BEATLES「LOVE」
去年暮れに、バーゲンで1290円で売ってたから買った。本当は買わないで置こうと思ってた。このアルバムをBEATLESのアルバムだと思うのがいやだったから。「シルクドソレイユ」のサントラとして発売されたのならまだ許せたけど「21世紀によみがえるBEATLES」なんてされると…やっぱり音を鳴らしていなくてもオリジナルのBEATLESが脳内で再生されるほど聞いているものとしては、これは許しがたい切り張り行為。
ジャケットにあのリンゴマークが入っているのを見たとき、更なる偏見が壁を気付いた気がする。
なのに…何度も聞いてしまうこの悲しさ。いっそのこと、あら捜しをしてやろうと何度も…
あぁ、売り手の戦略に乗せられてしまったか?
絶対に受け入れがたいこと
○Becauseの最後や、Glass Onionのつなぎに入っている「A Day In The Life」(オリジナル)のエンディング。あのピアノにかぶってオーケストラが徐々に盛り上がる部分は、最後のピアノの「ジャーン…(余韻数分)」につながる大事な部分であり、それだけを部分使用するのは耐えがたい。あの余韻は私にはとても大切なものだから、この使い方は受け入れがたい。
○Get Backの最初にはいる「A Hard Days Night」のオープニング。ただギターがコードをジャーンと鳴らす。それだけなんだけど、その後にはジョンのボーカルがつながっている。それが出てこないなんて…それにGet Backはあの愚直なギターイントロが最後期の円熟のロックンロールナンバーにしてるんだから。同様の理由で、あそこの「The End」のドラムパターンやギターソロは要らない。あの部分はアルバム「Abbey Road」のB面通しての盛り上がりが最高潮に達しているところに在るからすばらしい。これでBEATLESが終わるということも含めて、私にとっては他とは切り離せない大事なドラムでありギターである。
○Blackbird / Yesterday あのアコギイントロをそれだけで使うなんて!あの音が聞こえたなら最後まで聞きたいに決まってるだろ。この使い方は絶対駄目。
○Octopus’s Garden リンゴのとぼけた感じが素敵な曲なのに、「Good Night」に乗っけるもんだからバラードになっちゃう。「Good Night」自身が名曲なんだから、この切り張りは許せないね。
○Come Together メイン部分はそのままだから、あえてエンディングに他の曲をかぶせなくても…しかも「Dear Prudens」は大好きな曲だから、あんなちょこっとだけ使うなんて許せない。「Cry Baby Cry」のブリッジもエンディングの目先を変えるためだけに使うのはなんだかなぁ…
○While My Guitar Gently Weeps アコースティックバージョンだけど、すでにAnthologyで発表されているもの。今回ストリングスが追加されたそうだけど…やっぱこの曲はクラプトンの泣きが入らないとねぇ…だから受け入れない。
○Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise) 曲自体はいいんだけど、やっぱりこの曲の後には「A Day In The Life」のピアノイントロが続いてほしいなぁ…アルバムの中で光る曲なんだよね。
○All You Need Is Love 元々エンディングに向かうところが混沌としてきていろんなサウンドがコラージュされているんだけど、あるべきところに「She Loves You」がないし、「Green Sleaves」もないし、いらないところにいっぱい他の曲があるし…違和感たっぷり。
これはありかなと思えたこと
○Drive My Car / The Word / What You're Doing これはライブでメドレーでやったらかっこいいなと。ただのメドレーじゃなく、ベースになるリズムパターンをずっとDrive My Carでやってるところがいい。
○Gnik Nus 「Sun King」を逆回転で再生したもの。ここまでされると元歌がわからないし、最初はジョンの未発表の音源をアレンジした新曲かと思ってた(笑)
○Being For The Benefit Of Mr Kite / I Want You (She’s So Heavy) / Helter Skelter ボーカル部はそのままにエンディングに他の2曲をかぶせてすごくエンディングが深くなってる。これはちょっと気に入った。
○Strawberry Fields Forever 未発表のアコースティク音源を使ってるのはうれしい。でもエンディングでごちゃごちゃと他の曲を羅列してるのはいらない。この部分は受け入れがたい。(原典を探りたいマニアにはいい材料だろうけどね)
○Within You Without You / Tomorrow Never Knows 基本的にはどちらも好きな曲だしまぜるなんて…って気持ちも強いけど、何度も聞いているうちに、意外とマッチしてるところが「ありかも」と思えるようになってきた。やはりこの時期のインドっぽさやサイケっぽさが元々不思議空間を築いているから、さらにサイケすることも受容してるんだろう。
無理やり編集せんでも…と思ったこと
○Eleanor Rigby / Julia 普通に「Eleanor Rigby」で終わってるのに、無理やり「Julia」くっつけなくても…
○I Am The Walrus っていうか編集してるの?
○I Wanna Hold Your Hand 原曲のままのところに、Liveの呼び込みと歓声をかぶせてある…それなら曲もLive版つかえばいいじゃん…
○Something / Blue Jay Way 「Something」をほぼそのままつかってるのにわざわざ他の曲くっつけなくても…よほどそのままってのがいやだったのかな。
○Help これもどこか変わってるんだろうか…リマスター効果かドラムの音の歯切れがよいのはうれしい。
○Lucy In The Sky With Diamonds 最後にちょっとだけ「Sgt Pepper's」のフレーズが入ってるけど…いらないよなぁ。
○Revolution どこが変わってるんだろ…
○Back In The USSR イントロとエンディングの掛け声は変わってるけど…バージョン違いって程度の編集かな。
リミックス・アレンジ違いと思えば許せる曲
○Lady Madonna もともとアルバムとは別に単独で聴ける曲だし、ポール自身ライブなんかでBEATLES時代の曲をアレンジして演奏してるからねぇ。「やぁ、ブロードストリート」に入っていると思えば違和感なし。しかし、やたらとベースの音が前に出てるね。ジョンやジョージがいるころならBEATLES名義でこういうアレンジはさせなかっただろうね。
○A Day In The Life 基本的には「サージェント」のラストだから生きる曲だとはおもうが、今回単独で聞いてもすばらしい曲だと思えた。(他で書いたように最後の余韻まできっちりあるという前提でだ)この曲もベースがかなり前に出ている気がする。その点がリミックスと思える部分かな。
○Hey Jude このアルバムでのこの曲の特徴は、後半の「ナーナーナ ナナナッナー」の部分にブレイクが入ってアカペラになるところだが、これもポールならライブなんかで使いそうなアレンジ。てことで違和感なし。やっぱりベースが前に出てるね。
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