ジャケットのインパクトNo.1…でも中身はもっと…「In The Court Of The Crimson King」
ひきつづきプログレを紹介。King Crinmsonの「In The Court Of The Crimson King」(邦題「クリムゾン・キングの宮殿」)を紹介。キングクリムゾン(以下KCと略す)も歴史が長いバンドで、ギターのロバート・フリップ以外は入れ替わりが激しく、途中休止期間もあったりして、KCの名前は同じでもアルバムごとにかなり印象が違ってくる。また、KCの名前を使わずに「projeKct」名義で似たことをやったりと、よほどのマニアでなければ全貌をつかむことは難しいと思う。しかも、ロバートフリップが所蔵する古いLIVE音源を引っ張ってきて、コンピュータ処理して(ノイズをとったり、バランスを整えたり)公式盤としてつぎつぎ発売したりするから、マニアはついていくのが大変だったりする。(私は…マニアの入り口辺りかな)時代時代で好きなアルバムが変わったり、昔嫌いだったアルバムが大人になってその素晴らしさに気がついたり、油断できないバンドである。
この「In The Court Of The Crimson King」は彼らのデビューアルバムになるが、妙にリアルな赤ら顔のアップのイラストジャケットで有名だったり、BEATLESのアビーロードが10週以上チャートのトップだったのを蹴落として1位になったアルバムとして有名だったりする(その話を裏付ける資料が無いとも言われているが)
また、このアルバムの1曲目「21世紀の精神異常者」のフレーズがCMにつかわれていたりもしたから、「聞いたことがある」と思う。
このアルバムを一言で(言えるわけ無いが無理やり)言うと、「?」なアルバムだと思う。ハードなロックかと思えばJAZZを彷彿されるインプロがあったり、バラードかトラッドの曲があるかと思えば退屈な(最初はそう思った)即効演奏があったり、プログレって感じの荘厳な曲があったりする。しかし、何度も聞いていくと”動”の陰にある”静”の部分に素晴らしさがあるようだ。
KCを最初に意識して聞いたのは、FMでエアチェックした2曲目「I Talk To The Wind(風に語りて)」3曲目「Epitaph(墓碑銘)」の2曲だった。ジェットストリームだったかな?夜中に比較的スローな音楽を集めて、DJは控えめでずっと音楽を流す番組だったと思う。そのころはPinkFloydから入って、プログレに興味持ってたから、FMレコパル(笑)でKCやYESやEL&Pなんて名前を見つけたら録音しまくってた。タイマーなんて便利なものは無いから、時間前にラジカセの前に陣取って、その曲の番になったら録音ボタンをON(笑)今の若者には考えられないだろうけど、ラジオとエアチェックテープが宝物やったよね。
話を戻して、この「Epitaph」がひたすらかっこよかった。それから1年後くらいだろうか、ラジオの特集で土曜日の夜中3時ごろの番組が4週にわたってKCのアルバムを全曲かけるというプログラムがあって録音しまくった。まだREDが最新アルバムだったから、80年代クリムゾンとして復活する前の話。そうしてやっとこのアルバムを全曲聴くことが出来た。
いきなりハードなギターリフ、歪んだボーカル、ホーンセクション、叩きまくるドラム…先の2曲のイメージは全然無い。しかしすごい。その後先の2曲が続いて、B面になるのだが4曲目の「Moonchild」の後半がすごく静かな曲で、静か過ぎてラジオのノイズが気になり早送りの対象になっていた(笑)この曲のよさを知ったのはCDを買ってからやね。そして最後の「Court Of The Crimson King」がまたかっこいい。いままでアルバムの中でつむぎだしてきた”動”と”静”がこの1曲に凝縮されている。最近、年をとってこの曲がより好きになってきた。
音的には「メロトロン」という楽器が特徴的。今ならシンセでいろんな音を作ることが出来るだろうけど、メロトロンはキーボードで演奏するとテープに録音された別の楽器の音を鳴らすという不思議な楽器で(実物を見たことは無いのだが)その構造のため独特の味があるようだ。フルートのような繊細な音がよく使われている。
このアルバムの後、似た路線を続けるKCだが、このアルバムを越えるものは無い。メンバー一新して方向転換してからはいいアルバムも残すが、名前がKCというだけでこのアルバムとは違うバンドだといえる。ファーストアルバムにして、最高作…。
(定番度 80%)
In The Court Of The Crimson King - King Crimson CD
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始めまして、「吉田研究所」と申します。私は今月からブログを立ち上げ、プログレについてコラムを書いてます。ジャンルはプログレですが、ほかにも興味や、趣味に関しても今後取り上げていきたいと思います。
現在はプログレや音楽についてブログを立ち上げている方々のサイトを徘徊している日々です・・・もし、気が向きましたら当方の「吉田研究所のコラム」も見ていただければと思います・・・宜しくお願い致します。
Posted by: 吉田研究所 | December 18, 2004 11:04 AM