July 18, 2024

大画面で見ようパート4 「ベンハー」

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次に大画面で観たくなったのは「スペクタクル」
近年のCGによるものではない、実際に大セットを組み、人員を動員して表現したスペクタクル
でDVDラック眺めて選んだのが名作である本作

キリスト生誕から受難までと同じ時代を主人公「ベン・ハー」の物語として描いた作品
ローマとユダヤの対比、迫害と復讐の物語
そこにキリストの軌跡を絡めたストーリー

町並みはおそらくセットなんだろうけど、街丸ごと作ったんじゃないかといくらいの壮大さ
そこに軍隊が行進してくるんだけど、今まで小さなテレビでは気づかなった、”延々”町の外まで続く隊列や、それを迎える何千人の群衆が大画面を占めるさまは圧巻
キリストが説教する丘の場面でも、人があふれている

これだけのエキストラと衣装などを用意して、ほんの数分のシーンに仕立て上げる贅沢さ
もちろん、本物だから感じる圧倒感がある

あと、今のタイムパフォーマンス的な考え方では考えられない、イントロダクションとして壁画のアップに音楽だけが響く5分ほどの始まり
途中休憩をはさむときも数分間、その壁画と音楽の時間
(そういえば2001年も数分間音楽だけのイントロがあった)
それらを含み、ほぼ4時間の映画

で、お目当ては後半の戦車戦(4頭の馬が引く2輪の馬車)
当時の(私が生まれるより前だ)機材でどう撮影したのか、圧倒的な迫力
本物のすばらしさはここにある

蛇足として、ジュリアーノ・ジェンマがその他大勢で映ってる
でも、そのオーラはほかのエキストラとは一味違っていてすぐ気づいた

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July 17, 2024

大画面で見ようパート3 「グランブルー」

111 宇宙・大地と来たので、次は「海」を大画面で観ようと
でDVDラック眺めて選んだのがリュック・ベンソン監督の同作

フランス映画だけど、原題は「Le Grand Bleu」
アメリカ公開時に「THE BIG BLUE」とされ、DVDのタイトル画面はこちら
その後監督が再編集した長尺版が「Le Grand Bleu/VERSION LONGUE」で、持ってるDVDはこのバージョン
3時間弱の大作

ドラマとしては二人の潜水競技者の友情と一人の女性の物語
男二人・女一人・海といえば、「太陽がいっぱい」「冒険者」などフランス映画のお家芸

ロケーションはギリシャの海(最初はモノクロ)、アンデスの凍結湖、シシリーの海、再びギリシャの海と、どこも素晴らしい
真っ白な岩肌、空と海の藍
そして深海の暗さ
大画面ならではの迫力がある
(お色気シーンも大画面)

画面いっぱいにアップになるジャン・レノの色男ぶりったら半端ない

CGでは表せないものがここにはある

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July 16, 2024

大画面で見ようパート2 「未知との遭遇」

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自分の中でSF好きになった中坊の頃、それ以前に「JAWS」を観て映画監督に興味を持ったころでもある(部屋にはスピルバーグのポスターを張っていた)
なので、映画雑誌で観ていて期待値MAXで観に行った記憶がある
原題は「Close Encounters of the Third Kind」日本語にして「第三種接近遭遇」
なんか無茶苦茶ミステリアスでかっこいい
「We are not alone」というキャッチコピーも秀逸だった

で、今回久々に大画面テレビで鑑賞
一番驚いたのは夜空の星々のすばらしさ
先の「2001年宇宙の旅」も宇宙空間で星々はきれいだが、宇宙空間では星はまたばかない
地球上では空気があるからまばたく
広大なアメリカの片田舎の夜空はさぞ壮観なんだろう
ストーリー上大停電が起こるのでさらに素晴らしい夜空になる
蛇足だが、スピルバーグの描く夜空には必ずどこかに流れ星がある(今もそうかは知らないけれど)
それを探すのもファンのお楽しみ
あと、スピルバーグのお得意芸は、未知なるもの(サメやUFO)の姿がなかなか現されないこと
この映画でも最初に出てくる不思議な光は車のヘッドライトで、次の同じシチュエーションを描きながらそれが「異物」であるというワクワク感

で、共通の不思議体験をした人々が導かれて一大イベントになる
小型のUFOが乱舞して、音と光の洪水をショーの用に見せる
これでイベント終了と思わせて一度クールダウンさせてからの主役登場
ここが大画面で観たかった
同時期のスターウォーズも圧倒的な宇宙船を見せてくれたけど、こちらは地球上の自然物と対比させての圧倒感
日本人的に表すなら、富士山を背景にそれより大きなものが空を埋めるという感じか
もうこのシーンだけでおなか一杯

この映画で宇宙人をチラ見せしたスピルバーグは、やがて「E.T.」でがっつり宇宙人との遭遇を描く

思えば、SFがサイエンスフィクションからスペースファンタジーとなるきっかけの映画かもしれない

 

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July 09, 2024

大画面で見ようパート1 「2001年宇宙の旅」

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大画面テレビを買ったので、DVDコレクションから色々見ようかと
で、最初のチョイスはもちろんこの作品

公開時(1968年)はがきんちょだったんで観てませんが

リバイバルを映画館のスクリーンで観、レンタルビデオの時代にブラウン管テレビで観、DVD時代になったら購入し、液晶テレビを買ったら一番に観、大画面ノートPCのモニター企画に当選したときはキャンプ場に持ち出し夜空の下で観、「午前10時の映画祭」でやると聞けば再びスクリーンで観ようと出かけ…
再び大画面(といっても55インチ)がリビングに鎮座した記念に観なおしました
いやぁ、何度観ても興奮です

キューブリックの映像美は定評ありますが、やはりこの作品が一番
漆黒の闇とまっ白なディスカバリー号の対比
その後のSFの基本となるような白を基調にした宇宙船内部
のちの「シャイニング」につながる、不気味な無機質の通路
そして、機械音や推進音も排除した、全く無音の宇宙空間

ストーリーは理解することを拒否したもの
これを難解ととらえ、考察をかさねるという道もあるでしょうが、むしろ理解を超えたものがテーマなんで
アーサー・C・クラークの原作を読んで補完すれば違う楽しみ方もできるでしょうか

人知を超えた「オーバーロード」との邂逅は、解説されて理解するようなものでもないでしょうし
ドラマの好きな方には無理な作品かもしれませんね

ともあれ、この先品を知ったことでキューブリック作品としれば観ずにおれなくなりましたし、クラークの小説もすべて追っかけました

私の思想に大きな影響を与えた作品であることは間違いありません

 

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June 17, 2024

Pink Floyd 「The Dark Side Of The Moon」50周年記念イベント

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アルバム「狂気」発売50周年記念のイベントに行った
50年前、このアルバムをプロモーションするのにプラネタリウムを利用したことにちなんで、プラネタリウムで特別映像と友に大音量、5.1チャンネルの音響で聴くというもの
もちろん、メンバーのライブではなく(キーボードのリックは亡くなってるし)、あくまでアルバムを聴くというものだ

思えば、50年前に発売された作品に触れたのは中1だから48年前か
(その思い出から語りだすと長くなるので、以前の記事をご覧ください
http://manu.moe-nifty.com/manu/2004/11/dark_side_of_th.html
擦り切れるくらい聞いたレコード
CDになってからも、MP3プレーヤになってからも何十回何百回と聞いている
ギターでも何度でもコピーに挑んだ(当然デイビッドの味は出せない)

このイベントを知ってか予定表を眺めてすぐに申し込んだ
そして待ちに待った当日

会場は私と同じ年代がほとんどだった気がする
アナウンスによると、この日は完売だったそうだ

プラネタリウムの天井を見上げながら演奏を聴く
映像はこのために作られたもので、宇宙のイメージ
ピラミッドをモノリスのように扱い、地球から月、太陽系、銀河、外宇宙と旅を続ける
アポロから始まり、ボイジャー、ISSなどが取り入れられ、宇宙を旅する
まぁ、映像はあまり期待していなかった
アルバム自身の完成度が高くて、ビジュアルの助けはいらない
それに、「Dark Side Of The Moon」というタイトルとプログレということでスペーシーなイメージも持たれるが、それは比喩で、本当はインナースペース、つまり私の内面、内なる狂気を表しているアルバムだから
(そのあたりも以前の記事で取り上げている
http://manu.moe-nifty.com/manu/2009/07/pink-floydthe-d.html

と、前置きが長くなってしまった(それだけまだ興奮状態にある)
では、今回のイベントで何が素晴らしかったか
それは大音量で、360度の空間で、このアルバムの音を聴けたこと

「Speak to Me」
おなじみの心音から始まる
アルバムジャケットの内側にある、プリズムで虹色に分かれた線を心電図のように鼓動が走る映像がプラネタリウムの壁を360度めぐる
笑い声などのSEが全天に広がる

「Breathe」
デイブのアルペジオとスライドギターが大音量で響き渡る
映像もいろいろ工夫してたけど、2001年宇宙の旅イメージなだけで、まぁ予想通り

「On the Run」
ひたすら回り続けるシンセサウンドとSEに浸る
アルバムで聴いているときより長く感じた気がする(もちろん気のせいだ)
そして目覚ましのベルとビッグベンの鐘が鳴り響く

「Time〜Breathe (Reprise)」
前奏の乾いたタムの音が初めて聴くくらいに響いてくる
これが大音量の効果だと思う
こんなにかっこいいと思ったのは初めてだ
またギターのディレイもしっかり音が分離してて、立体的な音響の効果が出ていた
欲を言えばベースの低音も大事なんで、もっと体中に響くように設定してほしかった
ライブ用の音響じゃないから、仕方ないかもしれないけど…

「The Great Gig in the Sky」
前半で一番期待していたナンバー
ピアノとスキャットだけの曲だけど、大音量でこのスキャットに没入するだけで身体が浮遊していく
母性をかんじるんだろうか、ゴスペル的なスキャットに包まれる安心感
緊張感漂うアルバムの真ん中でこの曲は活きている

「Money」
唯一ISS内のコンピュータ画像が映像の軸になってる
曲の「俗世間」性を表現したかったんだろうけど、ちょっと興ざめ
そういう俗っぽさを眺めているのが2001年のHALを想起させるレンズっていうのも狙いすぎた感じがして…
でも、サックスソロとデイブのギターソロとは満喫できる
オーバーダビングされた複数のギターが360度の空間を埋める音響は素晴らしい

「Us and Them」
この曲はベースの低音が良く響いていた
他の楽器が抑え気味の恩恵か
非常にきれいな曲だけど、この歌詞に隠された「戦争批判」を知っているとまた違って聞こえる
ボーカルのディレイが立体的に響いて素晴らしかった

「Any Colour You Like」
全曲で気持ちを盛り上げてクライマックスへと導くブリッジとなるインスト曲
一種のクールダウン効果か
ここでも複数のギターが分離されて空間を埋め尽くす

「Brain Damage」
デイブのアルペジオとチョーキングのフィルインが浮遊する
その中を告白するような「狂った内面」
歌詞を知らなければ、きれいな曲だと思うだろう
ゴスペル的なコーラスと混じりながら叫ばれる「I'll see you on the dark side of the moon」
素晴らしい、完璧だ
そしてクライマックスへ

「Eclipse」
数かすの言葉の羅列
それらが
「太陽の元ですべては調和している」
なんてポジティブな言葉
しかしそれがその次の歌詞で吹き飛ぶ
「でも太陽は月に覆い隠される」
出来事としては、毎日照らしてくれる太陽が「日蝕」によって隠される時がある
そう太陽を隠すのは「月」だ
「月」とは私の「狂気」の象徴
ここまで来ると、映像や音響はどうでもよくなっていた
ただこの言葉に大音量で包まれるだけだ
当然のように涙がこぼれていた

そしてすべての映像が消え去り、暗闇の中を鼓動だけが響き渡る
会場すべての人が余韻に包まれていた

至福の時間だった

 

 

 

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June 02, 2024

映画『シド・バレット 独りぼっちの狂気』

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以前、エリッククラプトンのライブ映画を観に行ったミニシアターで予告編を観てからずっと気になってた映画「
シド・バレット 独りぼっちの狂気」が上映されたので観に行った
当日朝チケット予約をしたときは、平日のこともあって私一人独占状態
映画館につくとほかにも奇特な方がおられたようで、7・8名の観客が
(まぁ、私と同じ年代な感じ)

映画が始まり、俳優を使ったイメージパートをブリッジに、彼の生い立ちに合わせて関係者の証言が続いていく
気になったのは、そのイメージパート
BGMが「Shine on you crazy diamond」なのだ
もちろん、PinkFloydから入った私はこの曲の意味は知っている
しかし、Pink Floydに頼りすぎだという偏向イメージをもたせるものだ
思えば映画の和訳タイトルも「一人ぼっちの狂気」としている
原題は「Have You Got It Yet?」であり、狂気のかけらも何もない

そう「狂気」はPink Floydの代名詞だ
(まぁ、アルバム「狂気」も原題のかなり無理やりな意訳になっているが)
しかし「Shine on」も「狂気」も音楽としてはシドは関わっていない
シドの半生を探るのには最初期のPink Floydは良いとしても、ヒット作にあやかるのは…

と、相変わらずのへそ曲がりぶりを感じながら映画を観ていく
学生時代のエピソードから、バンド初期の創作活動
ライブの様子などを貴重な動画で観ていると、彼の才能にしびれてくる
こんな感覚に浸れるならドラッグ文化も捨てたものじゃないとさえ感じる
(60年代に英国で育っていたら私も染まっていたかもしれないとさえ思える)

絶頂期から混迷期へ
そして破綻
やはりドラッグはダメだ、触れないでよかったと思える

残されたメンバーや知人たちが振り返る姿
もちろん、今になっての美化はあるだろうが、なんとかソロアルバムを完成させようとする仲間たちの姿や、ヒット作のあとにあえて自己の内面をつらつらとつづるロジャー。ウォータースの姿
ここでやっと「Shine on you crazy diamond」が活きてくる

ある意味、このインタビューまでこの曲を封印していたら、さらに劇的にこの曲が作られた「その時」を衝撃的に味わえたかもしれない
すでにそのストーリーは様々な文献で知っていたにせよ、シドの歴史をなぞったうえでのロジャーの想いに触れることは涙なしに居られない

シドが居たからこそのPink Floydだということを改めて感じる

それにしても、パパラッチはなんて残酷なんだ

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January 09, 2024

ライブレビュー「キツネの嫁入り」One Man Live 2023 その2

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第2部はひさよさんのソロ「青天井」からスタート
きっちりアナウンスするわけでもなく、気が付けばひさよさんだけスタンバっていて弾き始めている
皆が徐々に静かに引き込まれていく
「消えない影」「最後の朝焼け」
オリジナルデュオでの演奏が続く
静かな伴奏にマドナシさんの優しい声が響く
「最後の朝焼け」に関しては私自身の思い込みが強く、イントロが流れた時点で目頭が熱くなる
十数年前、縁あってマドナシさんと出会い、この曲に出会った
その後、いくつもの別れもあった
それでも”いまここに私”が居続けている
ホーンが印象的な新曲をはさんで「せん」
ベース入りの4人編成になったころの名曲
バンドっぽい音で変拍子と楽器ごとに違うリズムを組み入れる複雑な曲
これがメンバー編成変わるごとに「同じ曲か」ってくらいに雰囲気変わる
そう、それはころころバンド編成かえながらも進化を遂げるKingCrimsonに匹敵する進化だ
「BGM」「ヤキナオシクリカエシ」
同じように昔の曲が続くドラムの変化とホーンの味付けが今の編成の味になってる
ただ、とがったシャウトが持ち味だった部分が少し丸くなってる気がした
マドナシさんが歳を重ね親になってきたことでの変化かな
「swimmingman」「loopgirl」
最新アルバムからの曲が続く
まだライブでは聞きなじんでいない分、ゆったりとリズムに乗ることを心掛けて聴く
ドラムがかっこいい新曲をはさんでいよいよクライマックス
「山羊は死刑台に上らない」
ベースのリズムを軸にノルのだけど、いろんなリズムが絡んでくる、気持ちの悪い心地よさ
ホーンがねちっこく絡むところが今の編成の味なんだろうな
「狂想」
リズムの洪水が心地よい破綻しそうで破綻しない張り詰めた名曲
いやもうどの楽器に集中してリズムに乗ればいいのか
いや、リズムに乗ることをはなから曲批されている
四の五の言わずに没入しとけと
「standardboy」
最新アルバムからの静かな曲で本編終了

アンコール
「死にたくない」
以前からアンコールでよく聞けるが今夜は少し違う感じで響いてきた
そのPVの雰囲気でみんなで明るく踊るようなイメージがあるけど、「最後の夜明け」で揺り動かされた気持ちで聞くと、すごく深く響く
『死にたくない』と『もう死にたい』の対比
再び涙があふれてきた
「俯瞰せよ月曜日」
こちらもあなじみの曲だけどホーンの絡みが今までと違う側面を見せてくれる
そしてひさよさんのコーラスが余韻として脳内に響き渡る
『言葉はいつも足りないから』

ワンマンで初期の曲から最新の曲まで、じっくり堪能させてもらった
日々あふれてる数多の音があるけど、縁であり偶然であり必然のつながり
キツネの嫁入りに出会えてよかった

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December 26, 2023

ライブレビュー「キツネの嫁入り」One Man Live 2023 その1

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いろんな予定を何とかやりくりして、久々にワンマンライブに参加できた
SNSで告知を知ったあと、マドナシさんの書き込みなどを通じて十数年にわたるお付き合いから想起されるいろんな感情がぐつぐつと色めき立っていた
そう、彼らの音楽は、心を揺さぶる何かがある
いつもより早めのスタートに合わせて、また長時間に耐えるべくしっかり椅子席を確保するため早めに会場に入る
マドナシさんひさよさんがお出迎えしてくださった
ただのバンドパートナーだったお二人が、夫婦となり親となり…
年月は感じつつ、変わらぬ雰囲気のお二人だ
一人席に座り、静かに開演を待つ

「最終兵器」
新しめの曲の中で一番「言霊」を感じる曲がオープニング
抑えめのバンド演奏にのってマドナシさんの言葉が響いてくる
毎年ワンマンをしている会場だけあって、音のバランスが良く、言葉がよく聞こえる
「雨の音」
初期の名曲
ひさよさんのボーカルとコーラスが堪能できる
4人編成の頃の曲だが、サックスが加わることでメロウな雰囲気が増す
ただ、ひさよさんのコーラスと同じフレーズをなぞるところは逆にコーラスのアンニュイさを打ち消してしまっていた気がする
いやただ単純に私がひさよさんの声を聴きたいからだけなのだが

「One Day」「考えないバード」「同じ顔の行進」「黒に近いブルー」など、最近のアルバムからの曲が続く
今の編成に合わせた曲はドラム中心にリズムが厚みを増しだす
その分、マドナシさんの言葉が埋もれてしまうのは仕方なくも寂しい気がする
キツネの嫁入り自身がメンバー編成に合わせて音楽が変化してきたのか、音楽を変化させるために楽器編成の変化が必要だったのか
単純な変拍子(この言葉が意味不明だが)から、複雑な編成によるポリリズムのような変拍子に変遷してきたってこともあるかも
そのリズムに乗り切れると非常に楽しい

サックスソロからの「dodone」「もえる街」
と少し抑えめの演奏で再び言葉がよく届く曲が続く
「奴ら」
静かな展開からの怒涛の演奏
プログレっぽさ満開の曲で圧倒したあと
「キヤスメ」
名曲で再び言霊を前面に出して1部が終了

他にも新曲が数曲あったと思うけど静かに聞かせる曲と演奏で圧倒する曲の両極が素晴らしいと感じる内容だった

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October 22, 2023

何度目かのスターウォーズ マイブーム

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映画のエピソード9が上映されてから何年たつだろうか
1作目(EP4)からのファンにとっては、その時点でスカイウォーカー・サーガが終わった
もちろん、名作なのでDVDやBDでも何度も観なおした
リアルタイムで経験した上映順に一気見したり、エピソード順に一気見したり
スピンオフのハン・ソロのあとは、ハン・ソロに注目してEP4から見直したりもした

で、ディズニー・プラスでドラマのスピンオフが始まり、マンダロリアンやボバ・フェットなど、その世界観は共有するも、ジェダイとシスの対立から離れた作品も生まれた

そこに最近「アソーカ」という、一人のジェダイを軸とするドラマが生まれた
久々に、ライトセーバーの戦いが繰り広げられる、スターウォーズらしいドラマだった
その中にアソーカの師匠である「アナキン・スカイウォーカー」との交流が描かれた

ということで、アナキンを軸にもう一度見直すこととした

EP1で奴隷の子どもとして育っていた少年が、ジェダイに見いだされて修行の道に入り
EP2でパダワン(弟子)として、オビ・ワンのもとで成長し、アミダラと恋に落ちる
3Dアニメ版の「クローン・ウォーズ」にてアソーカと出会い、彼女をパダワンとする(このエピソードが、前述のドラマ「アソーカ」で生きてくる)
EP3で恋人との別れ、師匠との対立が描かれ、暗黒面へと落ち シスであるダース・ベイダーへと変貌を遂げる

今見直したのはここまでだが、今回注目したのは音楽(テーマ)の使われ方
アナキンの立ち位置、心境に合わせて「ジェダイのテーマ」「ダースベイダー(帝国)のテーマ」がさりげなくアレンジされている

このあと、以前はなかったドラマ「オビ・ワン・ケノービ」で師匠と弟子の再会と、次世代のルークとレイアの物語の始まりを観ることになる
(全6回のドラマだから、見直すのに数日かかるだろう)
そしてEP4からEP6で、悪の権化として師匠を倒す姿から、親子の絆から悪を倒すまで描かれる

いやはや壮大なストーリーだ

そして、注目点を変えながら、何度見返しても新鮮に楽しめる

ルークとレイア、ハンソロの物語の続きとしてEP7からEP9も観てしまうけど、やはりEP6までの物語が本流だと思える

中学生のときにリアルタイムで第1作を劇場で観た世代
今年還暦になる身でまだ楽しめるなんて…

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June 25, 2023

ライブレビュー「キツネの嫁入り×downy」スキマ産業 Live 2023

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久々にライブに行った
このブログの記録から行けば、2019年末の「キツネの嫁入り ワンマンライブ」以来だ
途中コロナ渦があったといえ、体調悪化で仕事に体力を残すのが精いっぱいというありさま
特に土曜は治療の関係で「仕事か病院」で予定が埋まり、基本土曜開催の「キツネの嫁入り ワンマンライブ」もいけなくなっていた
そんな折、久々の「スキマ産業」(キツネの嫁入り主催の企画)があると聞き、しかも金曜だと
うまいこと仕事も連休と重なり、木曜と土曜に治療に行けば金曜は空けることができる…と

で、対バンさんの情報を得てYouTubeで音を聴いてみる
これがまた見事に好みに刺さっていた
ということで、体調さえ許せば参戦しようと
SNSで話題にしてたらロック好きの同僚が「一緒に行きましょか」とうれしい提案
前売りを二人分購入
「オールスタンディング」の文字が不安を誘ったが…

会場は二条Growly、初めて行くハコだ

オープニングは「キツネの嫁入り」
最後にライブに行ってからメンバーも大きく変わっており、楽器構成に合わせて既存曲も雰囲気が変わっていた
でも、変拍子の嵐は相変わらずで、友人曰く「ノリがわかったころには曲が終わる」という、私の大好きは変態ぶり
ハコの特性か、マドナシさんの言霊が届きにくかったけど、そこは脳内で補正
メリハリのある演奏で、音の洪水に浸る

初期を知る私には、ゆるりとした「引き算の音楽」が好みではあるけど、メンバー編成の変遷によってそこにある楽器に合わせて「足し算の音楽」と化している
時々訪れるブレイクの緊迫感は相変わらず魅力の一つだ
聴きなれたナンバーで始まり、途中ライブでは初めて聞く曲もはさみつつ、聞きなれた曲が続いて締まる
ラストの「俯瞰せよ月曜日」でピークに達し、次のバンドに譲るべくアンコールなしで余韻のまま終了
もうちょっとひーちゃんさんの美声を聴きたかったが、「言葉はいつも足りないから」のループを胸にしまって次回で会えることを楽しみに

休憩をはさんでDownyさん
音出しの時点で攻撃的なギターサウンド…期待が高まる
このライブの告知を知った時点でYouTubeでとにかく音源を聴きまくる
RadioHead、Mogwai、SigurRosなどに通じる無機的な音楽
ライブではどうなんだろう、と

事前学習が効いたのか、そこそこ耳になじんでいた曲が大音量で全身に浴びせられる
キツネの嫁入りを「足し算」と評したが、こちらは「総和」で浴びせられる音
じゃぁ混沌かというとそうではなく、変則的ながら絶妙にきざまれるドラムのビートと、グルーブしまくるベースが底辺にしっかりあるために一切破綻しない
そこに攻撃的なギターの音が切り込んでくる
音源で聞くと整理されているものがライブだとすべて「圧」となって襲ってくる
これは逆に良いオーディオで大音量で聞かないと彼らの良さは分からないということか(パソコンで音源を聴くだけではものたりない)
ライティングの代わりに映像を同期させて表現する手法だが、これはなかなか「没入」と「突き放し」のどちらでもない、浮遊してる感覚に陥らせて心地よい

このハコの特徴なのか、バスドラの響きが「床から身体に響く」ものでなく、直接「心臓に響く」感じだった
足が衰え常に足先がしびれる湯になった弊害かもしれないが
ともあれ、ヘッドフォンの大音量で聞く音楽でも味わえない、「身体で効く音」は心地よい

身体の負担も考えて、PA前の椅子を確保して臨んだが、どちらのバンドも演奏が始まったら立ちっぱなしで
いやぁ、変拍子にのるのは足の踏ん張りがいるんで途中つりそうなふくらはぎと格闘しながらも完走
普段聞こえにくくなった耳も、大音量で耳穴かっぽじってもらえたし、鼓動が弱くなった心臓もバスドラがAED的に撃ちまくってくれて…
生命力を再起動してもらえたライブでした

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