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February 28, 2006

他の追従を許さないONLY ONEの域「X&Y」

coldplay
前回James Bluntを紹介したのが、これは2005年のUKナンバーワンアルバムになった。昨年に聴いてたら私も昨年のベスト3に入れてただろう。

では、私にとって昨年のベスト3は…そのうち二つはすでに紹介しているので、今回はずっと紹介したくて、し損ねていたCOLDPLAYの3rdアルバム「X&Y」を紹介。

COLDPLAYとの出会いは2ndアルバムの「A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD」(邦題 静寂の世界)からなのだが、この「X&Y」は残念ながら2ndアルバムを越えられなったという印象がある。しかし、それもかなり高レベルでの話で、叙情派ともいうべき世界はUKの現役バンドでダントツの存在感を示している。

1曲目の「Square One」からその世界は全開で、シングルカットされたバラード「Fix You」、ピアノが特徴的な「Speed Of Sound」、ギターが印象的な「Talk」など名曲を並べて、ラストのアコースティックナンバー「Til Kingdom Come」にいたるまで、浮遊感あふれる音の世界が広がる。

彼らの特徴は音の分厚さだろうか。ボーカルの声質もちょっとこもった低音から、綺麗な裏声まで、ひとつの楽器といっていい。そこにリバーブのかかったギターやキーボードが絡み、決して派手ではないがつぼを押さえたドラムとベースが底を支える。

残念なのはCCCDだということ。MP3プレーヤーに取り込んでインナーホンで大音量で聴いたらきっとその空間力が楽しめただろうに…

定番度90% うるさいだけのROCKに飽きたアダルトな、それでいて若者にも受けるROCKが好きな方へ 

「X&Y」- COLDPLAY/CD

このリンクからプロモクリップが見られます。

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February 26, 2006

ハイクオリティなデビューアルバム「Back To Bedlam」

james

TVから流れてきたメロディ…その美しさに惹かれた曲は「You're Beautiful」
そのシンプルな言葉のサビ部分だけが流れていたのだが、深く心に刻まれた。

最初はそのハスキーボイスときれいなバラードということでRod Stewartの新曲かと思った。
そこでネット検索。アーチストはJames Bluntという人で、これがデビュー作だということが分かった。
「You're Beautiful You're Beautiful
 You're Beautiful It's True」
なんとシンプルで心のこもったワードだろう。
英語力がなくても十分分かるし伝わる。

改めて音源を入手して聴いているが、John Lennonのバラードにも匹敵すると思う。
最近の所では「Travis」や「Cold Play」に近い、ブリティシュトラッドを取り込んだRockの延長線だろうか。ただ、彼の場合はバンドではなくシンガーソングライターということなので、アコースティックな魅力もある。

アルバムのほかの曲も佳曲が多く、1曲目の「High」、ラストの「No Bravery」がお薦めかな。

彼自身のプロフィールにも面白いところがあるのだが、そんなバックボーンよりも音を聴いてもらったら気に入ってもらえると思う。

後で知ったのだが、ドラマの挿入歌に使われているらしい(そのドラマは見たことがないが…)だからTVで曲のコマーシャルもしているんだろう。おかげで、この名曲に出会えた。感謝。

定番度 80% (今後もこういう名曲を残してくれたら100%になると思う)

Back To Bedlam - James Blunt/MP3

このリンクからプロモクリップが見られます。

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February 24, 2006

CFのおかげで再認識「Diamond Dogs」

dogs
ボーダフォンのCFで、V6の岡田君がいい男ぶりを発揮しているバックに、小気味いいギターのリフが流れてくる。シンプルなリフの繰り返しと4ビートのドラム…瞬間、懐かしさが充満した。

この曲はDavid Bowieの名曲「Rebel Rebel」
そこで長く聞いてなかったこのアルバム「Diamond Dogs」を引っ張り出して聴いた。

アルバム自体の印象は薄く、イントロに続く「Diamond Dogs」と「Rebel Rebel」あとは「1984」あたりが聴きどころか。

Bowieの長い歴史の中で、このアルバムは「Ziggy Stardust」の大ヒットの後に作られ、このアルバムまでがグラムロックの時代じゃないだろうか。この後は「Low」「Heros」といった欧州耽美派・「Lets Dance」などのアメリカナイズMTV時代となっていく。それらも好きなのだが、グラムロック時のBowieもかっこいい。

アルバムジャケットが気持ち悪いと敬遠する人もいるようだが…

カルト度 80% CFの曲が気になった人はどうぞ

「Diamond Dogs」 - David Bowie/CD

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February 16, 2006

60年代UKの青春像「QUADROPHENIA」

who 先週の週末、仏教青年会の集い(法座)に先生として参加し、気持ちは充実していたものの身体的な疲れが強く、月曜日は緊急の連絡だけ処理して一日のんびりすることに決めた。
前に買っておきながら見てなかったDVDから「さらば青春の光」を選んだ。

 

原題はQUADROPHENIA(四重人格)で、いまなお現役のロックレジェンド「The WHO」の作った同じタイトルの2枚組みアルバムのストーリーを元に映画化されたもの。もともとアルバムも、ジムという主人公を軸にしたストーリーで構成されている。

 

MODSという60年代の生き方があるのだが、そのグループに属する青年を中心に当時のUKが切り取られている。対抗するロッカーとの暴動、ドラッグ、セックス、そして家族、仕事との関わり。抑圧された日常と発散される日常が描かれていく。そして若者達のイベントを境に失っていく家族・仕事・仲間・愛…。

 

その全編に「The WHO」の音楽が鳴り響き、そのファッションやべスパにかっこよさを感じていた。

 

クライマックスはすべてを失いかけた主人公に唯一残された希望…MODSのカリスマへの憧れが”否”とされたとき、すべての意味をなくしていく。

 

この映画を見て出てきた思いはいろいろ。
抗争シーンでは同じ時期のUSAの若者を描いた「ウォリアーズ」という映画を思い出し、やはりUKのほうがスマートでおしゃれだと感じたし、権力から逃れようとするところでは「いちご白書」を思い出した。ただ、それらを見たのは私もまた青春時代であり、映画の中の主人公に同調していたのだが、今の年になってみる”青春映画”はちょっと遠い位置からしか見れない感じ。昔見た映画を懐かしんで見たり、昔見れなかった映画を見ることはあっても、新作の青春ものにあまりそそられない自分だということを再認識させられてしまった。

 

他のMODSメンバーに比べ、カリスマを演じるスティング(元POLICE)がかっこよすぎる。MODSであるときも、”おち”である普段の姿にしても。

 

UKサブカルチャーの歴史を見たい方にお勧め。

 

カルト度 80%

 

QUADROPHENIA - DVD

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