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March 31, 2005

ノイズ中毒…仕事に没頭するときは「Happy songs for happy people」

happysongここ数日決算などのデスクワークが昼夜を問わず続いている。
こういうときは意識に障りのない音楽を好んでいる。

MOGWAIについては前にも書いた(2005/1/22)が、基本はインストでノイズをうまくちりばめる不思議な音楽。今回紹介する「Happy songs for happy people」はスタジオ録音ではいまのところ最新作で、今までに比べて”轟音”と言う感じは少なく、結構静かに聞き流せる。

1曲目の「Hunted By A Freak」から、綺麗なギターアルペジオを中心にしたインストが続く。それでいて、バックにはやはりノイジーな効果音が(笑)この程度ならギターインストって言って聞かせても文句言われないだろう。フレーズ的にはミニマル手法の繰り返しフレーズがほとんどなので、軽いトランス状態にも引き込まれる。

4曲目の「Killing All The Flies」は本領発揮のノイズ。それも静かな展開が延々続くと思われるところにワンポイントで轟音を入れるのだからインパクト抜群。しかもその後はまた静かなフレーズが…

6曲目の「Ratts Of The Capital」は全編緊張感あふれる曲。MP3プレイヤーで街中で聞いているときには一番ひきつけられる曲だ。

その後最後の曲まで、また静かな展開が続いていく(もちろんところどころにノイズをちりばめながら)

このアルバムや前に紹介した「Rock Action」に、他のアルバムやEPの曲などを全部再生リストに入れて延々流しながら仕事する。気がつけば3時や4時などざらになってしまうのである。
で、気がつけば、仕事してたのかトリップしてたのか分からんことになっていたりする。

カルト度 やっぱり90%か?

Happy songs for happy people - MOGWAI MP3

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March 29, 2005

頭が無機質になっていく…「The Man-Machine」

man_machine最近ラジオで聞いてはまった曲がある。「トンガリキッズ」の「B-DASH!」という曲で、昔なつかしの某有名TVゲームの音楽をサンプリングし、その歌詞はそのゲームにはまったものなら思わずニヤリとしてしまうものだ。(ネタバレになるので、これ以上詳しくは書かない)これはきっとテクノなんだろうと思う。

頭からその曲が離れないのだが、わずか5分のその曲ばかり何百回も聴いているわけには行かないので(30回は聞いたかもしれない 笑)今日そこから派生して聞きまくったのがKraftwerkドイツのバンドで、テクノの父である。
このアルバムが出たころはYMOがはやっていて、そこからテクノというものを知っていった時代で、同時に江口寿史の「すすめパイレーツ」というマンガも好きで、よくパロディねたにされていた。逆に言うと、当時とってもおしゃれな存在だった。音楽的にはそれ以前の「Trans-Europe Express」や「AUTOBAHN」が好きだけど、Kraftwerkで一番インパクトが強いのはジャケット込みでこのアルバム。

1曲目の「The Robots」からピコピコ音全開。電子音をバックにボコーダーつかって「We are the ROBOTS」なんて、のどを震わせながら「わ・れ・わ・れ・は・う・ちゅ・う・じ・ん・だ~」と子どもがやるのと同じくらい”ベタ”なのですが、これがなければ音楽界でのシンセサイザーの進化はなかったと断言します。

2曲目「Spacelab」はYMOライクなアップテンポのナンバー。

3曲目には「Metropolis」これも「未来都市」ですからシンセによる未来観の定番と言えますね。

4曲目の「The Model」はテクノをバックにした歌もの。

5曲目の「Neon Lights」は、このアルバムで一番好きな曲。一般的には地味なんですが、ほのぼのしたボーカルとシンセサウンドの微妙な”ズレ”感覚が、「テクノ=ガチガチの無機質」と言うイメージを翻して、アバウトな感じを出していて好きです。

ラストの「The Man-Machine」はまた一転して未来感覚のバリバリテクノ。余韻を残すといより、余韻を作って終わると言う感じでしょうか。

今のテクノってのは幅広くなって、全面コンピューターミュージックなものから、人間を無機質に取り込むものや、バッキングに徹するテクノがあったりしますが、この「Kraftwerk」と「YMO」が残した功績は絶大なものがあります。

カルト度 70% 

The Man-Machine - Kraftwerk MP3

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March 08, 2005

映画のサントラ兼カバー集OST「I am Sam」

sam映画の感動の余韻が残る間に、手に入れちゃいましたオリジナルサウンドトラック「I am Sam」
映画の中では、BEATLESのカバー曲とインストの曲が使われてたんだけど、サントラはカバー曲だけ(あとで調べたらインスト曲だけのサントラも別にあった)で、劇中に使われた以外のカバー曲も入っていて、サントラの面とカバーコンピの面と1枚で2度おいしいという…

アーチスト見てると結構知らない名前があったりして、むしろ先入観無しに楽曲を楽しめる。

オープニングから「Two Of Us」「Blackbird」「Across The Universe」と場面は思い出せないけど、アコースティックなおとなしめのナンバーが続く。そう、映像とマッチしてこれらの曲の良さがあったはずなのに、昨日BEATLESのオリジナルを聞いたらイメージが切り離されてしまった…BEATLES好きにとってはオリジナルが強すぎるんだよねぇ。これが映画「卒業」とサイモンとガーファンクルの組み合わせだったら、楽曲を聴いただけで映画のワンシーンが浮かぶんだけどね。

そんなかでも「You've Got To Hide Your Love Away」は映画の中で引き裂かれた娘に会いに行きながら、幸せそうな様子を見て引き返すシーンとリンクして覚えてる。この曲はBEATLESの映画「HELP」の中でも効果的に使われてたのを思い出す(リンゴの頭を足でこづいてリズムをとるジョン…の図)

あとは「Golden Slumbers」くらいが映画の中で確実に使われていたと断言できる。
それ以外は使われてなかったか印象が薄いか…

カバー曲の出来としてはオリジナルに忠実に、かつ無難にちょっとアレンジって曲がほとんどで、それではオリジナルに勝てんやろって感じかな。

崩したアレンジで上手く入ってるのが「HELP」アコースティックにして「Strawberry Fields」みたいなサイケ色を少し加えて面白いアレンジにしてる。後期のBEATLESがやったらこんなアレンジしたかもしれない。
微妙なのが「Revolution」全然違う曲に仕上がってて、オリジナルと比べようがない。これはある意味カバーとして成功ってことやね。
きばりすぎて駄目にしちゃったのが「Julia」これは元曲が好きなだけに却下!!!
そして「Let It Be」これもオリジナルへの思い入れが強すぎるから誰がやっても駄目。ポール自身がいろんなエイドものでやるのも嫌。(昔フェリーエイドかなんかでビッグアーチストが次々歌ったやつなんかも大げさで辟易)

基本的に、アコースティック色の強いアルバムだから、気軽に聞くのにいいみたい(「Let It Be」はどうしても大げさになっちゃうけどね)

映画を思い出したい人は前半だけで、後半いらないね。
インスト曲もまぜた普通のサントラにしても良かったのに。

定番度 40% (レンタルして好きな曲だけ集めるくらいでいいかも)

I Am Sam(Original Soundtrack) - VARIOUS ARTISTS MP3

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March 06, 2005

いろんな音楽の玉手箱 「The Beatles」(White Album)

white昨日TVで映画「I am Sam」を見た。映画も良かったが、私にとってはそこに流れるBEATLESナンバー(他のアーチストによるカバーだが)が素晴らしく、映画にウルウルしながら口ずさんでいた。今日は仕事で電車で移動なんで、MP3プレーヤーの出番。しかし、このサントラは持ってないのでオリジナルを数枚聞いていた。場面とマッチしてよかった「TWO OF US」、「Across The Universe」の入った「LET IT BE」、「Golden Slumbers」のはいった「ABBY ROAD」はすでに紹介しているので、「Blackbird」の入っている「The Beatles」通称「White Album」を取り上げる。

サーフサウンドの「Back in the U.S.S.R.」から、サウンドコラージュの「Revolution 9」まで(曲の最後はミュージカルのエンディングのような「Good Night」)あらゆるジャンルが詰まっている2枚組みの中で、BEATLESの中で5本の指に入るラブソングの名曲がいっぱい入っている。

まずは2曲目「Dear Prudence」 これは今でもLOVE SONGの編集MDなどを作るときには1番に収める。ジョンの声がアコースティックのアルペジオにのせて幻想的に歌われる曲。「Back in the U.S.S.R.」の喧騒の後だけに、不思議な空間に取り込まれるようだ。
そして「Blackbird」これはポールの曲で、先の来日公演でも相変わらずの甘い声で歌われたが、本当は深い意味(反黒人差別)が込められている。この曲のアコースティックはずいぶん練習したもんだ。すでに指が覚えてるから、3回くらい弾いたらそこそこ出来るようになるかな。
ディスク2に移って「I Will」「Julia」とポールとジョンの歌が続く。これはもうジョンの圧勝。この「Julia」はこの頃のジョンにしてはすごくシンプルな作りのラブソング。これもアコースティクのアルペジオが素敵。
「Long, Long, Long」「Cry Baby Cry」「Good Night」とバラード系の名曲がいっぱい。

一方、ミディアムテンポでは「Ob-La-Di, Ob-La-Da」「Martha My Dear」「Piggies」と佳曲がそろってるが、やはりここもジョンの「I'm So Tired」が一番。「おれはもう疲れたぜ」なんてことをこれだけの歌にしてしまうんだから、やはり只者ではない。
さらにハードなナンバーではジョージの「While My Guitar Gently Weeps」これはERIC CRAPTONがゲスト参加した名曲で、タイトルどおり泣きのギターが満喫できる。「Birthday」はパーティソング。ヨーコやリンダといった連れ合いのコーラスもはいって楽しい。続いて入っている「Yer Blues」は一転してジョンのディープなナンバー。こっちは「寂しい、死にたい」とくりかえし、先の「I'm So Tired」といっしょで能天気(?)なポールと対照的で面白い。能天気と言えば「Everybody's Got Something to Hide Except Me And My Monkey」ばなんて曲もある。そんなポールもやれば出来るぜって感じでディープに仕上げたのが「Helter Skelter」これはBEATLESで一番HEAVYMETALな曲かな。

他の曲もいいけど、アルバムとして聞くとハイだったりディープだったり、いろんな要素がつまりすぎてきつい(笑)アルバム単位では「 Sgt. Pepper's 」、固まりとしては「Abbey Road」のB面、思いいれは「Let It Be」それに対して、好きな曲がいっぱい入ってるのはこのアルバム、という位置づけが私の中にある。

そうそう、当然LPの時代に買ったのだが、LPは真っ白なジャケットに、エンボス処理で「The Beatles」と刻まれているのと、通し番号が刻印されていた。こういうジャケットの楽しみはやっぱりアナログがいいよね。

定番度 100%

The Beatles(White Album) - The Beatles LP/CD/MP3

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March 02, 2005

ブリティッシュ・トラッドとロックのはざま 「Every Picture Tells A Story」

every_picture昨日ずっとStonesを聞いていたら、今日はふとRod Stewartが聞きたくなった。年代も同じ頃で、オーラのあるボーカルと言うつながりか。その中でも、なんと言ってもこのアルバム「Every Picture Tells A Story」

このアルバムはLP時代に買ったけど、最初の目的は「Maggie May」
中学生時代、リアルタイムでは「Sailing」(これも名曲)が流行っていて、ラジオから流れるRodの曲を追っかけてるときに聞いた「Maggie May」が気に入って、レコード屋に入ってるアルバムを探しに言った。それがこのアルバム。なんかジャケットが古めかしくて(そういうデザインだったんだけど)かっこいい。

針を落として1曲目、表題曲の「Every Picture Tells A Story」ブリティッシュトラッドのアコースティックイントロからロックンロール。アコースティックでここまでかっこいいロックンロールが飛び出してくるとは意表をつかれた。女性コーラスとからむRodのボーカルは文句なし。

2曲目は「Seems Like A Long Time」というバラード、3曲目に「That's All Right」というロカビリー(プレスリーが歌ってたっけ)トラッドの定番「Amazing Grace」(なぜかクレジットはされていない)をはさんで、トラッドの「Tomorrow Is A Long Time」まで、一気に聞かせる。

サイドが変わって「Maggie May」クレジットされていないトラッド調のアコースティックの小曲が露払いをして、アコースティックのイントロにつづいてスネアが入ってヴォーカルがはじまる。最高のLOVE SONG。このしゃがれ声でないと、この曲の味は出ないね。同時期にやっていたFacesというバンドでも演奏してたし、後年のライブでも散々演奏されてるけど、このアルバムに入っている哀愁感が一番。ヴォーカリストとしての絶頂はアメリカに渡ってからなんだろうけど、ブリティッシュの匂いはこのアルバムが一番だし、この頃のRodが一番好き。

続く「Mandolin Wind」の素敵で、さわやかな気分のところへ後半のクライマックス「I'm Losing You」が始まる。この曲はRodがハードロックをすればこうなるって感じのナンバーで、RodがボーカルのJeff Beck Group「Shapes Of Things」と並ぶハードなRod Stewartが聞ける。バックの演奏も抜群で、ギターリフやドラムの絡みなど、クリームやZepにもひけをとらない。
余談だが、後年TVでRodのライブを見ることがあったが、ドラムにカーマイン・アピスを迎えてこの曲を演奏したときのドラムソロは大迫力だった。

そして余韻の中「Reason To Believe」で締めくくり。この曲もいいバラードだ。

それぞれ名曲・佳曲ぞろいで、ベスト版やリメイクで聞けるんだけど、ぜひアルバム単位で聞いて欲しい。

(定番度 70%)

Rod Stewart- Every Picture Tells A Story LP/CD/MP3

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March 01, 2005

Stonesの変革期「Let It Breed」

let_it_bleed今日は久々にStonesに惹かれていた。
月末の仕事をあれやこれや夜中までやってるときにStonesの音は元気をくれる。
しかし所々、単純なロックンロールや渋いブルースとは違う、複雑な音の絡まりを聞かせてくれるナンバーがある。前に紹介した「Sympathy For The Devil」もそうだが、同じ時期に作られた「Gimme Shelter」もそういう1曲だ。この曲に関してはライブでの演奏のほうが好きで、どの時期・どのメンバーで演ってもすばらしい。その大元になるスタジオテイクがはいっているのがこのアルバム「Let It Breed」である。このアルバムを境にメンバーの出入りがあって、アルバムとしてはいろんな側面を持っているように思う。

オープニングがこの「Gimme Shelter」ギターのフレーズ(これはブライアンだろうかミック・テイラーだろうか)にソウルフルな女性コーラスが絡み、キースのギターが絡んでくる。が、やはり肝はミック・ジャガーのボーカル。ロックン・ロール・シャウトでもブルージーでもないのだが、しっかり自己主張するボーカル。テクニックではなく、オーラがある人だと思う。

その後一転して渋いブルースナンバー「Love In Vain」やベースがかっこいい「Live With Me」などが続いた後の「Midnight Rambler」が中盤のハイライト。ストーンズの中では一番ナチュラルなブルースナンバーじゃないだろうか。

そして賛否両論のラストナンバー「You Can't Always Get What You Want」
少年(?)コーラスから始まるこの曲、このコーラスには?だが絶品のバラードだと思う。ミックの粘っこいボーカルがはまりにはまっている。

若い頃はひたすら1曲目とラストナンバーばっかり聞いていたが、あらためて通して聞いてみると年食った今だから気に入る曲が多いアルバムだ。派手さはないが、渋さでじんわりと好かれるアルバムじゃないだろうか。

(定番度 70%)フォーティリックスでストーンズファンになった若者はぜひ。

The Rolling Stones - Let It Bleed MP3

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