろうか。バッキングはミニマルのメロディを繰り返す。そう考えると最近のミニマルデジタルの原型にもなる。途中で何度も展開が変わる構成はプログレでもある。
最後の数分はまた混沌へと戻ってアルバムを締めくくる
2度3度と聞いているうちに好きになってくる不思議なアルバム
ボーナスCDのライブは「Out Bloody Rageous」「Facelift」「Esther's Nose Job」ライブならではの素晴らしさはあるんだけど、ちょっと音がこもっちゃって…残念。ベースやオルガンの低音が強いときは他の音を包み込んじゃってる。ただスタジオ盤には入っていない「Esther's Nose Job」は比較することがない分演奏の素晴らしさを堪能できる。
ジャケットは、いかにも手書きって感じのロゴデザインが、時代を感じさせる。こういうの好きです。
カルト度70% 名盤ではあるが今お薦めできるかというと…でも安いから他を買うついででどうぞ。
Third - Soft Machine CD/MP3
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