60年代UKの青春像「QUADROPHENIA」
先週の週末、仏教青年会の集い(法座)に先生として参加し、気持ちは充実していたものの身体的な疲れが強く、月曜日は緊急の連絡だけ処理して一日のんびりすることに決めた。
前に買っておきながら見てなかったDVDから「さらば青春の光」を選んだ。
原題はQUADROPHENIA(四重人格)で、いまなお現役のロックレジェンド「The WHO」の作った同じタイトルの2枚組みアルバムのストーリーを元に映画化されたもの。もともとアルバムも、ジムという主人公を軸にしたストーリーで構成されている。
MODSという60年代の生き方があるのだが、そのグループに属する青年を中心に当時のUKが切り取られている。対抗するロッカーとの暴動、ドラッグ、セックス、そして家族、仕事との関わり。抑圧された日常と発散される日常が描かれていく。そして若者達のイベントを境に失っていく家族・仕事・仲間・愛…。
その全編に「The WHO」の音楽が鳴り響き、そのファッションやべスパにかっこよさを感じていた。
クライマックスはすべてを失いかけた主人公に唯一残された希望…MODSのカリスマへの憧れが”否”とされたとき、すべての意味をなくしていく。
この映画を見て出てきた思いはいろいろ。
抗争シーンでは同じ時期のUSAの若者を描いた「ウォリアーズ」という映画を思い出し、やはりUKのほうがスマートでおしゃれだと感じたし、権力から逃れようとするところでは「いちご白書」を思い出した。ただ、それらを見たのは私もまた青春時代であり、映画の中の主人公に同調していたのだが、今の年になってみる”青春映画”はちょっと遠い位置からしか見れない感じ。昔見た映画を懐かしんで見たり、昔見れなかった映画を見ることはあっても、新作の青春ものにあまりそそられない自分だということを再認識させられてしまった。
他のMODSメンバーに比べ、カリスマを演じるスティング(元POLICE)がかっこよすぎる。MODSであるときも、”おち”である普段の姿にしても。
UKサブカルチャーの歴史を見たい方にお勧め。
カルト度 80%
QUADROPHENIA - DVD
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