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November 27, 2006

Radiohead 「Hail to the thife」

Hail
Radioheadがギターバンドに回帰したと言う触れ込みのこのアルバム。今の時点ではまだ最新アルバムになる。
たしかに一曲目の「2+2=5」からバンドサウンドが繰り広げられるが、その曲つくりは2ndアルバムまでのシンプルなギターバンドではなく、どちらかというとパンキッシュなサウンドか。しかも2曲目「Sit Down Stand Up」ではもうデジタルビートに埋もれてしまう。3曲目「Sail To The Moon」4曲目「Backdrifts」なんかは「Kid A」につうじるサウンド。5曲目「Go To Sleep」はアコギのイントロから始まり、ビートのあるバンドサウンドに戻るが、ボーカルは浮遊した感じ。
6曲目「Where I End And You Begin」から「We Suck Young Blood」1曲とばして「There There」がこのアルバムのハイライトかな。デジタルビートとギターサウンドの融合を目指した、新しいRadioheadが垣間見える。
そのあとは最近のThomのソロにも通じる「I Will」やちょっとヘビーサウンドの「Myxomatosis」などを経て、このアルバムで一番きれいなメロディの「Scatterbrain」そしてラストの「A Wolf At The Door」で余韻を残して終る。

結局、「The Bends」にも「OK Computer」にも「Kid A」にもなれない、中途半端なアルバムになってしまった気がする。いや、一枚のアルバムとしては結構好きなのだが、Radioheadとして聴くと、過去のアルバムがすばらしいために損をしている。

今年のThomのソロアルバムを経て、おそらく来年発売されるであろうRadioheadの新譜に期待したい…けど期待するのが酷かなぁ。


定番度 50% 他のアルバムを聴いてからでも遅くありません

Hail To The Thief - Radiohead CD/MP3

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November 25, 2006

Radiohead 「The Bends」

Bends
しばらくエリック・クラプトン一色だったが、ちょうどコンサートの日に注文していたCDが届いた。今回購入したのは、amazonのバーゲンでお買い得価格になっていた旧譜3枚。そのうちの一枚がRadioheadの「The Bends」彼らのセカンドアルバムである。

今年に入ってから、ボーカルの「Thom Yorke」のソロ作を聞いたのだが、このセカンドまではまったく別人ともいえるくらいの普通のUKロックのボーカリストの音である。ファーストの時点で「Creap」のヒットなどもありギターバンドとして売れていたのだが、それを決定付けたのがこのセカンド。音自体はMDで持っていて何度か聞いていたが、今回CDを買ってあらためてじっくり聞いた気がする

1曲目にアコースティックナンバー「Black Star」を配し、2曲目「Planet Telex」からはややポップよりなロックが続いていく。アルバムタイトル曲「The Bends」でもはっきりしたメロディのあるビートの聞いた曲だし「High and Dry」でも優しい声とメロディで聞かせてくれる。Bassのビートが利いた「Bones」などは堂々としたロックバンドではないか。他にはCreapの匹敵するバラードの「(Nice Dream)」唯一3枚目以降につながる雰囲気をもった「My Iron Lung」(これは今でもLIVEで演奏されているのでは)そしてバンドサウンドで演った「Black Star」と佳曲がそろう。
私のように3枚目以降のプログレ・デジタルビート系のRadioheadから入ったものには同じバンドとは思えない。このころのRadioheadはむしろ「The Charlatans」や「Travis」に近いジャンルに収まるだろうことに初めて気がついた(笑)。
同時に、「Kid A」以降、初期のRadiohaedファンが離れてしまったのも頷けてしまう。

定番度 70% 今のRadioheadを知らない人のほうがお勧めかも

The Bends - Radiohead CD/MP3/MD

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November 22, 2006

Eric Clapton 2006JAPAN TOUR PART4

Eric4

12. After Midnight
ギターを持ち替え(なんとレスポール)ドラムのカウントで始まったアップテンポチューン。ちょっとボーカルが疲れてきたかクラプトンよりコーラスのお姉ちゃんの方が目立ってる。でもソロでは入魂。ハードソロのクラプトンが聞ける。あまりに力入れすぎてボーカルに入るタイミング遅れたのはご愛嬌。後半のソロはギター、シンセのソロ回し。やはりレスポール使ってる分音がマイルドかな。これは1970年の初ソロ「Eric Clapton」からの一曲。もともとは最近コラボアルバムをだしたJ.J.Caleの曲かな。

13. Little Queen of Spades
前曲のエンディングにかぶせてオルガンの音が入り、すぐにブルースギターソロ。エレクトリックブルースが堪能できる一曲。私にとっては「Motherless Children」のつぎに今回のツアーの目玉だと思っていた曲。こういうスローブルースではボーカル中のフィルインもしっかりクラプトンが担当。歌っては身体をそらせて弾きまくるブルースフレーズは絶品。ブルースらしく、各パートでソロの競演。まずはピアノソロ、じっくりと時間をとってピアノ弾きまくってます。続いてドイル君のソロ、多分フィンガーピッキングだと思うけど、マイルドなトーンでゆったりとしたソロ。シングルトーンよりオブリガードの方が目立ってたかな。ちょっと別の曲(Mojo Working?)をはさんでデレク君のソロ。フットペダルを使わず、SGのボリュームを使ってのボリューム奏法。スライドだけじゃなくこういう小技を使ってのブルースフレーズも上手い。
再び「Little Queen of Spades」の歌に戻って、転調も入れていよいよクラプトンのソロ。若い二人が落ち着いたフレーズから入ったのとは対象にいきなり手業全開!遠くて見えなかったけど、きっと手元はスローハンドだったんだろうな。しかしほんと元気なおじさんだ。タイムスタンプを見るとなんと17分に及ぶハイライトナンバーとなった。気がついたらまたストラトに戻っていた。「Me And Mr Johnson」からの1曲ってことはもちろんオリジナルはRobert Johnson

14. Further On Up The Road
続いてトリプルギターでイントロフレーズを奏でて始まるブルースナンバー。こちらはクラプトンのボーカルにドイル君のフィルインが絡んでいく。私のようなブルース寄りのファンは大歓迎だが、一般のファンはのれたんだろうか?前曲ではバックに徹していたシンセがソロを担当。クラプトンのギターをはさんでピアノソロ。この二人のキーボードはブルースの方が本領を発揮するようだ。最後はトリプルギターでリフを奏でたあとクラプトンのソロ。しかし、クラプトンがソロを取るときの二人の若いギタリストはホント目立たずにバックに徹してる。ちゃんとソロの見せ場ももらってるからだろうな。この曲は70年代のライブアルバムにはラスト曲として良く入ってるね。オリジナルはちょっと?

15. Wonderful Tonight
ヒット曲が好きで観にきたファンには退屈な(笑)ブルースナンバーが続いた後、ギターアルペジオのあとにおなじみのフレーズ。会場がざわめくとバラードの名曲が登場だ。いい曲。とてもいい曲。でも、ライブで聴いてもそれ以上の感想が出てこない。前のブルースナンバーで私の方が力尽きたか?中盤はドイル君におなじみのフレーズを任せてかぶせるようにクラプトンの短いソロ。歌いこむほうに専念してるんだろうけど、あのフレーズを他人に任せるのは珍しい気がする。70年代を代表するバラードは「Slowhand」から

16. Layla
ドラムがカウントを取ると「デレデレデレデー」のイントロ。今までゆっくり聞いてたスタンドも立ちだす(もちろんフロアも総立ち)でもなんかフレーズが軽い?ドイル君がメインフレーズ、デレク君がバッキングフレーズ。クラプトンはボーカル専念。ボーカルが終わってクラプトンのソロになるとさすがにかっこいいんだけど…今度はバッキングの二
人のギターが物足りない。なんというか無難すぎる。
しかし、ピアノのフレーズから始まる後半部分になってデレク君がスライドで弾きだし、そこにクラプトンがソロをかぶせ出すと一転して分厚い感じになった。ピアノも同じフレースで絡んだり、ドイル君のギターフレーズも絡んだり、それぞれはシングルトーンなのに織物のように複雑に絡んでいる。客席は手拍子もやみ立つか座るか微妙な空気になってたけど、このトリプルギター&ピアノの絡みだけで満足。いままで優秀なサポートメンバーがすばらしい演奏をしてきただろうけど、このLayla(後半だけ)が一番良かった。 もちろんDerek & The Dominosの「Layla & Other Assorted Love Songs」

17. Cocaine
レコードのレイラは最後「タララタンタンタターンターン」とピアノのフレーズで終るのだが、最後の「ターン」をいれずにいきなりカウントが入りコカインに突入。メインフレーズからボーカルに突入。もうこの曲も可もなく不可もなくって感じで無難な演奏…最後なんでソロも弾きまくってるけど、バッキングもお決まりのフレーズに終始してるから絡んでる感じがしない。キーボーードソロ・ピアノソロもあるけど、ブルースのときほどときめかない。ロックっぽいフレーズは薄く感じる。各ギターのソロ回しもそれなりに上手いんだけど…
なんか、定番曲ほどこちら側に新鮮味が無くなってきてるかも。(とはいえ、ほとんどの客は定番曲を楽しみにしてるんだろうけどね)なんていってるけどお決まりの「Cocaine」はいっしょに叫んだけどね。
これも「Slowhand」から。オリジナルはJ.J.Cale

(Encore:)
18. Crossroads
アンコールはブルースの手癖フレーズをちょっと入れて、次にブギーッぽいフレーズに移り、おなじみのフレーズへ。もしかしたらブルースナンバー一曲入れてくれるかと期待したけど…ややスローなテンポのクロスロード。最後もしっかりドイル君、デレク君とソロを回して、トリでクラプトンが弾きまくり。ここは若い二人もフレーズを絡ませて大団円。2時間超のコンサートは、しばらく客電をつけず、期待させたまま終了。そういえばメンバーは挨拶もなしに引っ込んだな…。それも期待させた要因か?
こいつはCream時代の名曲。「Wheels Of Fire」から。オリジナルはもちろんRobert Johnson

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November 17, 2006

Eric Clapton 2006JAPAN TOUR PART3

Eric3

07. Key to The Highway
中盤のアコースティック・セット。ギター3本にベース、それにカホンの構成。カホンはワイヤーブラシで叩いてた。まずはこれも「Layla & Other Assorted Love Songs」からの選曲、B.B.Kingとのコラボでも取り上げてた典型的なブルースナンバー。もうイントロのフレーズだけでもう昇天もの。やばい!。ソロは抑え目だけど。雰囲気で持っていった感じ。

08. Outside Woman Blues
続いて、CREAM時代「Disraeli Gears」からのナンバー、南部臭満開のブルース。デレク君のスライドはアコギになっても絶品。しかしそれを押さえて縦横無尽のクラプトンのソロ。渋い。

09. San Francisco Bay Blues
今度はちょっとアップテンポのカントリーブルース。「Unplugged」で取り上げてた曲。ドイル君のブルースハープも決まってた。クラプトンもマイクに取り付けたカズーで対抗(笑)

10. Nobody Knows You When You're Down and Out
アコースティックブルースの最後は「Layla & Other Assorted Love Songs」からの曲で「Unplugged」でも演ってた曲。ピアノのバッキングがおしゃれで、ソロもフューチャー。続くギターソロも軽ーく押さえてクラブハウスの雰囲気。この曲からドラムは普通のドラムセットに。

11. Running On Faith
いちおうこの曲もアコースティックセットだけど、クラプトンだけがアコギであとはバンドセット。前の曲でいい感じの古さを醸し出していたピアノが一転して90年代の深みのある音へ…PA技術はすごいね。深みのあるバンドサウンドんなって、ブルース臭は消えてバラードの秀作、アダルトなクラプトンが登場って感じ。ギターソロはドイル君のほうだったと思う。この曲も「Journeyman」から

ネット探してたら、すでにブートの販売してたね。
https://sslbg.com/phantom/main/syosai.php?syouhin_cd=5499

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November 16, 2006

Eric Clapton 2006JAPAN TOUR PART2

Eric2

01. Pretending
メンバーが静かに登場し、ピアノのイントロが始まる。派手な演出など何もない、ライブハウスにでも登場するような普通のオープニング。いでたちもTシャツだし。しかし、ギターリフに入り、リフがツインギターのハモリとなるに連れて気持ちが盛り上がってくる。ボーカルはやや抑え目の感じ。ボーカル中のリフはサウスポーのギタリスト、ドイル君が担当。ストラト独特のトーンは違和感なし。中間のソロになるとエリック御大が気合のプレイ。若い二人にもソロを回して、トリプルギターの”バンド”を強調している感じ。90年代のヒット街道幕開けを飾る「Journeyman」(89年)からの一曲。ベスト盤にも入ってるから、軽いファンにもなじめる選曲だね。

02. I Shot the Sheriff
軽くギターの指慣らしの後。乾いたスネアのフィルイン。レゲエリズムに合わせて歌が始まる。バックの音は軽めでボーカル主体の演奏。コーラスのお姉さんが頑張っている。もちろんクラプトンもシャウトしてます。もちろん後半のソロはばっちり。かなり早弾きを駆使してます。(この曲、2日目からはセットリストから外れてる模様。大阪では初日だけのお得でした)70年代の名盤「461 Ocean Boulevard」から。

03. Got to Get Better in A Little While
ベースのファンキーリフから入って、ギターリフに突入していく。「Derek & The Dominos」のライブ盤にしか入っていない隠れた名曲。クラプトン、ファンキーギターもすげえ。でもソロはいつもの調子で手癖のオンパレード。ベースソロも入り、ノリノリのファンキーチューンだ。

04. Old Love
一転してスローテンポのバラード。クラプトンのもうひとつの顔、アダルトブルース満開の曲です。”泣き”のギターは涙もの。ブレスコントローラーを使ったキーボードソロも入るんだけど、そこだけレゲエリズムにするなどちょっと趣向を凝らして(ピンクフロイド見たいな雰囲気)…でもちょっと失敗かな。間延びした感じがした。
これも「Journeyman」からの曲

05. Tell the Truth
つづいてミドルテンポのブルース。フィルインでデレク君のスライドギターが大フューチャー。この曲が収録された「Layla & Other Assorted Love Songs」ではデュアン・オールマンがサポートしてたけど、このデレク君は彼の再来といわれてるし、何といってもデレクという名前は、「Derek & The Dominos」から取られたらしいしね。因縁の一曲か。
ドイル君のボーカルも採用されたが、ギターに比べて苦手みたい(苦笑)

06. Motherless Children
前曲のエンディングから軽いドラムソロ(といっても長めのフィルイン)からギターのイントロフレーズ。ソロからダブル、トリプルとイントロフレーズが続いた後、スライドギターのメインフレーズ…トリプルギター炸裂!ッて感じのノリノリチューン。今回のツアーがトリプルギターだと聴いていたのと、事前に聞いたセットリストから一番期待していた曲。いやぁ、このトリプルギターフレーズは期待以上に素晴らしい。コンサートのラストやアンコールにしても充分通用する感じ。あぁ、観にいってよかった!!!この曲も「461 Ocean Boulevard」からだけど、記憶の限りではライブ盤になっているコンサートでは演ったことないんじゃないだろうか。(DVDがどんどんでてるからそちらは知らないけど)

この曲が終わったら、アコースティックセットの準備のため3分ほど中断。

スポンサーである佐川のページにレポートがありました。
http://clapton2006.jp/special/tourstart.html

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November 15, 2006

Eric Clapton 2006JAPAN TOUR PART1

Mainimg
11日のエリック・クラプトン大阪城ホールコンサートへ行ってきました。yanke・tatu4989の高山からはるばるコンサートのためにやってきたソウルフレンドと一緒に。
大阪城でライブを見るのは10年以上前のYES以来かな。子連れでディズニー・ワールド・オン・アイスは何度か行ってるけどね。

さて、今回のライブの目玉は、デレクとドイルの二人の若いサポートギタリストを引き連れて、トリプルギター編成でやるってこと。事前に情報は聞いてたけど、いざ聞いたらこの二人がいい仕事してる。普通ならクラプトンがボーカルの合間に入れるフィルインはドイル君がほとんど担当し、クラプトンはボーカルとソロに専念。このドイル君、ピッキングトーンから音作りからクラプトンの音を忠実に再現してる。違和感がぜんぜんない。一方のデレク君はスライドギターを得意とするんだけど、これがまた上手い。若いくせに味もある。将来名を残すギタリストになると思う。

客層としてはやはりおっさん色が強いかな。スタンドから見てたんだけどアリーナに広がる頭が”黒い”
あと歓声の感じから、ベスト盤に入っている曲は反応いいけど、アコースティックやブルースセッションはちょっと反応鈍かったかな。選曲がしぶかったもんねぇ。私はそっちの方がよかったけどね。

私としては、中盤の目玉「Motherless Children」が涙もの。トリプルのスライドギターリフで鳥肌が立った。オフィシャルのライブアルバムでこの曲が入ってるのはなかったんじゃないだろうか。トリプルギター編成だからこそ選ばれたのかな。

あとは「Key to The Highway」「Outside Woman Blues」「San Francisco Bay Blues」「Nobody Knows You When You're Down and Out」とつづくアコースティックブルース。二人の若いギタリストはアコギも上手く、ソロ回しなんかしびれる。もっともこの二人にソロを取らせてから最後にクラプトンがソロを取るあたりなぞ、「どうだ、おまえらまだまだ未熟よなぁ」ってな感じで見せ付けまくる。元気なおっさんだ。

終盤、「Wonderful Tonight」であまりオタッキーじゃないファンにもうっとりさせた後、「Layla」で観客のボルテージは最高。しかーし、私はなんか物足りない(へそ曲がりだ)ボーカルのバックのギターが、レコードどおりのリフを無難にこなしてますって感じで、二人の若者の味が出ていない。なんか、今までのブルースナンバーに比べてスカスカな感じ。「どうせお前らはこの曲やってりゃ満足なんだろ」とでもいいたげな…クラプトンのボーカルは気合入ってたけどね。でも、後半ピアノソロから展開するところはデレク君のスライドギターが絡まりまくって最高潮。(レイラが始まって立ち上がった周りの客は座りだしてたけどね)今回のコンサートはこのギターバトルが見ものなのにねぇ。

各曲へのコメントは次回…(次回があるのか?)

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