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December 26, 2004

The End Of BEATLES 「Abbey Road」

abbyroadアルバムの発売順としては「LET IT BE」がラストアルバムと言う扱いになるが、これは映画のサントラとしての発売も考えられていたため製作から発売まで紆余曲折があって遅れたようだ。その間に(一部は映画「LET IT BE」の撮影中に)録音された、BEATLESが最後に録音したのがこの「Abbey Road」ということになる。

もう4人の心は離れてバラバラの状態の作品、と評する人もいるが、私はその製作現場がどうあれ、今私の耳に届いている音を大事にしたいと思っている。だからこれも立派なBEATLESのアルバムだ。

A面は4人それぞれの個性が出た曲が並んでおり、Georgeの「something」がその中で光っている。曲もいいのだが、Paulのベースがとてもいい。後期BEATLESのベースはただルート音や和音をなぞる基本プレイではない、すばらしいベースラインだ。自分で唄う曲よりも他のメンバーの曲で特に目立つ。歌で目立てない分少しでもベースプレイで目立とうとしたのだろう(笑)
そしてA面はJohnのディープなナンバー「I Want You (She's So Heavy)」で終わる。

B面にうつって、またもやGeorgeの傑作「Here Comes The Sun」から始まる。この曲のアコギは一生懸命コピーしたものだ。そして、BEATLESコーラスワークの集大成的な「Because」へと移り、後半のメドレーへと続く。
BEATLESで一番好きなアルバムはと聞かれれば「Sgt. Pepper's」だし、好きな曲はと問われれば「Dear Prudence」を筆頭にJohnの曲をあげるのだが、「一番好きなのは」と聞かれれば迷わずこのPaul主体のメドレーをあげる。特に「She Came In Through The Bathroom Window」から「The End」にかけてのPaulの曲はBEATLESの最後を飾るにふさわしいアレンジの妙を味わえる。1曲1曲がシングルになる曲ではないが、トータルで聞くとそのすばらしさが伝わると思う。もうひとつ、この「The End」のRingoのドラミングはハードロックのドラマーたちとはまた違った迫力がある。音数(手数)は少ないのだが、的確に幅のあるドラミングをしている。やはりこの人はドラムが上手い。

余談だが、Johnの「imagin」というドキュメンタリー映画を見たときに、突然Johnの自宅に押しかけた若者が「あなたは僕に”重荷を負え”と言うメッセージを残した。だから僕は頑張って、そしてこうしてここに来た」と言う場面がある。このメドレーの「The End」の前の曲が「Carry That Weight」と言う曲で「ボーイ、君はこの重荷を背負うんだ、ずっと負って行くんだ」と言うメッセージなんだが、これはPaulの書いた曲。BEATLESのPaulとJohnの曲はどちらも「Lennon-McCartney」名義なので仕方ないのだが…。で、そのときJohnは「あれはPaulの曲だ。僕のメッセージじゃない、さあ帰ってくれ」と追い返すが、その若者は立ち去ろうとしない。次の場面では、一緒に食事をしていた。
そう、私も「Carry That Weight」は最初に聞いたときから好きな曲だ。

今まで書いてなかったが、BEATLESのLP(日本盤)には必ずライナーノーツが入っていて、各曲の解説・歌詞・対訳が載っていた。洋楽はBEATLESから入ったし、最初はBEATLESばかり買っていたからそれが当たり前だと思ってた。今にして思えば、そうやって必死に歌詞と訳を見ていたから少し英語のヒアリングと理解力が鍛えられたんだと思う。実際、彼らのラブソングの歌詞は綺麗だしね。

(定番度 100%)

Abbey Road - BEATLES LP/CD/MP3

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December 25, 2004

BEATLES後期のはじまり…「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」

sgt_pepperずっと使ってたMP3プレーヤーが壊れて困っていたのだが、このたび新しいプレーヤーを入手た。HDタイプで容量は20G。まずはBEATLES全作品をMP3化してインストールた。容量も余裕だし音もいい。(WINDOWS派なので、某リンゴ社製ではない)

ということで今回は「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」を紹介。もう、BEATLESに関しては曲の細かい説明は要らないでしょう。4人それぞれの持ち味が出てるし、シングルヒット曲はなくてもいい曲ばかり。ジャケットも話題性抜群。細かいところまで凝った音作りも最高。ただ、懲りすぎたために、当時の技術ではLIVEでの再現が不可能になり、以後観客をいれてのコンサートは開かれなかった。

初めて聞いたのは中学1年。LET IT BEでBEATLESの洗礼を受けてから、「青盤」「オルディーズ」などのベスト盤を買い揃えていった頃に、友人が持っていたこのアルバムを借りて聞いた。いわゆるシングルヒット曲がなかったんだけど、「Lucy In The Sky With Diamonds」「Good Morning Good Morning」がお気に入りで、そして和訳を見たときに中学生ながら哀愁を感じた「She's Leaving Home」がお気に入りだった。このころはPaulの甘いバラードが好きだったかな。
しかし、何度も聞き込むうちに「A Day In The Life」に引き込まれていった。この曲自身もいいのだが、このアルバムの最後にこの曲があることがいっそう価値を高めている。ピアノの音が余韻が消えるまで響くエンディングは、Rock・Pops通じて最高のエンディングだと思う。

その後自分でもアルバム(LP)を買ったのだが、友人から借りたLPと違うところがあった。「A Day In The Life」のあと、レコードの一番内側にシークレットトラックがあって、エンドレスで声(歓声?)が入っているのだが、私が買ったものには入っていないのだ。いろいろ調べてみたが、そういう仕様があることはまだ聞いていない。もしかしたらプレスミスかも知れない。貴重盤ならマニアに高く売れると思うのだが…。CDでも持っているのだが、これはLPのようにエンドレスに出来ないから、繰り返しながらフェードアウトするという風にしてあり、思わず笑ってしまった。

BEATLESで一番好きな曲となるとほかのものになるのだが、一番好きなアルバムと言われれば迷わずこのアルバムを選ぶ。

(定番度 100%)

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band - BEATLES LP/CD/MP3

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December 18, 2004

ジャケットのインパクトNo.1…でも中身はもっと…「In The Court Of The Crimson King」

crimsonひきつづきプログレを紹介。King Crinmsonの「In The Court Of The Crimson King」(邦題「クリムゾン・キングの宮殿」)を紹介。キングクリムゾン(以下KCと略す)も歴史が長いバンドで、ギターのロバート・フリップ以外は入れ替わりが激しく、途中休止期間もあったりして、KCの名前は同じでもアルバムごとにかなり印象が違ってくる。また、KCの名前を使わずに「projeKct」名義で似たことをやったりと、よほどのマニアでなければ全貌をつかむことは難しいと思う。しかも、ロバートフリップが所蔵する古いLIVE音源を引っ張ってきて、コンピュータ処理して(ノイズをとったり、バランスを整えたり)公式盤としてつぎつぎ発売したりするから、マニアはついていくのが大変だったりする。(私は…マニアの入り口辺りかな)時代時代で好きなアルバムが変わったり、昔嫌いだったアルバムが大人になってその素晴らしさに気がついたり、油断できないバンドである。

この「In The Court Of The Crimson King」は彼らのデビューアルバムになるが、妙にリアルな赤ら顔のアップのイラストジャケットで有名だったり、BEATLESのアビーロードが10週以上チャートのトップだったのを蹴落として1位になったアルバムとして有名だったりする(その話を裏付ける資料が無いとも言われているが)
また、このアルバムの1曲目「21世紀の精神異常者」のフレーズがCMにつかわれていたりもしたから、「聞いたことがある」と思う。

このアルバムを一言で(言えるわけ無いが無理やり)言うと、「?」なアルバムだと思う。ハードなロックかと思えばJAZZを彷彿されるインプロがあったり、バラードかトラッドの曲があるかと思えば退屈な(最初はそう思った)即効演奏があったり、プログレって感じの荘厳な曲があったりする。しかし、何度も聞いていくと”動”の陰にある”静”の部分に素晴らしさがあるようだ。

KCを最初に意識して聞いたのは、FMでエアチェックした2曲目「I Talk To The Wind(風に語りて)」3曲目「Epitaph(墓碑銘)」の2曲だった。ジェットストリームだったかな?夜中に比較的スローな音楽を集めて、DJは控えめでずっと音楽を流す番組だったと思う。そのころはPinkFloydから入って、プログレに興味持ってたから、FMレコパル(笑)でKCやYESやEL&Pなんて名前を見つけたら録音しまくってた。タイマーなんて便利なものは無いから、時間前にラジカセの前に陣取って、その曲の番になったら録音ボタンをON(笑)今の若者には考えられないだろうけど、ラジオとエアチェックテープが宝物やったよね。
話を戻して、この「Epitaph」がひたすらかっこよかった。それから1年後くらいだろうか、ラジオの特集で土曜日の夜中3時ごろの番組が4週にわたってKCのアルバムを全曲かけるというプログラムがあって録音しまくった。まだREDが最新アルバムだったから、80年代クリムゾンとして復活する前の話。そうしてやっとこのアルバムを全曲聴くことが出来た。
いきなりハードなギターリフ、歪んだボーカル、ホーンセクション、叩きまくるドラム…先の2曲のイメージは全然無い。しかしすごい。その後先の2曲が続いて、B面になるのだが4曲目の「Moonchild」の後半がすごく静かな曲で、静か過ぎてラジオのノイズが気になり早送りの対象になっていた(笑)この曲のよさを知ったのはCDを買ってからやね。そして最後の「Court Of The Crimson King」がまたかっこいい。いままでアルバムの中でつむぎだしてきた”動”と”静”がこの1曲に凝縮されている。最近、年をとってこの曲がより好きになってきた。

音的には「メロトロン」という楽器が特徴的。今ならシンセでいろんな音を作ることが出来るだろうけど、メロトロンはキーボードで演奏するとテープに録音された別の楽器の音を鳴らすという不思議な楽器で(実物を見たことは無いのだが)その構造のため独特の味があるようだ。フルートのような繊細な音がよく使われている。

このアルバムの後、似た路線を続けるKCだが、このアルバムを越えるものは無い。メンバー一新して方向転換してからはいいアルバムも残すが、名前がKCというだけでこのアルバムとは違うバンドだといえる。ファーストアルバムにして、最高作…。

(定番度 80%)

In The Court Of The Crimson King - King Crimson CD

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December 15, 2004

とりあえず最後まで聞いてみて…「Close To The Edge」

edge今のところ一番反応が良いのがプログレネタ。ネットを見渡しても結構お好きな方(マニアック)が多いようで(笑)
かく言う私もお好きでして…大御所といわれるところは一通り耳にしてますが、今回はYESを取り上げます。

プログレの中では比較的POP寄りで、ヒット曲も(たまに)あるバンドですが、メンバー入れ替わりが激しく、それぞれに好みが合って、ファンの中でもどのアルバムが一番か論争の絶えないバンドです。その中で私が選ぶのは「Close To The Edge」邦題は「危機」彼らの5枚目のアルバムです。
最初に集まったメンバーからギターが変わり(スティーブ・ハウ)、ついでキーボードが変わって(リック・ウェイクマン)「Fragile(こわれもの)」という傑作アルバムを出した後、この「危機」を最後にドラマーが交代する(このアルバムまでビル・ブラフォード)ので、この最強メンバーでの最後のアルバムとなります(LIVEは除く)。後にYESの代名詞となる20分級の大作を確立したアルバムで、A面に1曲、B面に2曲の3曲だけですが、その全てが今でもLIVEで取り上げられる名曲ぞろい。

YESの魅力は、ボーカル(ジョン・アンダーソン)のハイトーンボイス、変拍子をこともなげにクリアしていくリズム隊、荘厳(大げさ)なキーボード、他に比を見ない凄腕ギター、抜群のコーラスワーク、そしてなによりもアンサンブルの絶妙さ。それらがバランスよく仕上がってるのがYES。テクニックだけならKing Crimsonの方がすごいだろうし、荘厳さならEL&PやGenesisも持ってるし、他の要素でもいいバンドはいろいろあるけど、バランスと分かりやすさでは一番。インプロ(即興演奏)っぽく仕上げても、LIVEでそのとおり再現するから、ちゃんとメロディーとして成り立っているから聞き易い。

プログレ好きの私でも、「狂気」以前のPink Floydを好んで聞くようになったのは20過ぎてからだし、King Crimsonが好きになったのは30過ぎてから。10代のころから好きだったのはやはりYESになる。やっぱ、若い頃は分かり易いのがいいんだ。

この「Close To The Edge」1曲目の表題曲の魅力は緊張感。各メンバーが目いっぱいの演奏を破綻ぎりぎりのところでぶつけ合うのが伝わってくる。一見つぎはぎのような曲だけど、私にはバランスよく感じる。続いて2曲目「And You And I(同志)」は一転して綺麗な曲。それでいて、中盤の盛り上がりは絶妙。来日公演(8人YESの時)に一番感動したのはこの曲だ。(ちょっと大げさ感に磨きをかけすぎてはいたが…) そして3曲目はYES ROCKの定番「Siberian Khatru(シベリアン・カトゥール)」LIVEのオープニングに使われることも多く、一気に盛り上げるナンバー。うーん、捨て曲なし。

このアルバムは、中学時代に友人から新品を買った。(なぜ、新品を友人が売っていたかは…)
前に書いたように「狂気」でプログレの世界に入ってから、ラジオでいろいろ聞いてたけど、こういう時間の長い曲はなかなかオンエアされないし、リアルタイムで知っていたのは「究極」「トーマト」の頃だったから、聞いてぶっ飛んだのをおぼえてる。その頃はA面ばっかり聞いてたような…。

YESに関しては、メンバーが変わったら名前は同じだけど別のバンドと思うようにしている。それぞれに特徴があるから。CDも全部買ってるし、今でも新譜がでたら無条件で買っちゃうけどね。でも、私にとってのYESは、この4・5枚目の時のメンバー。最高です。

(定番度 80%)

*Close To The Edge - YES LP/CD

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December 14, 2004

永遠のフェイバリット「Plastic Ono Band」

johnこのブログやりだしてから、70年代の音楽を聴きなおす機会が増えたように思う。
最近のものにもそれなりに思い入れはあるけど、やっぱ多感な時代(笑)に影響受けたものは身体に音が染み付いている。

今回紹介する「Plastic Ono Band」はJohn Lennonのアルバムで「ジョンの魂」っていう邦題のほうが通りがいいと思う。
Johnについては今さら説明する必要は無いと思うが、このアルバムはBEATLESを解散して最初のアルバム(在籍時に何枚かソロアルバムは出している)であり、おそらく一番有名な「イマジン」の前に出しているアルバム。

これを始めて聞いたのは、中学生の頃、FM番組でBeatles4人のソロを毎日1枚づつ取り上げていて、Johnの日がこのアルバムだった。もちろん全部エアチェックしてた。(確かポールは「Band On The Run」ジョージは「Best Of」リンゴは…なんだっけ?)
この頃はレンタルもなかった分、アルバムまるまるオンエアする番組が結構あって、すごく楽しみにしてたよなぁ。

「ジョンの魂」に戻って、このアルバムの魅力はまずいきなりの鐘の音。そして「マザー」の歌いだし…今でも涙が出てくる。
母親や父親に対する思い(断絶への悲しみ)を単調なバッキングに載せて絶叫し続ける歌…。クライマックスは「Mama don't go!Daady go Home!」のリフレイン。全然スマートじゃない、あけすけの曲。でも、いつまでも頭から離れない。

そのあとはやさしい曲「Love」「Look at Me」やハードな「Working Class Hero」「Well Well Well」などが続くが、「God」で再び心の叫びがクライマックスを迎える。「キリストを信じない 仏陀を信じない…」と、今まで影響を受けてきたものを否定し続けるJohn。そして最後には「Beatlesを信じない」と締めくくる。そのあとに「Just beleave in Me,Yoko and Me」と続く。今で言うならカミングアウトというか開き直りというか、逆に洋子さんとの関係をのろけてると言おうか…。しかし、中学生にはこの否定の羅列はショックだった。

さらに、この次のラスト曲が「My Mammy's Dead」と続くのだから…

この頃からだろうか、Beatlesを聞いてても、それまではPaulの甘ったるいバラードが好きだった私が、「Dear Prudence」や「Strawberry Fields Forever」などのほうが好きになっていたのは…

去年、CDのリマスター盤が出たから欲しいなとも思ってるんだけどボーナストラックがついてるんだよなぁ…。「My Mammy's Dead」のあとに余韻を残してプチプチと音の残るLPのイメージがあるのに、そのあとに「パワー トゥ ザ ピープル」(スポーツ用品のCMで使われてるな)は無いよなぁ。いや、言い曲だけどさぁ。

だから、もしこのアルバムに興味を持って聞こうって言う人は、11曲目までで一旦切るようにして欲しい。

(定番度 100%)

*Plastic Ono Band - John Lennon LP/CD

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December 12, 2004

どれから選ぶか…難しい 「Led ZepperinⅢ」

zep3小学生でBEATLESの洗礼を受けてから、中学に入ると友人達と情報交換やLPの貸し借り(この当時レンタルレコード業はまだ確立されていなかった)を通じて様々な音楽に触れていくのだが、同時に家にあったギターを弾きだす様になった。当然、ギタリストに関心を持ちながら音楽を聴くようになる。最初はリフのコピーから始まり(やはりSmoke on the Waterは通るべくして通ったな)次にソロらしいソロ(代表はHotel Californiaか)とたどっていくのだが、Zepを聴いてぶっとんだ。リフはリフでかっこいいのだが、ソロが今まで聞いたものと全然違う。今となっては「手くせ」の連続なんだということが分かるのだが・・・(笑)

私のフェイバリット度からいけば、本来は2回目くらいに紹介してしかるべきなんだが、回り道してしまった。ZepのLPを手にしたのは、2枚組みの「Physical Graffiti」からという変わり者なのだが(そのあたりはいずれ…)Zepを知ったときは「Presence」が出た頃だった。結局全LPを買ったのだが、その中からまず選ぶとしたら「Ⅲ」
曲の知名度からいけば「天国の階段」が入った「Ⅳ(4シンボルス)」なんだろうけどね。

ZepのCDは紙ジャケシリーズが発表になったときに一気に全部そろえた。そのころはまだCDの紙ジャケなんて珍しかったんだが、Zepのアルバムの魅力は毎回凝ってるジャケットにもあるしね。まぁ、LPで全部持ってるから(サイズもでかいし)あえて買わなくてもいいんだけど、どうせ買うなら、と紙じゃけのときに一気に…
ちなみに「Ⅲ」のジャケットは表に何箇所か穴が開いていて、ジャケットの中の円盤を回すとその穴からいろいろ見えてくるという…だからなんだといわれればそれだけなんだけどね。

このアルバムはZepの中ではアコースティック色が強いアルバムだといわれている。その面で好きなのは「Tangerine」とか「Bron-y-Aur Stomp」これだけでもいいアルバムやね。一方でRock色が強いのが「Immigrant Song」や「Celebration Day」LIVEでもおなじみだし、間違いなくかっこいい。しかし、私にとってはなんと言っても「Since I've Been Loving You」に尽きる。

今ならブルースの名演はいくつも聴いてるけど、リズム重視のロックや、メロディー重視のバラードをおっかけてた中学生が始めて触れた"ブルース”だった。
重いドラム、うねるベース、語るような歌からシャウトまで変幻自在のボーカル、そして時には歌に絡み時にはため息をつくように奏でられるギター…大人のRockだった(笑)
決して上手いと思えない(謝)ギターなのに、迫力がある。
おそらくブルース大好きな人から見れば「これは違う」(あるいは物真似だ)といわれるかもしれない。Rock好きからは「かったるい」といわれるかもしれない。ヒットソングにもなれない。洗練されてもいない。
そやけど、私はこの曲が好きなんや。(広島風に言うなら好きなんじゃ~)

今になれば、他にもZepのブルースナンバーで好きな曲もいくつかある(「Tea for One」「I Can't Quit You Baby」)けど、インパクトはこの曲が一番だと思う。

他のアルバムでのZepの魅力はもっと重いブルースではない曲が唯一無二だと思うし、紹介したい曲はいっぱいある。一番好きなアルバムと問われても答が出ないくらい全てのアルバムが好きだ。
しかし、「Tangerine」と「Since I've Been Loving You」がはいってるからこのアルバムをまず挙げておこう。

(定番度 100%)一度はレンタルして聞いてみよう。

*Ⅲ - Led Zeppelin LP/CD

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December 09, 2004

ある意味間違って買ったLP 「TOMMY」

tommyこのブログを始めてから、思い出のあるものをネットから入手して聴いたりもしているのだが、このアルバムもその1枚。
「the who」 の 「TOMMY」である。

ロックに目覚める前はよく映画音楽を聞いていたと書いたが、「TOMMY」という名前も映画で知っていた。また、FMから録音した映画音楽のテープに「TOMMY」のサントラの曲が入っていた。その曲が入っているのがこのLPだと思っていた。

中学生の頃買っていたマクセルのカセットテープに「UD」というブランドがあって、キャンペーンとして「UDストックキャンペーン」をしていた。カセットについている応募券を送って「ウッドストック」のフィルムコンサートを当てた。予備知識無しで見に行った「ウッドストック」の映像の中で惹かれたのがジミ・ヘンドリックスとこのwhoだった。ギターのピート・タウンゼントが腕を風車のように回して弾くのがかっこよかったし、ロジャーダルトリーのボーカルも迫力満点だった。そのとき演奏していた曲の中の「See Me Feel Me」という曲が頭に残り、レコード屋に行った。しかし、whoのコーナーを探してもその曲名が見つけられなかった。

その後、レコード屋で何を買おうかと探していたときにこの「TOMMY」に出会った。サントラで聴いていたシンセバリバリの曲を思い出して、2枚組みで予算的に辛かったのだが思い切って買ってしまった。そして、レコードに針を落として、あの曲が始まる…と思いきや、全然違う曲が始まる。そう、サントラは映画「TOMMY」のもので別物。その映画の元になったのがこのアルバム「TOMMY」だったのだ。しかし、こっちもかっこいい。いや、こっちのほうがかっこいい。
そして聴いているうちに2度目のサプライズ。例の「See Me Feel Me」が聞こえてくるではないか。LIVEではそれだけで1曲になっていたのだが、このフレーズがコンセプトの一部として色んな歌に入り込んでいるのだ。

この「TOMMY」というのは、三重苦の少年の物語をロックで表現したコンセプトアルバム。その少年の心の叫びが「See Me Feel Me Toche Me Heal Me(僕を視て、僕を感じて、僕に触って、僕を治して)」と言うフレーズで随所に繰り返される。そして、最後の曲で「Listenning to you I get a music」というようなフレーズを繰り返すミュージカルの大団円のような曲で盛り上がり終わっていく。このあたりは第2回目に書いた「Dark Side of the Moon」の終盤とおなじにおいを感じる。単調なメロディを繰り返しながら、歌詞が変わっていくのがイギリスの詩の世界なんだろうと思う。

その後、WHOの別のアルバムを聞いていくとWHOというバンドのイメージはまったく変わり、このアルバムが異質なんだと気付く。やっぱり、LIVEバンドなのだ。だからWHOで一番好きなアルバムといわれたら別のものをあげる。
しかし、一番思い出に残るアルバムは、問われればこのアルバムをあげるだろう。

余談だが、レンタルビデオというものが出来てから、映画の「TOMMY」を見ることが出来た。TOMMYのストーリーが映像によって少しは分かりやすくなったが、映画はストーリー重視というよりエピソードの連結という感じだったので映画としては今ひとつ。ただ、ゲスト陣がエルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナーなど名だたるミュージシャンで、アルバムとはまた違った演奏が聴けてその点では満足。もちろん、最初に気に入ったサントラ版TOMMYのテーマが使われていた。

(定番度 30%)

*TOMMY - the who LP/MP3

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December 06, 2004

あえて選ぶなら・・・「Beggars Banquet」

beggers60年代から90年代まで、とりあえず選んで見たんで、今後はその時々に聞いてるものから拾っていきたい。

山ほど取り上げたい中から、今回はThe Rolling Stonesをピックアップ。じつはストーンズは最近出た「FORTY LICKS」しかCDを持ってない。LPにいたっては0枚だったりする。しかし、カセットでかなりのアルバムを聞いた。

ストーンズってバンドは60年代から今も現役で活動してるから、一時代だけ切り取ってうんぬんできるわけが無い。が、あえて語ると、ストーンズは二つの側面を持ってると思う。時代に合わせ、いろんな音楽を取り込むスタジオアルバム面と、どんな曲を演ってもストーンズ節になってしまうライブ面と。で、私なんかはライブ面が好きだったりするから、お行儀よく演奏してるスタジオアルバムはあまり聞かない。(ライブのブートは聴くのが好きだ)
実際、最近出たBEST盤である「FORTY LICK」にしても、CMで使われてたりする定番のバラード系は良かったりするが、LIVEで盛り上がり定番の曲は物足りなかったりする。「Brown Suger」「Jumpin' Jack Flash」「Satisfaction」など、LIVEで(多少音を外しながらでも)イントロが流れたらもう鳥肌である。

と、散々スタジオアルバムをこき下ろしてきたが(笑)ストーンズの絶妙な曲作りを楽しめるのはスタジオアルバムだったりする。その代表として「Beggars Banquet」もちろん、このアルバムのオープニング「Sympathy For The Devil(悪魔を哀れむ歌)」に尽きる。BEATLESと比較されがちなストーンズではあるが、この世界はBEATLESには出せない。これだけシンプルな音数でどうしてこんな深みのある曲が出来上がるんだろうか。すごテクのミュージシャンがあつまってコピーしてもこの雰囲気は出せないだろう。(ストーンズもLIVEで演るけど、この曲に限ってはスタジオ盤のほうが好きだ)
あと「Street Fighting Man」も秀作。こちらはLIVE向けの定番。
ほかのアコースティックナンバーもいいんだなぁ。

このアルバムへの思い入れの一端に、学生時代の先輩が組んでたバンドがこのタイトルをバンド名にしてたことがある。ストーンズナンバーをコピーしてた先輩がかっこよくて、Beggars Banquetって名前が頭に刻み込まれた。

それまで、LIVE盤かオンタイムの70・80年代ストーンズを追っかけてた私が、旧作に遡りだしたのはこのアルバムから。

今年初めの来日公演を見に行ったけど、もう演奏力や歌唱力じゃない…オーラに圧倒されたLIVEだったよなぁ。日本で言うなら還暦だぜぇ…。年代わけやカテゴリの外にいるバンドやね。

(定番度 90% ただし、これだけがストーンズだと思わないように)

*Beggars Banquet - The Rolling Stones MP3

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December 02, 2004

癒しブームのさきがけ「The Cross Of Changes」

enigma2つづいて90年代からひとつ。
じつは90年代ってリアルタイム聞いてるのって少なくて、ここ5年の間にOASISからPRIMAL SCREAMから、かなりのCDを集めました。どうしてかっていうと、このころは昔聞いた70年代80年代のCDを買いあさってたから。仕事してある程度お金が自由になって昔欲しくても買えなかったアルバムや、LPで持ってるけどプレイヤーをしまったから聞けなくなってたものを、CDで買いなおしてた。実際、プログレの大御所やZEPやBOWIEなんかほとんど揃ったもんねぇ。ま、その辺りは今後少しづつ紹介するとして、今回取り上げるのはそんな90年代にリアルで気に入って即買いした”ENIGMA”の2NDアルバム「The Cross Of Changes」

このバンドは1枚目からの「SADENESS」って曲がそこそこヒットして、ラジオからよく流れてた。デジタルビートとグレゴリオ聖歌を融合させたサウンドで結構気に入ってたけどアルバムを買うほどではなかったな(その当時はね)
でも、この2枚目からの「RETURN TO INNOCENCE」って曲をラジオから聴いたときは一目(?)惚れして、CDショップへ走った。そのときは4曲入りのCDシングルのほうで買ったんだけど、何度も繰り返し聞いたなぁ。その4曲が同じ曲のEDIT違いだったからそれこそどれだけ同じ曲を繰り返し聞いたことか。

閑話休題、「RETURN TO INNOCENCE」でサンプリングされている民謡のような唄があるけど、これは台湾のディファング(郭英男)という人が唄っている曲で、たしか言葉の代わりにこういう唄いで意思のやり取りをしていた部族の伝承曲だったと思う。偶然タワレコでこの人のCDをみつけ、これも即買いしてしまった。デジタル抜きの素朴なこの歌声もお勧めの一つ。

ENIGMAにもどって、その後、アルバムとしてこの「The Cross Of Changes」を買ったんだけど、これがまた他の曲もすばらしく、80年代以降のプログレがヒット狙いに走るか、テクニックに走るかしていたなかで、トータルに「世界観」に浸れる久々の出会いだった(先に紹介した「狂気」がその世界観を持つ代表選手かな)

最近は、このアルバムのような浮遊感や浸り感を「ヒーリングミュージック」と呼ぶようになったけど、ENIGMAは癒しとはちょっと違う気がする。ボーっと聞くんじゃなくて、入り込んで聞く感じかな。

ヒーリングが流行って、コンピアルバムのシリーズには「RETURN TO INNOCENCE」が採用される事が多いけど、ぜひアルバム単位で聞いて欲しい。
お勧めはもちろん3曲目の「RETURN TO INNOCENCE」と、後半7、8、9曲目とつづくあたり。

(定番度 50% カルト度50%  好き嫌いがあるとは思う)

*The Cross Of Changes - ENIGMA CD

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