ある意味間違って買ったLP 「TOMMY」
このブログを始めてから、思い出のあるものをネットから入手して聴いたりもしているのだが、このアルバムもその1枚。
「the who」 の 「TOMMY」である。
ロックに目覚める前はよく映画音楽を聞いていたと書いたが、「TOMMY」という名前も映画で知っていた。また、FMから録音した映画音楽のテープに「TOMMY」のサントラの曲が入っていた。その曲が入っているのがこのLPだと思っていた。
中学生の頃買っていたマクセルのカセットテープに「UD」というブランドがあって、キャンペーンとして「UDストックキャンペーン」をしていた。カセットについている応募券を送って「ウッドストック」のフィルムコンサートを当てた。予備知識無しで見に行った「ウッドストック」の映像の中で惹かれたのがジミ・ヘンドリックスとこのwhoだった。ギターのピート・タウンゼントが腕を風車のように回して弾くのがかっこよかったし、ロジャーダルトリーのボーカルも迫力満点だった。そのとき演奏していた曲の中の「See Me Feel Me」という曲が頭に残り、レコード屋に行った。しかし、whoのコーナーを探してもその曲名が見つけられなかった。
その後、レコード屋で何を買おうかと探していたときにこの「TOMMY」に出会った。サントラで聴いていたシンセバリバリの曲を思い出して、2枚組みで予算的に辛かったのだが思い切って買ってしまった。そして、レコードに針を落として、あの曲が始まる…と思いきや、全然違う曲が始まる。そう、サントラは映画「TOMMY」のもので別物。その映画の元になったのがこのアルバム「TOMMY」だったのだ。しかし、こっちもかっこいい。いや、こっちのほうがかっこいい。
そして聴いているうちに2度目のサプライズ。例の「See Me Feel Me」が聞こえてくるではないか。LIVEではそれだけで1曲になっていたのだが、このフレーズがコンセプトの一部として色んな歌に入り込んでいるのだ。
この「TOMMY」というのは、三重苦の少年の物語をロックで表現したコンセプトアルバム。その少年の心の叫びが「See Me Feel Me Toche Me Heal Me(僕を視て、僕を感じて、僕に触って、僕を治して)」と言うフレーズで随所に繰り返される。そして、最後の曲で「Listenning to you I get a music」というようなフレーズを繰り返すミュージカルの大団円のような曲で盛り上がり終わっていく。このあたりは第2回目に書いた「Dark Side of the Moon」の終盤とおなじにおいを感じる。単調なメロディを繰り返しながら、歌詞が変わっていくのがイギリスの詩の世界なんだろうと思う。
その後、WHOの別のアルバムを聞いていくとWHOというバンドのイメージはまったく変わり、このアルバムが異質なんだと気付く。やっぱり、LIVEバンドなのだ。だからWHOで一番好きなアルバムといわれたら別のものをあげる。
しかし、一番思い出に残るアルバムは、問われればこのアルバムをあげるだろう。
余談だが、レンタルビデオというものが出来てから、映画の「TOMMY」を見ることが出来た。TOMMYのストーリーが映像によって少しは分かりやすくなったが、映画はストーリー重視というよりエピソードの連結という感じだったので映画としては今ひとつ。ただ、ゲスト陣がエルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナーなど名だたるミュージシャンで、アルバムとはまた違った演奏が聴けてその点では満足。もちろん、最初に気に入ったサントラ版TOMMYのテーマが使われていた。
(定番度 30%)
*TOMMY - the who LP/MP3
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