Pink Floyd「Wish You Were Here」
最近買ったものの紹介が終わったので、再びお気に入りのPink Floydへ。
砂漠のような荒涼とした地で遠くの方からシンセのサウンドが聞こえてくる。リズムレスのブルージーなギターがそこに絡んでくる。すこしディレイがかってはいるが、きわめてナチュラルに近い音…一転、宇宙的な広がりを感じさせるギターアルペジオ。数回繰り返してからやっとドラムとベースが加わり、リズムを刻みだす。
Pink Floydの作品の中では比較的POPで聞き易いバンドサウンドの曲。A面1曲目に13分半、B面ラストに12分半に渡って繰り広げられる「Shine On You Crazy Diamond (Part One)」「Shine On You Crazy Diamond (Part Two)」は、ギターのデビッド・ギルモアが本領発揮している最高傑作じゃないだろうか。YESのスティーブのような技巧派でもなく、King Crimsonのロバートのように難解じゃない。フレーズとしては単純なブルーススケール。だって、下手糞ギター小僧の私がコピーしようとしてそこそこ出来てしまうくらいのレベルだもん。ただ、フレーズはコピーしてもこの味は出ない。あたりまえっちゃあ当たり前だが。
2曲目「Welcome To The Machine」はSE(サウンドエフェクト)がSF的だし、タイトルもSF的なので色物的に捉えられるか、他の名曲に挟まれた地味な作品に取られることが多いけど、実はサウンド的には次々作「The Wall」につながる重要作だと思ってる。過去にもアコースティックギターを使うことはあったけど、ほとんどがブリティッシュ・トラッド的な曲だった。しかし今作からシンセに絡めて、新たな世界観を打ち出している。
3曲目「Have A Cigar」は骨子はラフな感じのギターリフ中心のシンプルなロックなんだけど、シンセを効果的に使うことでシンプルから脱却したプログレっぽい仕上がりになっている。
4曲目「Wish You Were Here」曲単位で考えたら、Pink Floydで一番好きな曲。LP時代から何度聞いたことか。前曲のラストで急に音が絞られ、ラジオかテレビから流れる音のようにメインのギターサウンドが聞こえ出す。アコースティックでブルージーなフレーズが絡みだす。そして切ない歌声。「どれだけ、あなたにここにいて欲しいか…」と切々と歌い続ける。この曲をよく聞いていた中学から高校時代、そんなに英語がわかっていたわけじゃないけど、言葉を超えて通じてくる何かがあった。
そして再び「Shine On You Crazy Diamond」へ…
このアルバムは、親戚のお兄ちゃんに教えてもらった。確かそのときは「狂気」とこの「炎」の2枚を聞かせてもらったんだけど、ジャケットのインパクトでこのアルバムの方が気に入ってた。「Shine On You Crazy Diamond 」のギターかっこよかったしね。
その後輸入LPで買ったけど、確かロボットの手が握手しているステッカーが封入されてたと思う。ジャケットの写真は炎に包まれた男ともうひとりが握手しているもの。写真の端が焦げてたり、内スリーブや裏ジャケットにも焦げあとがあったり、ヒプノシス(芸術集団)製作ジャケットのアイディアはすごいね。今までの漢字でアルバムタイトルつける習慣とこのジャケットからアルバム邦題「炎」がついたんだろうけど、本来は「Wish You Were Here」こっちの方がアルバム内容をストレートに表してるけどね。
定番度 100% このアルバムは聞いておくべきでしょう
Wish You Were Here - Pink Floyd LP/CD/MP3
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