Pink Froyd 「The Wall」
今月初めに連続して「YES」のレビューを書いたけど、振り返ってみて「Pink Floyd」を1枚(狂気)しか紹介してないことに気づいた。周辺物として「ロジャーのLIVE」とか「シドのソロ」(昨年お亡くなりになりました)は紹介してるのにね。
ということで、最近またプログレ熱が上がってきてるので「Pink Floyd」を取り上げてみようかと。で、何にしようかと思ったんだけど、ひとつのテーマで4作品分書ける「The Wall」を採用。4作品とはどういうことか・・・それはおいおい判ると思います。
このアルバムは70年代を終え80年代を迎えようかというころに発売された2枚組みのLP。それまでに、いろんな人の影響を受けてPink Floydは聞いてたけど、発売と同時にリアルタイムで聞いたのはこのアルバムが最初。アルバイト禁止の高校生としては、2枚組みのLPってのはかなりの出費だった。しかし、内容はすごく、それこそ擦り切れるくらい何度も聞いた1枚。
「Outside The Wall」のテーマが遠くで小さくなっているところに、ギターとベースの低音が響きだし「In The Flesh?」が始まる。「君はショーを見に行こうと思ったわけだ」と問い詰められる歌の後に赤ん坊の泣き声が響き渡り、主人公「PINK」の人生が始まる。そう、このアルバムは「PINK」の人生をたどっていくロックオペラ。画一的な部品を作るような学校に反発した「Another Brick In The Wall Part1,2」、母親への渇望をうたった「Mother」などの青年期を経て、世間との断絶を決意する「Goodbye Cruel World」で1枚目が終わる。
Pink Floydの場合は、歌詞もかなりのウェイトを締めるのだが、大まかなストーリーがわかっていればそこそこ楽しめる。もっとも私の場合は、後で出てくる映画「The Wall」でかなりイメージを埋めているが…。
ここまでで曲として好きなのは「In The Flesh?」(この曲はロジャーのソロライブのオープニングとしてもかっこよかった)「Mother」「Goodbye Blue Sky」(きれいなアコギインスト)「Young Lust」(ギターがハードなロックチューン)
2枚目に入って「Hey You」から恋人が登場する。しかし、目の前に人がいても自分の中にこもって「誰かそこにいるのかい?」と問い続ける「Is There Anybody Out There?」と続き、ついには精神科医のカウンセリングを受ける「Comfortably Numb」でC面が幕を閉じる。D面に入って一線を越してしまった「PINK」は独裁者の演説というショーを始め「The Show Must Go On」ふたたび「In The Flesh」にて自分を守るための差別や偏見にとらわれる。やがて「PINK」は法廷に引きずり出される最高潮を迎える。元教師や元妻から糾弾される、母親はただただ「そんな個じゃなかったんです」と現実を受け入れられないことを訴え続ける。そして最後の判決は「彼の作っている壁を壊してしまえ!」ということになる「The Trial」が終わり、「Outside The Wall」で静かに幕を迎える。
うーん、書いてるだけで興奮がよみがえってくる(読んでる人にちんぷんかんぷんかもしれない)
この2枚目は曲としても佳曲が多く、「Hey You」(バラードとしても一流でデビッドのギターソロが泣きまくる)「Is There Anybody Out There?」(アコギのアルペジオが切ない)「Vera」(愛を渇望する心底からの叫びが響く)「Bring The Boys Back Home」(女性コーラスが大迫力)「Comfortably Numb」(今でもライブの代表曲でデビッドのソロが最高)「In The Flesh」(ロジャーの声がはまり役)「Run Like Hell」(ボーカルの掛け合いが迫力なロックチューン)「The Trial」(ロックオペラの最高傑作)と息もつけない。
確かに彼らの代表作となると、このアルバムを1番にあげる人は少ないだろうけど、重要作ではある。また、あまりに壮大になりすぎて、このアルバムを再現したツアーは世界でも数回しか行われていない。当時、11PMかなにかの深夜番組でその模様を少しだけ見ることが出来た記憶がある。いまだにその模様はビデオにはなっていないけど…記録はあると思うんだけどなあ。
LPのジャケットは白いレンガのイラストだけで、透明なシールにアルバム名とアーチスト名を書いたものが貼りつけてあった。
定番度 90% 好き嫌いはあると思うけど、ぜひ聞いて欲しい
The Wall - Pink Floyd LP/CD/MP3
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